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    カピ(あね)が掘った墓穴

    @kapitan_rgg

    Twitter(現X)での妄言妄想の永代供養塔です
    成仏!!

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    ちょはん 知り合いの知り合い編①
    一回書いてみたいなって思ったので書きました。とっても短い!!
    とりあえず書いた冒頭だけダンクします。続くか分からないけど数字つけてあります。

    #趙ハン

    ちょはん 知り合いの知り合い編① 春日一番の怒りと悔しさが乗った拳を簡単に止めた男は、ハンくんの「知り合いの知り合い」らしい。
     グレーのスーツに身を包んだ男と対峙した彼の言葉に、静かな驚きをおぼえた。
    『主のために身も心も同化させ、それを一生貫く覚悟を持って生きること』
     主のため。彼の主はソンヒではないのか、と影武者の危うい哲学が俺の頭蓋の内側で響いている。
    『ハン・ジュンギとは永遠の命を持った存在なのです』
     分かったようで全く分からないし、むしろ分からない方がいいまでもある。他人の哲学を批判する趣味はないのだが、こればかりは聞き流すことはできない。
     人間には永遠なんて無いし、影は生まれるのではない。ハン・ジュンギの言葉をありのままとらえるなら、目の前の彼は『ハン・ジュンギ』というスクリーンに映る実像であり、俺たちが見ている彼はその虚像である。どこからどう見ても姿かたちは『ハン・ジュンギ』。これはまごうことのない事実で、写真で見た若き頭目と全く同じ姿である。だが、俺の水晶体が網膜に映す彼は、コミジュル参謀のハンくんだ。
     灰色の男が春日一番に、夜にコミジュルへ来いと言った。
     未だ復旧の目処がたっていないコミジュルに来いということは、夜までに監視システムを何とかするということなのだろう。参謀がその辺りのことを知らされていないというのは少々気になるが、連絡系統が混乱しているだけかもしれない。どちらにしろ、そんな大がかりなことを簡単に申し出るとは、蒼天堀の時といい謎の多い男だ。
     みんなで、近江連合の構成員を返り討ちにして、下っ端の一人を半殺しにして久米の居場所も分かったことだし、もうこの場には用は無い。後で、ウチの清掃チームに電話を入れておこう。朝はヤクザに囲まれ、日の高い内に公道でもヤクザに囲まれ、これから夜に韓国マフィアのアジトヘ向かう。なかなかのハードスケジュールだ。せめて夜までしっかり休もうということで、一度サバイバーへ戻ることとなった。
     春日くんが声をかけても、目の前で立ち尽くす黒い背中は、グレーのスーツ姿が見えなくなってもなお動こうとしない。あの男は、ハンくんの知り合いが「俺の目の前で死んだ」と言った。そんなもの、答えを言っているようなものだ。彼の主が死んだのは夢でなく現実で、事実だった。
     俺はかける言葉を頭の中で巡らせながら歩みを進め、ハン・ジュンギの肩を寄せた。不意の衝撃に彼の足元がよろめいた。もう立っているだけで精一杯のようだ。
    「春日く~ん」
    と、俺は普段通りへらりと声をかけた。すでにサバイバーに向かおうとしていた一行は、俺たちがまだ白遼ビルの前にいることに驚いているようだった。何かあったのかと駆け寄ろうとする春日くんを片手を前に出して静止し、
    「俺たち念のためもうちょっとビルの中調べてから合流させてもらっていいかな」
    と努めて明るく伝えた。すると、
    「そうですね、私と趙で少し調べてみます」と、俺たちがよく知るハン・ジュンギが振り返らずに言葉を続けた。
    「分かった趙、ハン・ジュンギ。先にサバイバーで待ってるぜ」
     片手を上げて5人を見送る。去り際に振り返った足立さんの目配せに頷き返して、俺はハンくんを半ば引きずるように白遼ビルへと向かった。
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    カピ(あね)が掘った墓穴

    DONEちょはん 初めての年越し(後編)
    仕事は多分さぼりました。
    施設の名前を調べるために7の攻略本を読んでました。つまり年越しイベントのスポンサーは一番HDなのでは。さすが横浜の第4勢力!
    試験が終わったら、前後編ちゃんと整理していい感じに仕上げたい。
    ちょはん 初めての年越し(後編) 神代駅の裏のコンビニで肉まんを2個とビールを二本。袋は別々にしてもらった。
     今年も恒例の年越しの花火と除夜の汽笛があるとかで、浜北公園に向かう人たちの流れに逆らって歩く。馬車街道まで出ると、ギャラクシーランドとREDパークへ向かう人波にあたる。それに紛れて流れの通りに進めば、いつもより明かりが少ないバッティングセンターが見えてきた。
     ギャラクシーランドでカウントダウンイベントがあるらしい。まだ観覧車はいつも通りで、代り映えしない。そうだ今は何時だっただろうと、画面を開くと数字が23時30分に変わった。
     サッカーコート横の自動販売機でたむろする若者たちを横目に、趙のもとへ足を速める。
     施設の明かりが落ちた、バッティングセンターの建物の裏。絶妙にギャラクシーランドもREDパークも見えない趙総帥のお気に入りスポットは静かで穴場だった。ここに監視カメラは無い。
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    カピ(あね)が掘った墓穴

    MOURNING趙ハンです。クリスマスの話が間に合わなかったのでクリスマス1週間前の話のSSを上げます。当日何があったのかは補完願います。
    ちょはん 12月18日、深夜 入り口のシャッターを下ろして、外に出ると吐く息が白くなった。うみねこ座のレイトショーも終わって、通りは見慣れた輩が行き来している。彼らはすれ違う都度頭を下げてくるので、右手を半分あげてやりすごす。
     12月は忙しい。神室町に殴り込みに行ったのは昨年の今頃だっただろうか。昨年も忙しかったが、今年はかなり種類の違う忙しさである。
     異人町のために方々を走り回った2019年とは打って変わって、店と自宅の往復で一日を終える日が続いている。これまで『横浜流氓御用達のちょっと怪しげでスリルのある路地裏の店』から、『うみねこ座近くの知る人ぞ知る町中華』にイメージチェンジを行った効果が出てきたようで、一般のお客が増えたのだ。春日や足立のおかげで口コミで評判が広がって、流氓の若い奴らに「佑天飯店でもめごとを起こしたら……」と釘を刺したことも良かったようだ。もちろん今も流氓の若手に料理を振舞っているので、『ちょっと怪しげでスリルのある路地裏の店』という事実は変わらないのだが。
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