七夕『お前らー!全員屋上に集合ーーー!!』
大音声と共にキィンと耳障りな音が一年一組の教室に響く。
『だっから普通に話せっつってんだろうが馬鹿!』とその背後で大音声の主…梅宮に苛立ちを露にする柊の声を放送室のマイクが微かに拾い、『悪い悪い!』とそれでもまだ大きい梅宮のあまり悪びれない謝罪を最後にぶつりと放送が途切れる。
いつも通りである。よくもまあ飽きもせず、毎回毎回似たようなやり取りを続けるものだと桜は思う。
「相変わらずうるせぇな…」
「全員屋上に集合って言ってましたね。何でしょう?」
「さあ、何だろうね。とりあえず行ってみようか」
我等が総代梅宮一直々の召集とあっては皆即座に行動を起こすようで、屋上までの道のりは屋上へ向かう者と屋上から出てくる者でごった返して大変なことになっていた。
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