グ飴ミ
DOODLE呪いいつも彼女が用意してくれていた毎朝のコーヒーは今日も用意されていない。
僕はあの日彼女と喧嘩して以来、口を聞けていない。
「ごめんね」
たった一言。この言葉を言えていれば彼女を苦しませなかったのかも知れない。
だが、それももうできない雰囲気で、
別れることもできず、ただただこの二人の家で時を過ごしている。
コーヒーの飲めない彼女は僕の目の前で紅茶を一口。
僕は彼女を眺める。
次第に涙目になれば「ごめん。ごめんなさい。」と掠れた声で泣き出してしまう。
「いいよ。僕もごめん。」
そう言って彼女に微笑みかけてもその謝罪が消えることはなかった。
彼女に手を伸ばす。
優しく撫でようとしたその頭を、僕の手はすり抜けてしまう。
喧嘩したあの日。
440僕はあの日彼女と喧嘩して以来、口を聞けていない。
「ごめんね」
たった一言。この言葉を言えていれば彼女を苦しませなかったのかも知れない。
だが、それももうできない雰囲気で、
別れることもできず、ただただこの二人の家で時を過ごしている。
コーヒーの飲めない彼女は僕の目の前で紅茶を一口。
僕は彼女を眺める。
次第に涙目になれば「ごめん。ごめんなさい。」と掠れた声で泣き出してしまう。
「いいよ。僕もごめん。」
そう言って彼女に微笑みかけてもその謝罪が消えることはなかった。
彼女に手を伸ばす。
優しく撫でようとしたその頭を、僕の手はすり抜けてしまう。
喧嘩したあの日。
dps94kakuriyo
DONE『ロマンス』10/21開催のサテヨモwebオンリー「喫茶店でよもやま話を」展示作品その④。11月発行の新刊に収録予定です(加筆修正再録)サンプルとしてご覧ください( ✌︎'ω')✌︎ 6
dps94kakuriyo
DONE『鶴見川にて』10/21開催のサテヨモwebオンリー「喫茶店でよもやま話を」展示作品その①。11月発行の新刊に収録予定(新作)です。サンプルとしてご覧ください( ✌︎'ω')✌︎ 9
奈良音花
PROGRESSアシュレナ小説第2弾「ダブルキャスト」。アシュトンがもし光の勇者だったら、という設定で展開するもの。クロード達との出会いのシーンをサンプルとして。パスワードは「アシュトン」の英語表記。 3556
奈良音花
DONE第88回 お題キャラクター「レオン・D・S・ゲーステ」お絵描きではなく小説ですが、クロード達と出会う前のレオン君の小説を書きました。
奇襲夕闇が訪れる中、ラクール城の深部には、さざめく声や紋章の音が絶え間なく響いていた。その一室には、鉱石が焦げるような甘く痺れるような匂いと、金属が滑り合う繊細な音が充満していた。紋章術が照らす不自然に眩しい光が、部屋の中央に配置された機械と図面に影を投げかけている。
「レオン博士、調査隊より戻った者たちが、これを持参いたしました」
言葉を交わすのは、中年の兵士。彼の手には、謎の辞典のような分厚い書物が存在していた。
「そこにおいてくれ、ベルモンド」
応えるは、繊細な手元で設計図を持つ、見るからに幼さを感じさせる少年。その名はレオン・D・S・ゲーステ。歳はわずか十二。しかしその知識と技術は、城内で彼を博士と尊称する者たちに認められていた。
2799「レオン博士、調査隊より戻った者たちが、これを持参いたしました」
言葉を交わすのは、中年の兵士。彼の手には、謎の辞典のような分厚い書物が存在していた。
「そこにおいてくれ、ベルモンド」
応えるは、繊細な手元で設計図を持つ、見るからに幼さを感じさせる少年。その名はレオン・D・S・ゲーステ。歳はわずか十二。しかしその知識と技術は、城内で彼を博士と尊称する者たちに認められていた。
コペルタ
DONE※恋人ホルイルと夫婦ホルイルの交流話↑以前SS名刺で書いた【遠幻鏡】の本編。
※特殊な話の為、呼び名分けをしています。
遠幻鏡+*·🪞·*·+🪞+·*🪞·*+
かわいい かわいい、赤毛のネズミ。
ゆらゆら 揺りカゴ、夢のナカ。
いとしい いとしい、赤毛のネズミ。
ヨダレを 垂らして、眠ってる。
だいすき だいすき、赤毛のネズミ。
ふわふわ 落ちてく、穴のナカ。
あいして あいして、赤毛のネズミ。
ずうっと ずうっと、オレの物。
*+·🪞·*·+🪞+·*🪞·+*
柔らかくて、ハリのある弾力。
ゆっくりと頭を撫でる手つき。
枕ではない感触に、寝起きの頭を起こすと、
「おはよう、トポリーノ」
イルーゾォと、目が合った。
「何だよ、オメー……もう起きてたのか」
いつもなら、オレが先に起きて渋々起こすのに。
珍しく早起きしても、じっと見つめるなり「飯」と言い放っては、二度寝を決め込む野郎なのに。
4631かわいい かわいい、赤毛のネズミ。
ゆらゆら 揺りカゴ、夢のナカ。
いとしい いとしい、赤毛のネズミ。
ヨダレを 垂らして、眠ってる。
だいすき だいすき、赤毛のネズミ。
ふわふわ 落ちてく、穴のナカ。
あいして あいして、赤毛のネズミ。
ずうっと ずうっと、オレの物。
*+·🪞·*·+🪞+·*🪞·+*
柔らかくて、ハリのある弾力。
ゆっくりと頭を撫でる手つき。
枕ではない感触に、寝起きの頭を起こすと、
「おはよう、トポリーノ」
イルーゾォと、目が合った。
「何だよ、オメー……もう起きてたのか」
いつもなら、オレが先に起きて渋々起こすのに。
珍しく早起きしても、じっと見つめるなり「飯」と言い放っては、二度寝を決め込む野郎なのに。
ここあぱうだー
DONE【掌編】よくある話 男達は工事に取り組んでいた。
「俺、この工事が終わったら、今付き合っている彼女と結婚するんです!!」
若い男はこう言った。
しかし、願いが叶う事はなかった。
まもなくガスが暴発し、工事をしていた男たちはみんな死んでしまったのだから。
「工事に携わっていた者たちの名簿はどうしますか?」
「捨てろ。工事に関する他の証拠も、全部だ。跡形もなく捨てろ。」
事故は隠蔽された。
やがてこの地で、若い男と女の写真が入ったロケットペンダントが発見された。
235「俺、この工事が終わったら、今付き合っている彼女と結婚するんです!!」
若い男はこう言った。
しかし、願いが叶う事はなかった。
まもなくガスが暴発し、工事をしていた男たちはみんな死んでしまったのだから。
「工事に携わっていた者たちの名簿はどうしますか?」
「捨てろ。工事に関する他の証拠も、全部だ。跡形もなく捨てろ。」
事故は隠蔽された。
やがてこの地で、若い男と女の写真が入ったロケットペンダントが発見された。
ここあぱうだー
DOODLE【掌編】海の龍の御伽話 かつてこの地域には龍がいた。
そして、龍は剣士によって倒され、剣士によって喰われたのだそうだ。
話は変わりーーー昔、近所に少年がいた。
その少年は、「あなたの足は海のもの。分け与えるのよ。」と親に教えられていた。
成長し、男の子は親とともに海へ降りた。
その後しばらくは、海は荒れなかった。
しかししばらくして、また海は荒れ狂い、漁師たちは連れ去られる。
海からは、こんな声が聞こえるのだそうだ。
「あの者の肉は、龍の肉ではない。龍の肉を返せ……龍の肉を返せ……」
248そして、龍は剣士によって倒され、剣士によって喰われたのだそうだ。
話は変わりーーー昔、近所に少年がいた。
その少年は、「あなたの足は海のもの。分け与えるのよ。」と親に教えられていた。
成長し、男の子は親とともに海へ降りた。
その後しばらくは、海は荒れなかった。
しかししばらくして、また海は荒れ狂い、漁師たちは連れ去られる。
海からは、こんな声が聞こえるのだそうだ。
「あの者の肉は、龍の肉ではない。龍の肉を返せ……龍の肉を返せ……」
奈良音花
MAIKING今年出すアシュレナ小説の一部のちょっと色気のあるシーン(のつもり)。アシュトン男の子だもんなーっていうのを詰め込んだ。
柔らかな陽光が部屋に差し込む中、レナはゆったりと窓際へと歩みを進めた。窓から漏れる海の音と、遠くに見える波の絶え間ない躍動に、彼女の瞳は細く揺れていた。
「こんなに贅沢な部屋で良いのかしら」と、静かな驚きを帯びた声で彼女はささやく。
アシュトンはふっと、彼女の優美な背中を眺めながら、数歩彼女の後ろに立った。
「エラノールのお父さんに感謝しなくちゃね」と、心の底からの感謝を込めて、優しげに語りかける。その声に、レナは
「ん」と、幼い頃のような無邪気な声で、ほんの少し首を傾げる。彼女が微かに下を向いた瞬間、アシュトンの視線は、レナの滑らかなうなじに引き寄せられる。窓からの光に照らされたような彼女の肌は、絹のように滑らかで。
709「こんなに贅沢な部屋で良いのかしら」と、静かな驚きを帯びた声で彼女はささやく。
アシュトンはふっと、彼女の優美な背中を眺めながら、数歩彼女の後ろに立った。
「エラノールのお父さんに感謝しなくちゃね」と、心の底からの感謝を込めて、優しげに語りかける。その声に、レナは
「ん」と、幼い頃のような無邪気な声で、ほんの少し首を傾げる。彼女が微かに下を向いた瞬間、アシュトンの視線は、レナの滑らかなうなじに引き寄せられる。窓からの光に照らされたような彼女の肌は、絹のように滑らかで。
奈良音花
DONE今年出すアシュレナ小説本の進捗。今日は36000文字まで書けた。パスワードは「アシュトン」の英語表記で。
こちらはサンプルとして、とある章の全てを抜粋。
小説のテーマは「人間の愛と繫殖」。ネーデ人の生き残りのレナ。故郷が無く一子相伝の剣術を残したいアシュトン。繁栄の道が閉ざされたギョロとウルルンの物語。 5937
奈良音花
PROGRESS今年出すアシュレナ小説本の進捗。今日は21000文字まで書けた。パスワードは「アシュトン」の英語表記で。
こちらはサンプルとして、前半部分の一部を抜粋。
小説のテーマは「人間の愛と繫殖」。ネーデ人の生き残りのレナ。故郷が無く一子相伝の剣術を残したいアシュトン。繁栄の道が閉ざされたギョロとウルルンの物語。 1638
奈良音花
PROGRESS今年出すアシュレナ小説の一部。今日は12000文字まで書いた。この小説のテーマは「ネーデ人の生き残りのレナ」「一子相伝の剣術を残したいアシュトン」「もう繁殖の道が絶たれているギョロとウルルン」が「人間の愛と繁殖」について向き合うお話。
パスワードは「アシュトン」の英語表記で。 2269
奈良音花
PROGRESS今年出すアシュレナ小説本の冒頭部分を10/2修正。時系列としては、本編アシュレナエンディングの一年後くらい。
パスワードは「アシュトン」の英語表記で。
一子相伝の剣術を残し故郷を復興させたいアシュトン×ネーデ崩壊の責任を感じているレナ
そして繁殖の道が途絶えたギョロとウルルンが二人に人間の愛を教えてもらいたい話。 1670
水無瀬 瑞穂
MAIKING普段書きかけの話を画像投稿なんてしないけれど、今回は特別にpotatoイベ終了後の類片想い話の冒頭部分。初っ端から司が死ぬけど、これくらいやらないと不眠症にはならないかな……って(鬼畜)
大丈夫! こんな切り方だけどちゃんと夢オチだから! 次のシーンでちゃんと類が起きるから!
夢オチだったらなにやってもいいと思ってるのは、まあ……うん(目逸らし) 3
キツキトウ
DONE2023/9/17子供の頃に、ラムネを飲み終わった後は祖父に中のビー玉(A玉)を強請ったの思い出した。本編や前話でもそうだけど、藤さん羞恥抱くと顔隠したがる。ぼふっと顔埋める事も多い。
本編「かわず」:https://poipiku.com/34659/4830237.html
前話「さみしさ」:https://poipiku.com/34659/9211217.html
Wisteria:零れ話(3)●「Wisteria:零れ話」について。
本編閑話タイトル其々のおまけのような話、補足や本編その後、とても短い話・隙間話や納めきれなかったお話達。時系列は都度変わります。大体本編と同じ様にいちゃついてるだけの他愛のない話。
以下は本編と同じ注意書き。
○「Wisteria」に含まれるもの:創作BL・異類婚姻譚・人外×人・R-18・異種姦・ファンタジー・なんでも許せる人向け
異種姦を含む人外×人のBL作品。
世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
○R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
2602本編閑話タイトル其々のおまけのような話、補足や本編その後、とても短い話・隙間話や納めきれなかったお話達。時系列は都度変わります。大体本編と同じ様にいちゃついてるだけの他愛のない話。
以下は本編と同じ注意書き。
○「Wisteria」に含まれるもの:創作BL・異類婚姻譚・人外×人・R-18・異種姦・ファンタジー・なんでも許せる人向け
異種姦を含む人外×人のBL作品。
世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
○R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
キツキトウ
DONE2023/9/10虚の中の実。
思考の果てに、其処に「君」は「何が」残ると思う?
----------
お題はなし。前の「虚」繋がりで。
タイトルで括らないSSのつもりで書いていたけど、絵も描きたいなと思いつつ創作タイトル付けた。
気のせいだとは思いつつも、何かにもやっとしたから誰かに話したくなったのかもね、その人は。なんて。
終煙怪奇譚:「虚実」目をぱちぱちと瞬かす。
疲れているのかと思った。気のせいなのかと思った。幻覚でも見ているのかと思った。
部屋の隅、言いようもないくらい真黒いそれがじっと此方を見てくる。真黒なのに、なぜかこっちを見てると認識できて。しかもそれがじりじりとこっちに迫り来ている気がして。
だからもう眠る事にした。きっと気のせいなのだから。仕事続きで自分は疲れているからきっとそれが影響しているのだ。
「あ、よかった。やっぱり気のせいだったのか」
休日にそんな出来事があったのだと、同僚が言ってきたのだ。休憩時間も終わりかけ、さっきまで話のネタにと揚々と話していた語り手が、飲み物の缶を捨ててその場を立ち去っていく。
「……なぁ、あいつの後ろの黒いの何?」
1020疲れているのかと思った。気のせいなのかと思った。幻覚でも見ているのかと思った。
部屋の隅、言いようもないくらい真黒いそれがじっと此方を見てくる。真黒なのに、なぜかこっちを見てると認識できて。しかもそれがじりじりとこっちに迫り来ている気がして。
だからもう眠る事にした。きっと気のせいなのだから。仕事続きで自分は疲れているからきっとそれが影響しているのだ。
「あ、よかった。やっぱり気のせいだったのか」
休日にそんな出来事があったのだと、同僚が言ってきたのだ。休憩時間も終わりかけ、さっきまで話のネタにと揚々と話していた語り手が、飲み物の缶を捨ててその場を立ち去っていく。
「……なぁ、あいつの後ろの黒いの何?」
キツキトウ
DONE2023/9/10虚に入る虚。確かに其処にあったのだ。
----------
お題はなし。
欠伸した時(油断してるし)に何か飛び込んで来たら怖いなって。時々作業のお供にする怪談凸を聞きつつ、目を閉じながら欠伸した時にそう思って(情緒が迷子)。
欠伸する時は口に手を当てよう!(違うそうじゃない)
終煙怪奇譚:「うろ」自分はですね……眠くて少しだけ目を閉じたんですよ。それでですね、その時に欠伸も出たんです。目を閉じたまま、大きく口を開けて欠伸をしたんです。
そしたらですね、その途端ずぼっと口が埋まるほどに何かが入り込んで来たんです。びっくりして、咄嗟に目を開けた時にはなんっにも居なかったんですけどね。
自分、何を食べたんですかね……。
- 了 -
183そしたらですね、その途端ずぼっと口が埋まるほどに何かが入り込んで来たんです。びっくりして、咄嗟に目を開けた時にはなんっにも居なかったんですけどね。
自分、何を食べたんですかね……。
- 了 -
🆗U🈳
PROGRESS18↑ 〜今調整中のばじふゆ小説〜久びさにえっ……を書いてます
テーマは繊細でえっtパートは大ボリュームで制作中
🫠{完成したらぜひお読みください)
Pixiv9月公開予定🗓️ 2159
キツキトウ
DONE2023/8/18山の中で笑う。誰にも見られたくないから。
----------
お題ガチャ:https://odaibako.net/gacha/8955?id=20b52a0a6442401a96b515b882a609b2
息抜き書きもの2。
8/13が怪談の日だったの忘れてて、その日に何か投げれば良かったなと(少し前に呟怖絵また描こうかなと思ってはいた)。季節もの何時も遅刻する人です
終煙怪奇譚:「山笑」――自分は森や木々の中を歩くのが好きで、ふとした時に山を登り歩く事が多かったのです。
まぁ、本格的に登る人達のように、そう高い山を登る事は無いのですが。所謂ハイキングに近いのでしょうか。
基本的には低すぎず、それでいて高すぎない山へ向かい、森の中の空気を楽しむんです。
その日も知人と共に生きたい場所へ目星をつけ、森の中を進んでは景色を楽しんでいました。
ただ登りも半分を過ぎ、森深い中を知人から少し離れては進み、疲労を産み始めた身体を感じてはそろそろ沢が見えてくる筈なので、そこで休息を取ろうかと考えていたんです。
ふと辺りを見回しました。
淡い色の何かが木々に絡まっているのが見えたんです。
「何だろうか、自分の知らない植物でも絡んでいるのか」「ああ、絡まっているという事は蔦か何かなのだろうか?」と思いながらも後で知人とそれについて話したり、帰りがけにでもまた確認しながら行けばいいかと一先ず目的の場所まで向かう事にしました。
1561まぁ、本格的に登る人達のように、そう高い山を登る事は無いのですが。所謂ハイキングに近いのでしょうか。
基本的には低すぎず、それでいて高すぎない山へ向かい、森の中の空気を楽しむんです。
その日も知人と共に生きたい場所へ目星をつけ、森の中を進んでは景色を楽しんでいました。
ただ登りも半分を過ぎ、森深い中を知人から少し離れては進み、疲労を産み始めた身体を感じてはそろそろ沢が見えてくる筈なので、そこで休息を取ろうかと考えていたんです。
ふと辺りを見回しました。
淡い色の何かが木々に絡まっているのが見えたんです。
「何だろうか、自分の知らない植物でも絡んでいるのか」「ああ、絡まっているという事は蔦か何かなのだろうか?」と思いながらも後で知人とそれについて話したり、帰りがけにでもまた確認しながら行けばいいかと一先ず目的の場所まで向かう事にしました。
キツキトウ
DONE2023/8/18ちょっと息抜きに書きもの。
「Wisteria」本編の「外へ出るのが…?」の零れ話と、藤が口寂しさを感じる話。
書いていて子供の頃、長野のお土産か何かで食べた林檎の飴が美味しくてお気に入りになったの思い出した。長野は北八ヶ岳ロープウェイにあるコケモモソフト(「山のパン屋」さんの方の。ミックスで)を思わずお勧めしたくなる(其処まで行かないといけないから難しいけど)。
Wisteria:零れ話(2)●「Wisteria:零れ話」について。
本編閑話タイトル其々のおまけのような話、補足や本編その後、とても短い話・隙間話や納めきれなかったお話達。時系列は都度変わります。大体本編と同じ様にいちゃついてるだけの他愛のない話。
以下は本編と同じ注意書き。
○「Wisteria」に含まれるもの:創作BL・異類婚姻譚・人外×人・R-18・異種姦・ファンタジー・なんでも許せる人向け
異種姦を含む人外×人のBL作品。
世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
○R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
2555本編閑話タイトル其々のおまけのような話、補足や本編その後、とても短い話・隙間話や納めきれなかったお話達。時系列は都度変わります。大体本編と同じ様にいちゃついてるだけの他愛のない話。
以下は本編と同じ注意書き。
○「Wisteria」に含まれるもの:創作BL・異類婚姻譚・人外×人・R-18・異種姦・ファンタジー・なんでも許せる人向け
異種姦を含む人外×人のBL作品。
世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。
○R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
ももた
TRAINING夏らしくちょっとした怪異に遭うドクターのお話。重岳オニイチャンが出てきます。エンカクは名前以外全く出てこないけど炎博のお話です。
うちのドクターは怪異に遭いやすそうだなと思って書いたのですが何分怖い話が苦手なのでそんなに怖くない話になりました。 8
ranmao_cos
MAIKINGオリジナル小説星に願いを社会人になって2年が過ぎて、もうすぐ3年目。
俺も大学を出て24歳になった。クリスマス1週間前、今日俺は男の恋人に振られた。
鼻水と涙が花粉症のこどく流れる。大学のサークルの先輩に告白して、大学を卒業と同時に付き合った。しかし、先輩は女に取られてしまった。精神的にダメージを受けているのに、さらに先輩は俺の心を抉る。
『あ〜……なんて言うか、ぶっちゃけあんまし好きじゃなかったし、それに男ともやってみたかっただけなんだよなぁ〜。まぁそう言うことだからそろそろお前も、現実を見た方がいいぞ』
先輩は、そんな言葉を残して俺の前から消えた。俺はいつ戻ってきたのか、覚えていないくらい既に家にいた。そして先輩からかけられた言葉が、俺の心を締めつける。"あの時"のように……。
15832俺も大学を出て24歳になった。クリスマス1週間前、今日俺は男の恋人に振られた。
鼻水と涙が花粉症のこどく流れる。大学のサークルの先輩に告白して、大学を卒業と同時に付き合った。しかし、先輩は女に取られてしまった。精神的にダメージを受けているのに、さらに先輩は俺の心を抉る。
『あ〜……なんて言うか、ぶっちゃけあんまし好きじゃなかったし、それに男ともやってみたかっただけなんだよなぁ〜。まぁそう言うことだからそろそろお前も、現実を見た方がいいぞ』
先輩は、そんな言葉を残して俺の前から消えた。俺はいつ戻ってきたのか、覚えていないくらい既に家にいた。そして先輩からかけられた言葉が、俺の心を締めつける。"あの時"のように……。
ranmao_cos
MAIKINGオリジナル小説赤ずきんちゃんは狼くんに食べられたい❤親の転勤により、御伽学院に通うことになった転校生・大神零。彼は狼族の出自を持ち、その狼のような優雅な姿勢と鋭い眼差しで、周囲を圧倒していた。一方、転校そうそうに、彼は半ば強制的に、ビッチと有名な噂の赤ずきんこと、赤井林檎と出会う。彼は、自由奔放な性格と美貌で、男子生徒たちから熱狂的な支持を受けていた。
しかし、零は彼の虚栄心と傍若無人な態度に対して、全く興味を示さなかった。彼は自分自身の目的を追求するために、周囲の噂話や人間関係には一切興味を持たなかった。
そのため、彼は周囲からは冷たく見られることもあったが、彼自身はそれを気にすることなく、淡々と学校生活を送っていた……。
「おい! 起きろよ!」
突然の大声と共に体を揺さぶられ、零はゆっくりと目を開ける。目の前には、一人の少年が立っていた。
1290しかし、零は彼の虚栄心と傍若無人な態度に対して、全く興味を示さなかった。彼は自分自身の目的を追求するために、周囲の噂話や人間関係には一切興味を持たなかった。
そのため、彼は周囲からは冷たく見られることもあったが、彼自身はそれを気にすることなく、淡々と学校生活を送っていた……。
「おい! 起きろよ!」
突然の大声と共に体を揺さぶられ、零はゆっくりと目を開ける。目の前には、一人の少年が立っていた。
ranmao_cos
MEMOアルカヴェ小説候補話2(自分用)アルカヴェ小説候補話2今日はたまたま隣になった、ティナリとセノとカーヴェの3人で酒を飲んでいた。話が、盛り上がった時には既にカーヴェは酔いつぶれていた。そこに、ティナリから連絡を受けたのか酔いつぶれたカーヴェのもとへアルハイゼンが迎えに来る。
「遅くなった」
ティナリがカーヴェを起こしてるところに、アルハイゼンが声をかける。ティナリは、アルハイゼンが来たのを確認してからカーヴェの体を揺らしながら起こす。
「あっほらカーヴェ、アルハイゼンが迎えに来たよ起きてごめん……、止めたんだけどいつの間にか隣のテーブルから何杯か奢ってもらってたからね」
それを聞いたアルハイゼンは、ため息をつきながらカーヴェに言う。
「はぁ……手間の掛かる……。帰るぞ」
2891「遅くなった」
ティナリがカーヴェを起こしてるところに、アルハイゼンが声をかける。ティナリは、アルハイゼンが来たのを確認してからカーヴェの体を揺らしながら起こす。
「あっほらカーヴェ、アルハイゼンが迎えに来たよ起きてごめん……、止めたんだけどいつの間にか隣のテーブルから何杯か奢ってもらってたからね」
それを聞いたアルハイゼンは、ため息をつきながらカーヴェに言う。
「はぁ……手間の掛かる……。帰るぞ」
zeppei27
DONEリッパーのお誕生日おめでとう〜!久々にジャックとリッパー、二人は仲良しなお話。どっちもある意味Good chaps(良い奴)!Good chaps「あなたは良い子ね」
母はよくそう表現して私を褒めた。まるで実際とは異なっていても、良い子なのだと刷り込むように念じていた。彼女にとって、私は待望の男児であったことも理由の一つかもしれない。
彼女の優しさは、私が”良い子”であり続ける限りにおいて保証されていた。学校に通い、寄り道をせず悪戯もせず、行儀作法は羊のようにおとなしい。日曜日にはかかさず教会に通う。どんな大人の目から見ても、私は典型的な”良い子”であり、同年代の子供にとっては”つまらない奴”だった。女性にもてなかったのは言うまでもない。
それでも、あの大きな家で一人ぼっちにされるよりは、誰からもいないように扱われるよりは余程ましであるように思えた。犬を飼いたかったが許されず、野良猫に構った日には手ひどく折檻された。ビスケットはいつだって全粒粉で、アイスクリームなんて夢のまた夢。私の子供時代は、子供らしからぬ味気ないものだった――十分満ち足りたものだと私は信じていた。何しろ私は”良い子”なのだから。
3303母はよくそう表現して私を褒めた。まるで実際とは異なっていても、良い子なのだと刷り込むように念じていた。彼女にとって、私は待望の男児であったことも理由の一つかもしれない。
彼女の優しさは、私が”良い子”であり続ける限りにおいて保証されていた。学校に通い、寄り道をせず悪戯もせず、行儀作法は羊のようにおとなしい。日曜日にはかかさず教会に通う。どんな大人の目から見ても、私は典型的な”良い子”であり、同年代の子供にとっては”つまらない奴”だった。女性にもてなかったのは言うまでもない。
それでも、あの大きな家で一人ぼっちにされるよりは、誰からもいないように扱われるよりは余程ましであるように思えた。犬を飼いたかったが許されず、野良猫に構った日には手ひどく折檻された。ビスケットはいつだって全粒粉で、アイスクリームなんて夢のまた夢。私の子供時代は、子供らしからぬ味気ないものだった――十分満ち足りたものだと私は信じていた。何しろ私は”良い子”なのだから。
zeppei27
DONE一次創作小説。夏休みが終わらない話。そんなはずないのに 夏休みが終わらない。最初に気づいたのは、夜に流し見するテレビのニュース番組を見た時だった。毎日毎日甲子園に向かって野球少年たちが駆け回っているというのに、なんだか決勝までちっとも辿り着けていないようだ。ルールが変わったのだろうか。和歌山、秋田、あああれは母校、総当たり戦になったのかとも考えたが、次から次へと出てくる野球少年は昨日スーパーで見かけたスイカの山よりも多い。ただ、面倒になってしまってスイカのようにまん丸の坊主頭集団のことは忘れることにした。
次に気づいたのは、日めくりカレンダーだった。私は1日が終わるごとに景気よく破るのが大好きで、この巨大な日めくりカレンダーなる古風なものを愛用している。日々薄くなってゆく体は、私が時間を貪ってきた証拠だ。今日は八月三十一日。明日はいよいよ九月だ。
1719次に気づいたのは、日めくりカレンダーだった。私は1日が終わるごとに景気よく破るのが大好きで、この巨大な日めくりカレンダーなる古風なものを愛用している。日々薄くなってゆく体は、私が時間を貪ってきた証拠だ。今日は八月三十一日。明日はいよいよ九月だ。
sk5642194
DONE小説/アル蛍/好奇心はまた明日(全5P)0721の日に書きました。
ベドくんへ、そういうことするの?とふとした好奇心を口にした蛍ちゃんが、その好奇心に丸呑みされる話。※テーマなだけで自慰表現はありません。
ベドくんてそういうことしなさそうだし、今まで必要もなくしたことなかったけど蛍ちゃんとお付き合いし始めて「する」ようになったらいいよね……と思って書いたけどそこまで書けなかったわね…… 6
mmm_nonV
DONEハッピーバースデーぽぷおさん(一日遅れ)えっちなあしつつのR18小説です。
マジ津詰さんが可哀想だから無理して読まないでくださいね…!!
⚠️指フェラ・レイプ・緊縛・原作時系列及び駒形高校設定捏造
pass🔑18↑? 18
かがり
INFO※6/25JBF発行・書き下ろしコピー本として頒布してました! 購入いただいた方ありがとうございました!幼少期×引きこもり期の時空が歪んでるマイルームネタです。
だれかの観察日記:司+レオ その⼈はいきなり部屋のすみにあらわれたので、とてもおどろきました。
ですから、このさっしはあの⼈の観察⽇記にしようと思います。
――朱桜司
♪
×⽉×⽇・くもり
その⼈はいきなり部屋のすみにあらわれたので、とてもおどろきました。
⽣気のないかおでぼう、としていて、さいしょは、ちみもうりょうのたぐい、かもしれないと思いましたが、その⼈も反応がうすいながらおどろいていたようで、なんどか⽴ったりすわったりをくり返したあとに、「ああ、ゆめか」とつぶやきました。
家のものにかくにんをさせても、⾸をかしげられるばかり。だれかをともなって部屋にはいると、その⼈はこつぜんといなくなるのです。
⼦どもになら⾒えるのではないか、と思い、こっそりと桜河をつれてきてみても、同じでした。
5292ですから、このさっしはあの⼈の観察⽇記にしようと思います。
――朱桜司
♪
×⽉×⽇・くもり
その⼈はいきなり部屋のすみにあらわれたので、とてもおどろきました。
⽣気のないかおでぼう、としていて、さいしょは、ちみもうりょうのたぐい、かもしれないと思いましたが、その⼈も反応がうすいながらおどろいていたようで、なんどか⽴ったりすわったりをくり返したあとに、「ああ、ゆめか」とつぶやきました。
家のものにかくにんをさせても、⾸をかしげられるばかり。だれかをともなって部屋にはいると、その⼈はこつぜんといなくなるのです。
⼦どもになら⾒えるのではないか、と思い、こっそりと桜河をつれてきてみても、同じでした。
かがり
INFO※6/25JBF発行・Web掲載短編再録集「星をつないで」の書き下ろし短編でした!ご購入いただいた方ありがとうございました!プラネタリウムデートの帰り道での会話劇です。
星をつないで:司レオ『――このように、⼈は古くから、夜空の星をつなぎ、星座として動物や道具に例え、物語によってそれを伝えてきました』
照明が落ちた室内は、静かすぎない静寂の中で、ゆったりとした時間が流れている。
『それではこれから、そうした星座の起こりや逸話を⼀緒に辿っていきましょう――』
スピーカーから流れる説明に⽿を傾けながら、ふかふかとした座り⼼地の椅⼦の背もたれに体重を預けると、ほとんど寝転んだような体勢で半球状のスクリーンを仰ぎ⾒ることになる。右隣では、同じように椅⼦に⾝を預けたレオがこの⼈⼯的な星空を⾒上げているはずだが、座席の間隔から、その表情などを窺うことはできなかった。それでも、確かな気配と共に、静かな様⼦でそこに収まっている。
10462照明が落ちた室内は、静かすぎない静寂の中で、ゆったりとした時間が流れている。
『それではこれから、そうした星座の起こりや逸話を⼀緒に辿っていきましょう――』
スピーカーから流れる説明に⽿を傾けながら、ふかふかとした座り⼼地の椅⼦の背もたれに体重を預けると、ほとんど寝転んだような体勢で半球状のスクリーンを仰ぎ⾒ることになる。右隣では、同じように椅⼦に⾝を預けたレオがこの⼈⼯的な星空を⾒上げているはずだが、座席の間隔から、その表情などを窺うことはできなかった。それでも、確かな気配と共に、静かな様⼦でそこに収まっている。
かがり
MOURNINGネタとして「秘する〜」に吸収されちゃったけど、単話として書いてた時のオチ部分がわりと気に入ってたので供養。時系列はズ!!軸なこと以外ではわやわやしてる。
同室メンバーの関係性が詳しく分かる前とかに書いてた気がする。
本当にズ!の月永レオくんが逆先夏目くんに向けていた若干キツめのあの感じなんだったんだろうな……とあれはあれとして新鮮で良かったな……のフュージョンです。
赤い頭ふたつ:司レオ?「スオ、」
姿を見かけた後輩に声を掛けようとして、喉に音が引っかかる。何故かと言えば、よくよく見ると鮮烈な赤が、同じくらいの高さに2つ並んでいたから。
どうにも最近、ESビル内でもそんな光景をよく見かける気がする。同じ事務所に所属するユニットリーダー同士、仲が良いのは何らおかしくはない。そう、思うのだけれど。
「やぁ、騎士さま。どっちに声を掛けるべきか迷っちゃったのかナ?」
最初から気がついていた、とばかりに向かって右側の赤が振り向いた。「レオさん?」と一拍遅れて振り向いたのは左側の赤だ。
煽るように言う向かって右側のそいつは、同じ事務所であるところのニューディメンション所属、Switchのリーダー、逆先夏目。夢ノ咲学院の抗争期に出会ったことも影響してか、あまり互いの心象は良くない。
2054姿を見かけた後輩に声を掛けようとして、喉に音が引っかかる。何故かと言えば、よくよく見ると鮮烈な赤が、同じくらいの高さに2つ並んでいたから。
どうにも最近、ESビル内でもそんな光景をよく見かける気がする。同じ事務所に所属するユニットリーダー同士、仲が良いのは何らおかしくはない。そう、思うのだけれど。
「やぁ、騎士さま。どっちに声を掛けるべきか迷っちゃったのかナ?」
最初から気がついていた、とばかりに向かって右側の赤が振り向いた。「レオさん?」と一拍遅れて振り向いたのは左側の赤だ。
煽るように言う向かって右側のそいつは、同じ事務所であるところのニューディメンション所属、Switchのリーダー、逆先夏目。夢ノ咲学院の抗争期に出会ったことも影響してか、あまり互いの心象は良くない。
かがり
DOODLE(2022.11.12)先輩孝行な後輩2人の会話文足し算寄りだしレオさんは出ない
先輩孝行:司レオ?「よぉ、ちょうど良かった」
「大神先輩? 何か用事でもありましたか?」
「用事って改まって言うほどじゃねーけどよ、ほら、新しいブースターセットが出ただろ。お前なら手に入れてるだろーから腕試しでも、と思ってな!」
「『イドバト』のbooster set、ですか……」
「おうよ!」
「実はまだ買えてなくて……いえcheckはしていたのですが……その、お恥ずかしい話、手持ちが心許ないので来月に購入しようかと……」
「お、おまえ、本当に小遣い制なんだな……」
「悪いですか?」
「悪かーねぇけどよぅ、だって坊ちゃんだろ」
「教育方針です」
「……そうは言ってもよ、小遣いったって一般家庭とは桁が違うんじゃねーの」
「まあ、その、恐らく少なくはないのでしょうが、実はこのあいだ寝袋を買いまして……どうせなので防寒でそこそこ品質がきちんとしたものを購入したら、まあ、それなりに。あとは保存食などをほそぼそと……」
821「大神先輩? 何か用事でもありましたか?」
「用事って改まって言うほどじゃねーけどよ、ほら、新しいブースターセットが出ただろ。お前なら手に入れてるだろーから腕試しでも、と思ってな!」
「『イドバト』のbooster set、ですか……」
「おうよ!」
「実はまだ買えてなくて……いえcheckはしていたのですが……その、お恥ずかしい話、手持ちが心許ないので来月に購入しようかと……」
「お、おまえ、本当に小遣い制なんだな……」
「悪いですか?」
「悪かーねぇけどよぅ、だって坊ちゃんだろ」
「教育方針です」
「……そうは言ってもよ、小遣いったって一般家庭とは桁が違うんじゃねーの」
「まあ、その、恐らく少なくはないのでしょうが、実はこのあいだ寝袋を買いまして……どうせなので防寒でそこそこ品質がきちんとしたものを購入したら、まあ、それなりに。あとは保存食などをほそぼそと……」