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    いぬさんです。

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    いぬさんです。

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    完全スピンオフ夢小説です。

    #呪術廻戦夢小説
    jutsuKaisenDreamNovel

    「実、これを持って行って」

    お社の掃除に行こうとする私を彼女は引き留めた。

    なんの変哲もない封筒。

    「こうやって、着物の袂に入れて。落としちゃだめよ?」

    そういうと、彼女は教えてくれた。

    嫁いで来た時から、外部との連絡は殆どできず手紙などは全て内容を確認された。電話もどこで聞かれているか分からないので、家族に元気でいると伝えるので精一杯だった。
    そして何より嫁いで来てから5年間懐妊ならず、白い目で見られているのも嫌だった。もとはと言えば帰って来ない旦那が悪い。
    彼女は反発心から自由に外部と連絡が取れる方法を考えた。

    それがあのお社だった。
    自分は常に付き人がいるが、体を半分突っ込んでお社の中を掃除すれば手紙くらいなら着物の襟元や袂に素早く出し入れできる。着物なんて着たくなかったけど役に立つなんて皮肉だ。
    帳は対呪霊用だから、非術師なら裏山からこっそり出入りしても見付からないと踏んだ。

    最初に誰に頼もうか悩んだが、一度五条家で遊んだ事がある幼馴染みが「面白い」という理由で引き受けてくれ、それ以降時々手紙のやりとりをし、お互いの家庭の不満をぶつけたり近況報告をしてきたのだそうだ。


    今思えば、非力な嫁と非術師の他愛のないやりとりを五条家は黙認していたのだと思う。


    もうすぐ赤ん坊が生まれるので、とても大切なやりとりをしている。だから、絶対に見付からずに手紙を受け取り、この手紙をお社の中に入れてきて欲しい。

    彼女は今まで見せたことのない真剣な表情でそう言った。

    私は「絶対に見付からないように」と言われた事でプレッシャーを感じ、怖くなった。しかし、私の声に反応してくれる赤ん坊の事を考えると、行くしかなかった。
    私はいつも通り散歩に出て、お社に行き、手入れをしながら手紙を回収、素早く襟元に入れ、袂から手紙を出してお社の中に入れた。その後はいつも通りのおやつを一人で食べ、監視の視線を感じながら屋敷に戻った。

    彼女の部屋に戻ると、彼女が駆け寄って来て抱き締めてくれた。
    「怖かったよね?ごめんね。頑張ったね。ありがとう」
    襟元から手紙を出して渡すと、彼女は一気に読んだ。
    そしてこう続けた。
    「あと一回だけ、お社に行ってもらわなきゃいけないかもしれない。頑張れる?」
    今回上手くいった事で私は自信をつけたのでまた私は二つ返事で快諾した。


    12月6日

    「実、明日赤ちゃんが生まれるよ。」
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