いぬさんです。
MOURNING完全スピンオフ夢小説です。5「今からお社に行って来てくれる?お社に一人でおつかいをお願いするのはこれが最後よ。」
私はすぐに支度をし、置いてくる手紙を受け取ろうとしたが、今回は回収するだけでいいという。
それでは文通にならないと不思議に思ったが、とにかく散歩に出掛け、普段通りにルーティンをこなし戻ってきた。
今回も彼女は駆け寄って来て抱き締めてくれ、手紙を読むとにっこりと笑い、大事な話があると言った。
彼女は初めて手紙を見せてくれた。
たった一行だけ書かれた手紙。
もちろん小学生にもなっていない私には読めない。
「こう書いてあるのよ」
明日予定通りに行けるよ!頑張れ!!
「明日の午前中に赤ちゃんを生むの。その時実はここから出てお父さんとお母さんのところに帰るのよ。」
1340私はすぐに支度をし、置いてくる手紙を受け取ろうとしたが、今回は回収するだけでいいという。
それでは文通にならないと不思議に思ったが、とにかく散歩に出掛け、普段通りにルーティンをこなし戻ってきた。
今回も彼女は駆け寄って来て抱き締めてくれ、手紙を読むとにっこりと笑い、大事な話があると言った。
彼女は初めて手紙を見せてくれた。
たった一行だけ書かれた手紙。
もちろん小学生にもなっていない私には読めない。
「こう書いてあるのよ」
明日予定通りに行けるよ!頑張れ!!
「明日の午前中に赤ちゃんを生むの。その時実はここから出てお父さんとお母さんのところに帰るのよ。」
いぬさんです。
MOURNING完全スピンオフ夢小説です。4「実、これを持って行って」
お社の掃除に行こうとする私を彼女は引き留めた。
なんの変哲もない封筒。
「こうやって、着物の袂に入れて。落としちゃだめよ?」
そういうと、彼女は教えてくれた。
嫁いで来た時から、外部との連絡は殆どできず手紙などは全て内容を確認された。電話もどこで聞かれているか分からないので、家族に元気でいると伝えるので精一杯だった。
そして何より嫁いで来てから5年間懐妊ならず、白い目で見られているのも嫌だった。もとはと言えば帰って来ない旦那が悪い。
彼女は反発心から自由に外部と連絡が取れる方法を考えた。
それがあのお社だった。
自分は常に付き人がいるが、体を半分突っ込んでお社の中を掃除すれば手紙くらいなら着物の襟元や袂に素早く出し入れできる。着物なんて着たくなかったけど役に立つなんて皮肉だ。
1015お社の掃除に行こうとする私を彼女は引き留めた。
なんの変哲もない封筒。
「こうやって、着物の袂に入れて。落としちゃだめよ?」
そういうと、彼女は教えてくれた。
嫁いで来た時から、外部との連絡は殆どできず手紙などは全て内容を確認された。電話もどこで聞かれているか分からないので、家族に元気でいると伝えるので精一杯だった。
そして何より嫁いで来てから5年間懐妊ならず、白い目で見られているのも嫌だった。もとはと言えば帰って来ない旦那が悪い。
彼女は反発心から自由に外部と連絡が取れる方法を考えた。
それがあのお社だった。
自分は常に付き人がいるが、体を半分突っ込んでお社の中を掃除すれば手紙くらいなら着物の襟元や袂に素早く出し入れできる。着物なんて着たくなかったけど役に立つなんて皮肉だ。
いぬさんです。
MOURNING完全スピンオフ夢小説です。3着物の女性は「五条凪(なぎ)」という。
五条家当主の元へ嫁いで来た五条家の遠縁という話だった。
その当主は当主としての仕事が色々あるらしく、殆ど本家に帰る事はないとの事だった。
ある日彼女は寂しそうにそう教えてくれたが、「短い期間に実と赤ちゃん、家族が2人も増えるなんて私はラッキーだわ」と笑った。
彼女が私の元を訪れた二日後だったと思うが、私は和室から出され、彼女の居室で彼女と生活する事になった。
広い洋室で、ベビー用品がたくさん置いてある陽当たりの良い部屋だった。
その日から彼女と食事をし、お風呂に入り、用意してもらった私のベッドを彼女のベッドに並べて眠った。
今思えば大きなお腹で6歳児の面倒を見るのは大変だったと思うが、彼女はできる限り人の手を借りず私の世話をした。
1259五条家当主の元へ嫁いで来た五条家の遠縁という話だった。
その当主は当主としての仕事が色々あるらしく、殆ど本家に帰る事はないとの事だった。
ある日彼女は寂しそうにそう教えてくれたが、「短い期間に実と赤ちゃん、家族が2人も増えるなんて私はラッキーだわ」と笑った。
彼女が私の元を訪れた二日後だったと思うが、私は和室から出され、彼女の居室で彼女と生活する事になった。
広い洋室で、ベビー用品がたくさん置いてある陽当たりの良い部屋だった。
その日から彼女と食事をし、お風呂に入り、用意してもらった私のベッドを彼女のベッドに並べて眠った。
今思えば大きなお腹で6歳児の面倒を見るのは大変だったと思うが、彼女はできる限り人の手を借りず私の世話をした。
いぬさんです。
MOURNING完全スピンオフ夢小説です。2私が6歳になる前日、母は私を本家に連れて行った。
ごくごく普通に暮らし、呪いとは無縁と思い安心しきっていた母は奈落の底に落とされる。
「この子供には呪力が全く無い」
天与呪縛
きっとこの子にはなんらかの「ギフト」がある。
私は母と年老いた本家のお偉方の話をぼんやりと聞いていた。
「この子は運動ができるか?」
「いえ……幼稚園ではごく普通と言われていますし、特に感じた事はありません……」
「フィジカルギフテッドではないのか…?」
「天与呪縛ではありません……!普通の子供です……!」
母の焦りが幼い私にも伝わってきた。
でも、何故焦っているのか分からなかった。
小一時間ほど押し問答は続いただろうか。話は平行線だったようだが、鶴の一声で決着は着いた。
1162ごくごく普通に暮らし、呪いとは無縁と思い安心しきっていた母は奈落の底に落とされる。
「この子供には呪力が全く無い」
天与呪縛
きっとこの子にはなんらかの「ギフト」がある。
私は母と年老いた本家のお偉方の話をぼんやりと聞いていた。
「この子は運動ができるか?」
「いえ……幼稚園ではごく普通と言われていますし、特に感じた事はありません……」
「フィジカルギフテッドではないのか…?」
「天与呪縛ではありません……!普通の子供です……!」
母の焦りが幼い私にも伝わってきた。
でも、何故焦っているのか分からなかった。
小一時間ほど押し問答は続いただろうか。話は平行線だったようだが、鶴の一声で決着は着いた。
いぬさんです。
MOURNING完全スピンオフ夢小説です。たまーにエチ表現あり。
正確な時系列、術式、お話の背景等ではないので、寛大な心で読んでください。
長い長いお話ですのでちまちまアップします。
1昔話を聞いてくれるかな?
私の名前は「五条実」。
「実」は「みのる」と読む。
本当は「みのり」という名前のはずが、私が生まれて有頂天になった父が出生届けのふりがなを間違えた。
名前だけ見て私を男だと思う人がたくさんいた事は言うまでもないが、すぐ覚えてもらえる名前なので子供の頃は嫌だったが現在は特に気にしていない。
しかし当時母は怒り狂って離婚を申し出たそうだ。
そんな私の母。
母は五条家の人間。
父は非呪術師、つまり一般人。婿入りしたかたち。
五条家には色々しきたり?があって、ちょっとその辺りから説明しておきたいと思う。
御三家の一つ五条家。
呪術系の家系で唯一六眼が生まれる血筋。
しかし、長い呪術師の歴史と世の流れの中で術式どころか殆ど呪力を持たない人間も多く生まれるようになり、3つの条件を満たせば五条家のしきたりから離れる事ができるようになった。
623私の名前は「五条実」。
「実」は「みのる」と読む。
本当は「みのり」という名前のはずが、私が生まれて有頂天になった父が出生届けのふりがなを間違えた。
名前だけ見て私を男だと思う人がたくさんいた事は言うまでもないが、すぐ覚えてもらえる名前なので子供の頃は嫌だったが現在は特に気にしていない。
しかし当時母は怒り狂って離婚を申し出たそうだ。
そんな私の母。
母は五条家の人間。
父は非呪術師、つまり一般人。婿入りしたかたち。
五条家には色々しきたり?があって、ちょっとその辺りから説明しておきたいと思う。
御三家の一つ五条家。
呪術系の家系で唯一六眼が生まれる血筋。
しかし、長い呪術師の歴史と世の流れの中で術式どころか殆ど呪力を持たない人間も多く生まれるようになり、3つの条件を満たせば五条家のしきたりから離れる事ができるようになった。