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    kikhimeqmoq

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    桐智 2025/07/29
    桐智のドルパロ。コンビのアイドルをしながら付き合ってる桐智。
    某雑誌のスクープになった桐秋。

    #桐智

    それが問題だ「おはようございます……って要くん。なんで挨拶無視すんの?ライブ前に個人仕事を片付けてきた頑張り屋さんの桐島さんをちゃんとねぎらって?」
    楽屋の真ん中に置かれた会議卓に座り、要くんはPCをいじり続けた。顔は画面を凝視したまま、こちらに視線を向けることはない。
    「なんで?怒ってんの?」
    軽い仕草で椅子を引き、音をさせずに腰掛ける。そっと、要くんの肩まで体を寄せた。
    「文春に載った記事のことを怒ってんの?」
    「怒ってないです」
    「うそやん。ほなら、こっち向いて?それとも、要くんの方が女優と密会しとったん?」
    「違います。面倒くさい茶化し方しないでください。俺も桐島さんも女優と密会なんてしてないでしょ」
    「じゃあ、なんで、こっち見いひんの?」
    そう言って、隣に座る要の顎を軽くつまんだ。相手が抵抗しないのを確認し、そっと引き上げる。要くんは渋々、こちらに振り向いた。顎から首のラインが美しい。こんな時だから、より強く思う。ちょっとすさんだ雰囲気の方が色っぽいのだ。
    まあ、でも今は感じ入ってる場合じゃない。
    「なんなん?」
    可愛い男は顔だけこちらに向けながら、視線は床に落としたまま。何やら考えているようだった。あまり急かせば口をつぐまれてしまう。拗ねた要くんをしばらく眺めていたが、少し間を置いてから、もう一度問いかけた。掠れた声だった。
    「どしてん」
    要くん観念したようにため息をつき、俺の手をそっと顎から外した。肩をすぼめ、伏し目がちにぼそぼそと呟く。
    「今日、ライブのMCで記事のことを話題にしますよね。そういう人です。桐島さんは」
    「まあ、せやな」
    相槌に要くんは顔を上げ、目を細めた。
    「『雑誌なんて嘘しか書いてへん。知らん記者のオッサンが書いた記事より、俺らが直接言うたことをちゃんと信じて?みんな大丈夫やんな?』って言いますよね」
    「要くん、俺のモノマネ上手いな。さすがアカデミー最優秀主演男優賞やな」
    「それで、続けて言いますよね」
    俺のツッコミを無視し、要くんは続けた。
    「『だいたい俺には要くんていう、一生を誓った相手がおるんや』ってみんなの前で語ったあげく、頬にキスしますよね?」
    ふふ、思わず小さな笑いが口から漏れた。聞こえたのか、目の前の男は眉間に皺を寄せた。ほんまに可愛いな。
    「言うし、するな。キスするところまで見抜かれてるんはちょっとつまらんけど、でも、絶対するわ」
    「やめてください」
    「いやあ、すると思うわ」
    桐島が嬉しそうに断言すると、要は再び俯いた。
    「嫌なん?」
    「いや…………」
    「いや?」
    「…………っていうか」
    「ていうか?」
    「ちょっと嬉しいことが問題なんですよ」
    それだけ呟いた要は、ふう、と小さく息を吐いた。
    「うっそ、じゃあ、もう、オープニングで登場しながら言うわ」
    「やめてください」
    「『俺には要くんていう、一生を誓った相手がおるんや!』って叫びながら登場するから」
    「歌ってください。お願いですから」
    やるに決まってるやん。
    俺が目を細めると、要くんは諦めたように再びため息をついた。
    だって、ちょっと嬉しいことが問題なんですよ。










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    kikhimeqmoq

    DONE桐智 2025/09/08
    付き合っている大人の桐智。大人の桐智の大人の下ネタ。
    ほろよい、玩具、目を逸らす甘くもなく辛くもなくほどよい刺激の液体がスパイシーな香りを振り撒きながら喉を駆け抜けていく。三杯目としてはちょうどいい軽さだ。ほろ酔いの気まぐれでカウンターの上にある塔のオブジェを指先で弄った。このバーに要くんと来るのは五回目になるが、窓際ではなくバーテンダーのいる内側の席に座るのは初めてだ。間接照明しかない暗い店内で、隣の要くんだけがようやく分かる。黄色っぽいダウンライトに照らされ、いつもは白い要くんの頬も優しいクリーム色に染まっていた。なんか、美味しそうやな。パンケーキのみたいに柔らかく甘い気がする。本当は、硬く塩辛いことをよく知っているのに。
    カウンターのヘリには小さな塔のオブジェが並んでいる。東京タワー、エッフェル塔、スカイツリー、自由の女神、太陽の塔……。シャーペンより少し小ぶりで、丸みを帯びた形にデフォルメされ、お洒落というより可愛らしさを演出している。大人びた店内に優しいアクセントを添えていた。「かわええやん?」と要くんに言うともなく呟き、スカイツリーの先端をつついていた。
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    DOODLE桐智。
    大学生で同棲設定。ふんわり設定。
    大阪弁はふんわり。単語が下品です。
    キスの仕方なんて知らない「要クン。一年経ったし、そろそろ白状してもらうで」
     圭と秋斗が二人で暮らすアパートのダイニングキッチン。そのダイニングテーブルで圭と向かい合い、秋斗はにこやかに笑いかけた。
     テーブルには酒を注いだグラスが二つある。グラスを満たしているのは以前知り合いから譲り受けて飲んだところ、圭の反応がよかった桃の果実酒だ。今日のためにわざわざ通販で取り寄せたその酒は、圭が白状しやすいようにとの秋斗なりの気遣いと、尋問するのは多少心が痛むのでその詫びを兼ねたもの。
     とろりとしたクリーム色の酒をグラスに注いだときの圭の目は、少しばかり喜色を帯びていたが、秋斗の言葉で一気に真顔に戻った。口が引き攣らないように努力している様子さえある。圭と大学野球部で共に過ごすようになってから早三年。二人きりのときはこうして表情が表に出るようになった。圭の思考は表情に出ていなくても概ね分かるが、出ている方が秋斗の好みだ。秋斗以外は圭のこんな感情を知らないという軽い優越感が理由の一つ。あともう一つは、本人が秋斗の前だけ表情筋の動きが違うことを理解していないのがオモロ……ではなく、可愛いからだ。
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