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    2024.6.27
    中華衣装で白米を引っ提げたマヨイちゃんがあまりに可愛いので。
    ※ストーリー更新前のド妄想です。

    #巽マヨ
    Tatsumi x mayoi

    Q.好きな食べ物 好きな食べ物、好きな食べ物……うううう 絞れませぇん!

     「マヨマヨ〜、そんなに難しい顔してどうしたの」

     凛月が背後からにゅっと顔を出すと、マヨイは高らかな悲鳴をあげてアンケート用紙を宙に放り投げる。よっとキャッチすれば、彼がうんうんと悩んでいたのは「好きな食べ物」の欄だった。

     「あ〜 これって、衣装のモチーフになるんだよねぇ。どうしてそんなに悩むの? 確かブドウが好きって答えてなかったっけ」
     「どうしてそれを!? 」
     「同業者の視察ってやつ〜? まぁそれは半分冗談で、この前の誕生日にブドウのケーキ食べてたからさぁ、そうかなぁと思って」
     「ヒィ そんなに私のことを見ないでくださいぃ」
     「タッちゃんほど見てないからだいじょーぶ」

     凛月のにこりとした笑顔にぽっと心が晴れやかになる思いと、どこで見られているかわからない恥ずかしさ、そして、「タッちゃん」こと巽のことを思い出して再び頭を抱えた。

     「はぅぅ ブドウと書こうかとも思いましたが、オーディションの内容からしてお料理の方がいいでしょうし……そうすると絞り切れなくなってしまってぇ」
     「ふうん。マヨマヨって食べるの好きなんだ」
     「え? ええと、どうでしょう……この前皆さんと作ったニラ餃子も美味しかったですし、随分前に巽さんが豚の角煮を作ってくださったのも、私にとっては珍しい味で美味しくて……あぁ、誕生日の次の日に頂いたビーフシチューも美味しかったですねぇ」

     凛月はふうんと半分興味がないような返事をしながらも、あれとそれとと料理を並べるマヨイの姿を見てにんまりと頬を緩めた。

     「タッちゃんの料理ばっか。マヨマヨ惚気〜? ごちそうさまぁ。あー、料理の話聞いてたらお腹すいちゃった」
     「ええ!? いえ、そんなつもりは──」
     「タッちゃんのご飯がどれも美味しいから絞り切れないんでしょ。違う? 」

     凛月がじっとマヨイを見ると、小さな悲鳴と共に項垂れた。

     「うう……そうですねぇ……巽さんの作るご飯はとっても美味しいですし、ALKALOIDの皆さんと食べるとどれも本当に美味しくて……ですから、どれも一番と言えてしまって」
     「ふーん じゃあさ、俺に良いアイデアがあるんだけど」
     「え? 」
     「……これでどう? 」
     「ええと……まぁ、一周回るとこういうことかと」
     「でしょでしょ。は〜 マヨマヨのためにいっぱい考えたから眠くなっちゃった。ママぁ、ちょーっと膝貸してね」
     「ええ!? 」

     慌てふためくマヨイをよそに、凛月はすやすやと夢の世界に誘われる。

     「礼瀬さーん、アンケート書けましたか? 」

     スタッフに声をかけられ、マヨイは慌てて好きな食べ物欄に言葉を書き用紙を手渡した。スタッフは一読し、若干首を傾げたようだが、マヨイが「本当なんですぅ」と声をあげれば、どこか優しげな笑顔で去っていった。

     (あああ 食いしん坊だと思われたかもしれませぇん! )

     アドバイスをくれた参謀はすっかり夢の中。マヨイは一人取り残され、あわあわと汗をかき続けていた。



     後日、共有スペースにて。

     「マヨイさんの衣装、よくお似合いですな。この飾りは……白ごはん? 中華粥でしょうか」

     オーディションの写真を見ながら、マヨイの挑戦が嬉しかったのだろうか。巽はにこにこと微笑んでいた。衣装の細部を見ながら巽が首を傾げると、マヨイはおろおろと言葉を濁す。通りかかった凛月はその様子を見て、巽にそっと話しかけた。

     「タッちゃん、今日みんなで朝ごはん食べてたよねぇ。メニューってなんだった? 」
     「どうも。朝食のメニューですか? ご飯とお味噌汁に、おひたしと焼き魚です」
     「昨日の夜は? 」
     「昨日ですか。ご飯と中華スープ、エビチリを作りましたな」
     「おいしそ〜。その前にみんなで食べたご飯はなんだった? 」
     「脳トレのようですな。その前は──」
     「夏野菜カレーですぅ」

     マヨイが口を開くと、巽はそうでしたと手を叩いた。その様子を見て凛月はため息をつく。

     「タッちゃん〜? これは脳トレじゃなくて、マヨマヨがどうして白ごはんを選んだのかってクイズなの」

     巽の目をじっと見ると、凛月はそれ以上何も言わずに手をハラリと振って立ち去った。

     「うう……」

     真っ赤になるマヨイの様子と、先ほど並べたメニューを振り返り、巽ははぁ……と両手で顔を隠した。二人とも耳まで赤く染めるが、口火を切ったのは巽の方だ。

     「ええと、つまり。俺の自惚でなければ……」
     「た、巽さんのお料理がどれも美味しいのでぇ、選べなくて悩んでいたら、大好きなお料理と毎回一緒に食べるものにしたら? ってアドバイスを頂いたもので……! 」

     半泣き顔になりながらも一生懸命に言葉を紡ぐ伴侶の姿に巽はいっそう頬を染め、この感情を取り繕おうと必死にごまかすのだが、今更格好なんてつくわけがなかった。

     「あの、マヨイさん」
     「え? えぇ、なんですか」
     「好きです」
     「なんですか突然!? 」
     「大好きです」
     「ひぃぃぃ! 近い! 近いですぅ! だめですこんなところで!!!! 巽さん!? 」

     ぎゃあぎゃあと元気な叫び声が、今日も星奏館にこだまする。
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