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    kikhimeqmoq

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    桐智 2025/06/28
    同棲している桐智のネタ。かわいいサメくんと桐智。

    #桐智

    東京都 サメさんのタレコミ俺の家には俺とハムスター、人間がふたり、そして鉢植えのポトスが住んでいる。人間たちは家にいたりいなかったりするが、いない間は俺がここを守っている。だから、安心して外出したらいい。その信頼の証に、奴らは家を出るとき「行ってきます」、帰ってくると「ただいま」って、俺にちゃんと挨拶する。あれは絶対、留守番してる俺への感謝だ。挨拶を耳にするたび、ちょっと誇らしくなる。ふふん。
    奴らが出かけず家にいる時は、俺とお喋りをすることもある。「雨だね。梅雨だね」とか「晴れやん。夏やん」とか「昨日、勝ったよ。最高だよ」とか。
    試合に勝った時はふたりともとびきり嬉しそうで、俺の頭をぐりぐり撫で回す。それがまあ、鬱陶しいくらいの勢いなんだけど、笑顔が可愛いから許すことにしてる。負けた時はひどく怖い顔をして黙り込むことが多い。どんなに揉みくちゃにされても笑顔の方がいいに決まっている。試合の日に家から送り出す時は「絶対勝てよ」と念じている。家は俺が守っているから、思いっきり戦ってこいよ、と。
    今日は要と俺のふたりで留守番だ。要はテレビで試合を見ながら、パソコンもいじっている。合間に「あー」とか「うーん」とか、独り言ばかり。俺にも教えてくれればいいのに、こういう時のこいつは集中している。
    「じゃ、次はこれでいくか」
    作業が終わったらしい要はパソコンの蓋を閉じた。パタリ、と軽い音がする。テーブルの上のリモコンを手に取り、操作しながら画面をぼんやりと眺めていた。気になった番組があったのか、ボタンを押す手を止め、リモコンの代わりに俺を掴んだ。そのままグッと腕に抱く。ちょうどいい腕の力が気持ちいい。腹の上に移動するのはもっといい。要は俺の頭の上に顎を乗せて、テレビを見ながら呟いた。
    「昨日、ホラー映画見ただろ」
    そう。ふたりが揃って家にいる日は、晩飯を食った後でソファーに並び、寄り添って映画を見る。もちろん俺も一緒だ。隣に並ぶ時も、膝の上に乗っている時も、桐島の頭の下にいる時もある。昨日は、要の膝の上で、今みたいに全身をギュッと抱えられていた。
    「桐島さん、泣いてたんだけど、泣く要素あった?」
    俺が黙って聞いていると、要は口を尖らせ天井を見つめた。どうも昨日の映画を反芻しているらしい。しばらく考えた後に「やっぱ、無いよな」と呟き、俺の腹をポンポンと叩いた。
    「恋愛モノを見ても見ても『こんなあっさり事が運んだら面白んないやろ』ってケラケラ笑いながら突っ込むのに、ホラー映画を見たら必ずクライマックスで泣くだろ。やっぱりサイコパスなのかな」
    要はそう言ったが、俺は知っている。
    そのサイコパスが今朝、出かける時に嬉しそうに笑いながら、いや、もっと簡単に言うと可愛いらしいニヤケ顔をしながら報告していたことを。そうして、足取りも軽く、玄関に向かっていったことを。
    「要くんな、普段は冷戦沈着何事にも動じませんって顔してるのに、昨夜は、モンスターが物音立てるたびに俺の指をつかんでくるからな、めちゃくちゃ可愛いんやけど」
    要くんに言うたら怒られるから、お前と俺との秘密やけどな。














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    DOODLE桐智。
    大学生で同棲設定。ふんわり設定。
    大阪弁はふんわり。単語が下品です。
    キスの仕方なんて知らない「要クン。一年経ったし、そろそろ白状してもらうで」
     圭と秋斗が二人で暮らすアパートのダイニングキッチン。そのダイニングテーブルで圭と向かい合い、秋斗はにこやかに笑いかけた。
     テーブルには酒を注いだグラスが二つある。グラスを満たしているのは以前知り合いから譲り受けて飲んだところ、圭の反応がよかった桃の果実酒だ。今日のためにわざわざ通販で取り寄せたその酒は、圭が白状しやすいようにとの秋斗なりの気遣いと、尋問するのは多少心が痛むのでその詫びを兼ねたもの。
     とろりとしたクリーム色の酒をグラスに注いだときの圭の目は、少しばかり喜色を帯びていたが、秋斗の言葉で一気に真顔に戻った。口が引き攣らないように努力している様子さえある。圭と大学野球部で共に過ごすようになってから早三年。二人きりのときはこうして表情が表に出るようになった。圭の思考は表情に出ていなくても概ね分かるが、出ている方が秋斗の好みだ。秋斗以外は圭のこんな感情を知らないという軽い優越感が理由の一つ。あともう一つは、本人が秋斗の前だけ表情筋の動きが違うことを理解していないのがオモロ……ではなく、可愛いからだ。
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    DONE #勝手に伏五ワンドロワンライ に参加させていただきました。
    お題「チョコレート」
    「おっっっそい!」
    「え~、4分しか遅れてないしまだ開店前じゃん~。僕にしては頑張った方だよ?」
    「確かに先週よりはマシだけど、これは戦争なのよ。開店前到着は当たり前でしょ」

    五条悟と釘崎野薔薇はデパートの入り口に居た。まだ開店前であるにも関わらず、既に何人もの人間が集まっている。多くは女性で、ただでさえ目立つ五条が飛び抜けて人目をひいていた。
    世はバレンタインデー直前。気になるあの人に、恋人に、パートナーに、と甘い思い出を求めてチョコレートを買い求める人はもちろん、友人に渡す友チョコ買いに来る人もいる。しかし近年ではますます自分用に高級チョコレートを買い求める若い女性の需要が増え、それに則した商品を売り出す企業も多く存在する。
    今日2人がこの場所を訪れた理由も、この数日間だけ数量限定で販売されるチョコレートを自分用に入手するためだった。
    五条と釘崎は1月末から休みが合った日は毎回必ず東京近郊のデパートに繰り出している。釘崎は熱心に調べ物をし、各店の特徴や販売個数、販売時期などを調べることは苦にならなかったし、五条は荷物持ちや混雑した通路を切り開くことに長けていた。利害の一致である。 1401