sIeeeeeep
TRAINING33巻の病院にいるあたりのマコタツ消灯のチャイムが鳴ったら(マコタツ)病院の個室で一人、真虎は考え事をしていた。復讐を心に誓い、進んできた道にできた迷いが、真虎の決意を鈍らせる。
タツヒコからメールが届いていたが、真虎は開いていない。件名から察するに、体調を気遣う内容らしいが、真虎はそれを読む気にはなれなかった。山城兄弟にしたことをタツヒコだって許せているわけではないだろうに、憎い相手の体を心配するなんて、真虎には理解できないことだった。
昼間、馬頭が病院まで真虎に会いにきた。タツヒコの話をされて、真虎は内心悪態をつく。何もかも捨ててただタツヒコと一緒にいられたらと思う反面、そんなことできるはずがないと一蹴する。
病室にいる真虎は眠れなかった。夜の街に生きていた真虎に、病院の消灯時間は早すぎる。暇潰しにテレビもつけれず、外出もできず、真虎は時計の針を見ながら、ただベッドの中で夜が明けるのを待っていた。
371タツヒコからメールが届いていたが、真虎は開いていない。件名から察するに、体調を気遣う内容らしいが、真虎はそれを読む気にはなれなかった。山城兄弟にしたことをタツヒコだって許せているわけではないだろうに、憎い相手の体を心配するなんて、真虎には理解できないことだった。
昼間、馬頭が病院まで真虎に会いにきた。タツヒコの話をされて、真虎は内心悪態をつく。何もかも捨ててただタツヒコと一緒にいられたらと思う反面、そんなことできるはずがないと一蹴する。
病室にいる真虎は眠れなかった。夜の街に生きていた真虎に、病院の消灯時間は早すぎる。暇潰しにテレビもつけれず、外出もできず、真虎は時計の針を見ながら、ただベッドの中で夜が明けるのを待っていた。
sIeeeeeep
TRAININGタツヒコと新宿について思うマコさんの話オレたちの住む街(マコタツ)白鳥龍彦と言う男について、何も知らなそうな若者だと思ったのが第一印象だった。飢えた男にご飯を奢るくらいお安い御用で、ついでに仕事の紹介ができたらラッキーだな、と当時の真虎は思っていた。
タツヒコという男は意外にも素直で、一生懸命に仕事をやる男だった。一本筋が通った信念を持ち、意思を曲げない頑固さもあった。
そんなタツヒコが頭角を表すのは当然のことで、真虎はタツヒコがバーストを背負う逸材になる確信があった。その考えが強くなっていくと、真虎は次第に自分の心の奥にいるあの人とタツヒコが似ていると思うようになった。
あの人に似ていると気付いてからの真虎はさらにタツヒコを可愛がった。一人だけ特別扱いしてはいけないと思いながら、真虎は日を追うごとにタツヒコが可愛くてしょうがなくなった。
638タツヒコという男は意外にも素直で、一生懸命に仕事をやる男だった。一本筋が通った信念を持ち、意思を曲げない頑固さもあった。
そんなタツヒコが頭角を表すのは当然のことで、真虎はタツヒコがバーストを背負う逸材になる確信があった。その考えが強くなっていくと、真虎は次第に自分の心の奥にいるあの人とタツヒコが似ていると思うようになった。
あの人に似ていると気付いてからの真虎はさらにタツヒコを可愛がった。一人だけ特別扱いしてはいけないと思いながら、真虎は日を追うごとにタツヒコが可愛くてしょうがなくなった。
sIeeeeeep
TRAINING学生たちの冬休み期間に入って未成年に溢れる新宿を見て、真虎さんの学生の頃に思いを馳せるタツヒコの話学生の頃(マコタツ)朝から声を掛けた子が軒並み未成年だった。スカウト業にも慣れてきたというのに、ここまでミスをするのも珍しい。タツヒコはうーんと頭を悩ませ、ふと寮の部屋にあったカレンダーを思い出し、学生の冬休み期間になったのだと、そこでようやく気付く。
未成年は厄介だ。興味本位でやりたいと食いつかれると面倒で、働かせることができないと説明しても粘ってくる。少しくらい年齢を偽ってもバレやしないと高を括る子が多くて、昨今の業界事情を考えるととてもじゃないが首を縦には振れない。
「こんなんじゃ仕事になんなっすよ」
泣き言をいうタツヒコに真虎は笑った。そうだねえ、といいながらいつものように煙草をふかす。
タツヒコは諦めたように頭の後ろで手を組んだ。あーあ、と投げやりに溜息を吐く。
562未成年は厄介だ。興味本位でやりたいと食いつかれると面倒で、働かせることができないと説明しても粘ってくる。少しくらい年齢を偽ってもバレやしないと高を括る子が多くて、昨今の業界事情を考えるととてもじゃないが首を縦には振れない。
「こんなんじゃ仕事になんなっすよ」
泣き言をいうタツヒコに真虎は笑った。そうだねえ、といいながらいつものように煙草をふかす。
タツヒコは諦めたように頭の後ろで手を組んだ。あーあ、と投げやりに溜息を吐く。
sIeeeeeep
TRAININGお題ひねり出してみたhttps://shindanmaker.com/392860
マコタツへのお題は『愛してる、って言ったら満足?』です。
最終回生存軸の話。
愛してる、って言ったら満足?(マコタツ)復讐を終えた真虎さんはどこか欠落していた。生涯をかけてでも達成したかったことができたはずなのに。
真虎さんと離れたことで好きだと気付いたオレは、一通りの事情聴取が終わった後に告白をした。真虎さんはいいよって言ってくれてオレたちは付き合い始めた。弱っているところにつけこんだようで心が痛かったが、真虎さんをこのまま一人にさせておくほうが心配になる。
魂が抜けたように生きていると思いながら、オレは真虎さんへ今までみたいに振る舞った。真虎さん自身で気付いて、変わる日まで見守ろうと思っていた。
きっかけは何だったか覚えていない。すごく些細な事でムカついて、オレはつい、真虎さんにつっかかるようなことを言ったのだ。
555真虎さんと離れたことで好きだと気付いたオレは、一通りの事情聴取が終わった後に告白をした。真虎さんはいいよって言ってくれてオレたちは付き合い始めた。弱っているところにつけこんだようで心が痛かったが、真虎さんをこのまま一人にさせておくほうが心配になる。
魂が抜けたように生きていると思いながら、オレは真虎さんへ今までみたいに振る舞った。真虎さん自身で気付いて、変わる日まで見守ろうと思っていた。
きっかけは何だったか覚えていない。すごく些細な事でムカついて、オレはつい、真虎さんにつっかかるようなことを言ったのだ。
sIeeeeeep
TRAINING◆小説用お題あれこれhttps://shindanmaker.com/1094693
マコタツさんへのお題は「君のための言葉」です。
生存軸。ブタ箱からシャバに戻って来た真虎さんとタツヒコが食事に行く話。
君のための言葉(マコタツ)刑務所から戻ってきた真虎を迎えたのはタツヒコだった。服役中、何度も面会に訪れ、その日は待ちに待っていた日だった。
真虎が戻って来た頃には新宿もすっかり様変わりしていた。近年開催される東京オリンピックに合わせて古い建物は取り壊され、公衆トイレも新しく設置し、そこら中に座り込んでいた浮浪者は消え失せていた。真虎は久々のシャバの空気に触れながら、消えていった人々は一体どこにいったのだろうと思う。路上喫煙禁止、と大きく書かれた看板を見ながら、煙草を取り出そうとした手を引っ込めた。
タツヒコの案内について行きながら見慣れたバーストの事務所を通り過ぎる。ここだけは何も変わらなくて、ここ数十年の日々がなかったかのような気にさせられた。
1217真虎が戻って来た頃には新宿もすっかり様変わりしていた。近年開催される東京オリンピックに合わせて古い建物は取り壊され、公衆トイレも新しく設置し、そこら中に座り込んでいた浮浪者は消え失せていた。真虎は久々のシャバの空気に触れながら、消えていった人々は一体どこにいったのだろうと思う。路上喫煙禁止、と大きく書かれた看板を見ながら、煙草を取り出そうとした手を引っ込めた。
タツヒコの案内について行きながら見慣れたバーストの事務所を通り過ぎる。ここだけは何も変わらなくて、ここ数十年の日々がなかったかのような気にさせられた。
sIeeeeeep
TRAINING140文字で書くお題ったーhttps://shindanmaker.com/375517
結果
貴方はマコタツで『男のロマン』をお題にして140文字SSを書いてください。
付き合ってるマコタツ
男のロマン(マコタツ)この前、という語りだしから嬉々としてタツヒコが喋る。寒いと言った女の子に自身の上着を貸したら、ダボダボで可愛かったという世間話だった。
真虎は目の前の恋人が同様の状況になったのを想像し、悪くないと思った。
隣を覗きこんだ真虎がそっと視線をあげる。ただしそれは不可能という点を除いて。
141真虎は目の前の恋人が同様の状況になったのを想像し、悪くないと思った。
隣を覗きこんだ真虎がそっと視線をあげる。ただしそれは不可能という点を除いて。
sIeeeeeep
TRAINING140文字で書くお題ったーhttps://shindanmaker.com/375517
結果
貴方は名無しのSで『宛先のない手紙』をお題にして140文字SSを書いてください。
最終話の後のタツヒコ。
宛先のない手紙(マコタツ)実家に手紙を書いてるんだ、と女の子は言った。田舎の両親はメールもできないくらいアナログ人間なのだという。
困るよね。そう言って笑った顔があまりに無垢で、羨ましいとタツヒコは思った。
「俺も書いてみようかな」
独り言のようにタツヒコがいう。
きっと喜ぶよ。
女の子は優しく微笑んだ。
140困るよね。そう言って笑った顔があまりに無垢で、羨ましいとタツヒコは思った。
「俺も書いてみようかな」
独り言のようにタツヒコがいう。
きっと喜ぶよ。
女の子は優しく微笑んだ。
sIeeeeeep
TRAINING◆小説用お題あれこれhttps://shindanmaker.com/1094693
マコタツさんへのお題は「それは言わないで」です。
生存軸のマコタツ。
それは言わないで(マコタツ)日本有数の暴力団が一つ潰れた。新宿をシマにしていた組だったが、世間はそんなことも知らずに日常を送っていた。
スカウト会社バーストは新社長、タツヒコのもと、新たなスタートを切っていた。ケツモチを置かないやり方で、破竹の勢いでシマを広げていった。
真虎は幹部としてバーストに籍を置いた。何事もなかったかのようにスカウト業を続けていた。本来であればブタ箱行きのところを、タツヒコを慕う人々がタツヒコの願いを叶えようと奔走した結果だった。
真虎は相変わらずの笑顔だった。何も変わらないように見えた。
しかし一番近くにいるタツヒコは知っていた。真虎が生きたままゆっくりと死に向かっていたことを。
真虎は煙草を吸う。ふうと息を吐いて、白い煙を上げている時の真虎の目に生気はなかった。そんな時はいつもなげやりなことをいう。タツヒコは毎度、そんなことを言わないでくれと返した。
463スカウト会社バーストは新社長、タツヒコのもと、新たなスタートを切っていた。ケツモチを置かないやり方で、破竹の勢いでシマを広げていった。
真虎は幹部としてバーストに籍を置いた。何事もなかったかのようにスカウト業を続けていた。本来であればブタ箱行きのところを、タツヒコを慕う人々がタツヒコの願いを叶えようと奔走した結果だった。
真虎は相変わらずの笑顔だった。何も変わらないように見えた。
しかし一番近くにいるタツヒコは知っていた。真虎が生きたままゆっくりと死に向かっていたことを。
真虎は煙草を吸う。ふうと息を吐いて、白い煙を上げている時の真虎の目に生気はなかった。そんな時はいつもなげやりなことをいう。タツヒコは毎度、そんなことを言わないでくれと返した。
sIeeeeeep
TRAININGこんなお話いかがですが、より。https://shindanmaker.com/804548
「こんなところで、どうしたの」という台詞で始まり「そんな思い出が今でも心臓を刺すのだ」で終わります。
はじめて会った日(マコタツ)『こんなところで、どうしたの』
回想する出会いで真虎が優しくいう。思い出は都合よく改変されがちである。あの時真虎に声を掛けられていなかったら、こうして歌舞伎町で生きていくこともなかっただろう。タツヒコはそう思いながら、真虎とのそんな思い出が今でも心臓を刺すのだった。
133回想する出会いで真虎が優しくいう。思い出は都合よく改変されがちである。あの時真虎に声を掛けられていなかったら、こうして歌舞伎町で生きていくこともなかっただろう。タツヒコはそう思いながら、真虎とのそんな思い出が今でも心臓を刺すのだった。
sIeeeeeep
TRAINING診断メーカー・ふたりへのお題ったー(https://shindanmaker.com/122300 )より。酔っぱらい真虎さんに絡まれるタツヒコ。
いつもの私ならこの後トイレプレイ(R18)にしてるだろうな、という展開だわ
「いいかげんにしてってば!」(マコタツ)酔っぱらいの介抱は面倒臭い。元来、白鳥龍彦という男は、面倒見がいいわけでもないので、給料が発生するわけでもない飲みの場でのシゴトなんて、全くやりたくないのである。
目の前にはニコニコと笑う上司が一人。いつもタツヒコに優しい笑みをくれる真虎であったが、酩酊状態の笑顔はいつもの微笑みとは一味違っている。
「もー、やめてくださいよ真虎さん」
タツヒコは参っていた。酔っぱらった真虎が、自身のくるくるの髪の毛を指先で遊び続けていた。鳥の棲みたい、綿あめみたいと様々なものに例えながら、タツヒコを放そうとはしない。いつもの頼りがいのある上司から、子供っぽい姿のギャップは悪くないが、少し前からタツヒコはトイレに行きたかった。
395目の前にはニコニコと笑う上司が一人。いつもタツヒコに優しい笑みをくれる真虎であったが、酩酊状態の笑顔はいつもの微笑みとは一味違っている。
「もー、やめてくださいよ真虎さん」
タツヒコは参っていた。酔っぱらった真虎が、自身のくるくるの髪の毛を指先で遊び続けていた。鳥の棲みたい、綿あめみたいと様々なものに例えながら、タツヒコを放そうとはしない。いつもの頼りがいのある上司から、子供っぽい姿のギャップは悪くないが、少し前からタツヒコはトイレに行きたかった。
sIeeeeeep
TRAINING診断メーカー・ふたりへのお題ったー(https://shindanmaker.com/122300 )より。真虎が人から貰った飴をタツヒコにあげる話
キャンディおひとつどうぞ(マコタツ)「これ、よければどうぞ。ウチのオリジナルです」
そう言った店長がビビットな色のパッケージの飴を一つ渡す。小さな包みに器用に文字を詰め、風俗店の名前が書いてあった。担当の店がサービスの一環で飴をプレゼントすることにしたらしい。真虎はありがとうと小さくお礼を言って、それをポケットにしまった。
ヘビースモーカーの真虎に飴を食べる機会はない。タツヒコにでもくれてやろうと、スカウト通りへ足を運んだ。様々な女性に積極的に声を掛ける姿に感心しながら、仕事の邪魔をしないようにそっと近付く。真虎の存在にすぐに気付いたタツヒコが、お疲れ様です! と大きな挨拶をした。
「これ、あげるよ」
真虎はさきほど店長から貰った飴をタツヒコに渡した。怪訝そうに見つめるタツヒコに、真虎は事の経緯を説明した。
563そう言った店長がビビットな色のパッケージの飴を一つ渡す。小さな包みに器用に文字を詰め、風俗店の名前が書いてあった。担当の店がサービスの一環で飴をプレゼントすることにしたらしい。真虎はありがとうと小さくお礼を言って、それをポケットにしまった。
ヘビースモーカーの真虎に飴を食べる機会はない。タツヒコにでもくれてやろうと、スカウト通りへ足を運んだ。様々な女性に積極的に声を掛ける姿に感心しながら、仕事の邪魔をしないようにそっと近付く。真虎の存在にすぐに気付いたタツヒコが、お疲れ様です! と大きな挨拶をした。
「これ、あげるよ」
真虎はさきほど店長から貰った飴をタツヒコに渡した。怪訝そうに見つめるタツヒコに、真虎は事の経緯を説明した。
sIeeeeeep
TRAINING診断メーカー・ふたりへのお題ったー(https://shindanmaker.com/122300 )より。マコさん生存、その後二人で過ごした日の話
どこにいても、きっと見つける(マコタツ)目が覚めて隣に真虎さんがいないと血の気が引く。どこかにいなくなってしまったんじゃないかって、携帯電話を慌てて開いた。真虎さんからの着信も、メールもなく、着の身着のまま飛び起きて外へ出た。あてもなく回っても見つかるはずがないと思いながら、いてもたってもいられない。
きょろきょろ頭を振って辺りを見回すと、遠くから小さなビニール袋を提げて歩く真虎さんが見えた。近くのコンビニに行っていたようで、ちょうど戻ってきたところだった。
視界に入った瞬間、真虎さんが微笑んで、オレの焦躁が止む。こんなことが毎日のように続き、俺は真虎さんが戻ってきて嬉しい筈なのに、命が少しずつ削られている気がした。
292きょろきょろ頭を振って辺りを見回すと、遠くから小さなビニール袋を提げて歩く真虎さんが見えた。近くのコンビニに行っていたようで、ちょうど戻ってきたところだった。
視界に入った瞬間、真虎さんが微笑んで、オレの焦躁が止む。こんなことが毎日のように続き、俺は真虎さんが戻ってきて嬉しい筈なのに、命が少しずつ削られている気がした。