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    #シノヒス

    thinusThynnus

    あおい🧙‍♂️

    DONE猫が騒ぐ日用再掲です(その③)

    お読みいただきありがとうございました!
    またお話書けたらいいな~~
    『夜のワルツ』

     賢者の魔法使いたち二十一人が魔法舎に住むことが決まり、騒がしい引越しラッシュがようやく落ち着いた日の夜のこと。シノは明かりも人気もない廊下を歩くと、主君であり友人であり、そして恋人でもあるヒースクリフの部屋を訪ねた。
    「ヒース、いるか」
    「わっ、シノ?」
     ノックをせず部屋に入れば、ベッドの上で本を読んでいたヒースクリフが顔をあげる。
     シノはベッドまで歩くと彼の傍に腰を下ろした。
    「どうしたんだ、こんな夜中に」
    「最近どうも寝つきが悪いんだ。だから、今夜はここで寝かせてくれ」
    「えっ、シノが寝付けないなんて珍しいね。具合でも悪いんじゃないのか?」
     シノの言葉に、ヒースクリフが驚きの声を上げた。
     基本的にシノは屋根があり、雨風が凌げればどこででも眠ることができた。そのことをヒースクリフも知っている。
    だから具合が悪いのかと、彼が心配するのも無理はなかった。
    「体調は普通だ。ただ、眠れないのは困るから、さっき南の魔法使いのフィガロに聞いてみた。あいつは医者らしいからな。そうしたら、故郷を感じるものを傍に置くといいと言われた。アミュ……なんとか。忘れたけど」
    「忘れ 2557

    あおい🧙‍♂️

    DONE猫が騒ぐ日用(その①)ピクシブに載せているものです。
    少し前に書いたものなので設定が違うかもですが…お時間があれば是非~~☺️✨
    『はじまりのうた。』


    雨の音が恋しい。

     ヒースクリフは自室のベッドに横になると頭の中で雨の音を思い浮かべた。
     さあさあと、一定のリズムが心地よく響く。
     今日はいろいろなことがあった。今年の大いなる厄災が終わったばかりだというのに、落ち着く間もなく中央の国の魔法管理省により魔法舎に火が放たれ、応戦していると新しい賢者の魔法使いが現れた。
     先の厄災で失った仲間の変わりに新たに加わった十人の賢者の魔法使い。
     その中に、ヒースクリフのよく知る人物がいた。
    (シノ……)
     青みのかかった黒髪と、気の強さを湛えた赤い瞳の少年。彼はヒースクリフと同じ東の魔法使いだった。ブランシェット家の使用人であり、ヒースクリフの幼馴染。
     大いなる厄災のために召集されたとき以来の再会に、驚きと、喜びと、安堵を感じた。素直に嬉しいと言えればどんなによかったか。それなのに、気持ちと裏腹に、その後の各国の顔合わせでつい口げんかをしてしまったのだから恥ずかしい。
    (賢者様やみんなの前で……原因は間違いなくシノにあるんだけど)
     それからシノとはほとんど言葉を交わさなかった。部屋に戻る前に仲直りすればよかっ 2988

    あおい🧙‍♂️

    DONE猫が騒ぐ日用にピクシブより再掲分です。(その②)
    設定が…(以下同…)
    よろしくお願いします〜☺️🙏
    『フリージアの憂鬱』

    「えっ、ヒースってば本当にあれをやったの?」
    「あはは……」
     とある晴れた日の午後。談話室にて晶やクロエと談笑していたヒースクリフは、驚くクロエのリアクションに乾いた笑みを浮かべた。
    「だってカインが絶対これだって言うから……うう、思い出すだけで恥ずかしい」
     ことの発端は今朝のこと。晶を起こすために部屋へと向かったヒースクリフは、そこでいつもと違った声かけをした。

    『け、賢者様! 朝食の時間だよー、……です! 起きてください、賢者様……』

     手にクマのぬいぐるみを持ち、腹話術の真似をして晶を起こそうと試みる。
     最近、晶が朝のベッドから出られないと聞いていたヒースクリフとカインは、どうすれば彼が起きられるだろうと話し合い、それならばいつもと違った起こし方をすればいいのではないか、という結論に至った。
     施錠のされていない部屋に入り、窓辺に置いてあるクマのぬいぐるみを手にする。ヒースクリフが部屋を歩き回っているというのに起きる気配を見せない晶に、ふと不安がよぎった。
    (そう言えば、俺、普通に部屋に入ってるけど、賢者様っていつも部屋の鍵閉めてないよな……)
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