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    kikhimeqmoq

    はらす

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    ちはつち 2024/11/17
    土屋さんお誕生日2024。
    千早はしゃらくせえものをあげそうだし、オタクは皆んな懐中時計が好きっていう話です。

    #ちはつち

    土屋誕2024「あ!つっちー先輩、懐中時計じゃん!かっけえ!」
    「そう?」
    ふふ、と微笑むつっちー先輩の笑顔が優しくて、俺は思わず目をそらした。先輩は手元でゆっくりと懐中時計を撫でている。新しいのか、盤面がキラキラと光った。
    そういや昨日までは腕時計だったな。好きなアニメのコラボ時計で、抽選で当てたっめ嬉しそうに話していた日があったのを思い出す。あんなに思い入れのある時計から乗り換えるような懐中時計って、どんなものなんだろう?
    「つっちー先輩、俺にもちょっと見せて!俺も格好良くなりたい!」
    つっちー先輩は、寒いギャグで滑った時以外、いつでも優しく対応してくれる。そう信じていたのに、先輩は予想外の顔を見せた。
    「え……いやその……これはちょっと……」
    先輩は困った顔でソワソワと左右に視線を泳がせた。
    え?俺、変なこと聞いたかな。
    「じゃあ、智将に代わったら見せてくれる?」
    「そういうことじゃないよ!たとえ圭様であってもこれは見せられないし、そもそも圭様は圭様として野球をしている時は至高だけれども、要くんと差をつけるようなことをするのはおかしいと思ってるんだけど、それもおかしかったかな?」
    俺が智将と比べるようなことを言ったからか、土屋さんは食い気味に話し始めた。ちょっとびっくりしたけど、ちょっと嬉しかった。
    「え、ごめんなさい」
    「いや!要くんが謝るようなことじゃなくて僕が悪いんだけど、こればっかりは渡せないから、代わりに僕のものならなんでも渡すし、なんなら内臓を渡してもいいし、タマが必要なら僕なんかでよければ全然弾除けくらいには……」
    「変な組み合わせで、なにしてるんですか?」
    背後から話しかけられ、反射的に振り向くと、そこには嫌味眼鏡が立っていた。
    「変じゃねえし。つっちー先輩が新しい時計持ってたから格好いいって言ってただけ」
    「ふーん、いいんじゃないですか?似合ってますよ」
    通りがかりの瞬ぴーがさらりと「似合う」と言った時、それまで思いつめていた先輩の表情が、晴れた青空のように明るくなった。

    あ、ダメだ。俺、わかっちゃったかもしんねえ。
    なんだよ瞬ちゃん。昨日はプレゼントなんてありませんって言ってたくせに。


    「はっぴばーすでいとぅーゆー!はっぴばーすでいとぅーゆー!」
    「ハッピーバースデイディアつっちーゃさーん!ハッピバースデイトゥー!ユー!」
    昨日の練習終わりだ。着替えが終わる頃を見計らって俺はハッピーバースデイの歌をうたった。つっちー先輩が誕生日だったからだ。
    示し合せたわけじゃないのに、最後は部室内のみんなで声を合わせ、野球部らしくバカでかい歌声で歌は終わった。
    「はい、これ、俺と智将から」
    『つちやさん、お誕生日おめでとうございます』と、俺より少し角ばった文字のメモと一緒に、俺はチョコの箱を渡した。嬉しそうに目を細めて喜び、チョコを受け取る先輩は可愛らしかった。
    俺の後に続き、山ちゃん、葵ちゃん、サトーさんに鈴木さんと持っていたプレゼントを先輩の手の上に重ねた。お菓子、ボール、クリーム、お菓子……。
    「あれ?瞬ぴーは?」
    瞬ちゃんからのプレゼントがないことに気づいた俺が聞くと、あいつは人の悪い笑顔でこう言った。
    「俺はもっと良いものがありますから」
    「なによ?早くだしなよ」
    「真心ですよ。さっき、心を込めて歌ったでしょう?」
    そう言って得意げにしていたのは、上手いこと言ったせいだと思っていたのに!

    瞬ちゃんてば、本当に「良いもの」をつっちー先輩にあげたんだ!
    やだもう!付き合ってんじゃん!








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    kikhimeqmoq

    DONEチヒ隊 2025/01/19 チヒロと巻墨

    61話、カフェでランチを食べた後に京都へ向かうチヒロと巻墨の小話。63話で巻墨の名前が判明して嬉しくて書いた。チヒ隊かどうかは微妙な感じで特に何も起こらない。
    豪快に京都へ「車で行くんですか?電車の方が早くないですか」
    店を出てさっそく駅に向かおうとした千紘を巻墨は引き止め、車で移動すると告げた。
    「車の方が安全だろ。装備もしてあるしな」
    隊長は得意げに説明した。斜めに切り上がった口端が車への自信を表していた。可愛らしいな、と千紘は感じたが黙っていた。それより装備ってなんだ?
    「装備とら?」
    「武器や小道具が車に隠してあるんですよ」
    炭がすかさず説明した。
    「へえ」
    さすが忍びだ、と千紘は感心した。その評価が伝わったのか、隊長は満足げに頷いた。こくり。
    「じゃあ、車を出しますから、ちょっと場所を開けてください」
    炭の依頼に千紘は振り返った。駐車場はどこだろう。きょろきょろと周囲を見渡す千紘の肩を、杢は長い腕で掴んだ。最初は肩を強く掴まれたが、すぐに柔らかく抱きかかえられ、店の脇へそっと移動させられる。杢の腕も身体も熊のように大きく、肩を抱かれただけなのに、千紘は全身を包まれた気持ちになった。なんだか温かい。杢と千紘は、歳はさほど離れていないと聞いた。実際、杢は隊長や炭よりも若者らしい軽い発言が多い。しかし、なんとはなしに信頼したくなる安定感が杢にはあった。身体の大きさだけではない。ほどよい雑さと丁寧さのバランスが好ましあのだと思う。
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