支部年始パーティー予定の時間になって、いそいそと準備を始める。年明けだからか、支部内でパーティーが開かれていて、開催場所の中央本部からは多くの職員の話声が聞こえてくる。
急いで会場まで足を運んでいると、記録チームチーフのマリツァとぶつかってしまった。
「マリツァさん?どうして今上層に?」
素朴な疑問を投げかける。選ばれた職員しかつけられない「角」ギフトを持つ彼女は、福祉チームの手伝いだと淡々と述べて、クリフォト抑止力が全部門に行き届いているかを確認していた。手に持っている確認用の紙には、上層のアブノーマリティの名前と、チェックマークが丁寧に書かれていた。
情報チームのエレベーターを通って下ると、いつもより一層豪華な中央本部チームがあった。メインルームに置かれた大量の料理に、談笑する職員たち。いつもの殺伐とした空気とは違い、非常に和んだ空気感が漂っている。
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