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    杜蘭―とらん―

    @0229durham

    小話や作業進捗。

    今はチャカペル𓃡𓄿(ワンピ)、ひぜなん(とうらぶ)

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    杜蘭―とらん―

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    現パロのひぜなん。
    ひぜなんした翌朝に初めてシガーキスをするふたりの短いお話です

    ※付き合ってます
    ※先生も肥前くんもタバコを吸います

    #肥南
    fatSouth
    #ひぜなん
    princess

    キスより遠くて近い距離.





    ぎし。ベッドが軋む音と揺れに、目を覚ます。先生が先に起きたらしい。
    微睡みの中でしばらく唸って二度寝を決め込もうとしていると、聞き慣れた金属音に続いてオイルと煙の匂いが鼻を掠めた。枕に顔を埋めたまま視線を上へやる。
    ふぅ、と煙を天井に逃がす時の唇も、伸ばした首元に浮き出る喉仏も、その周りに残るキスの痕も、おれの二度寝を妨げた。

    「おや、起こしてしまったかね?」

    おれの視線に気付いたのか、先生が振り返った。不純な胸の内を見透かすようなタイミングに、慌てて目を逸らす。

    「いーや、べつに」

    そうかね。言ってまた煙を吐く。漂う煙の向こうの先生の柔らかく細めた裸眼がまとう色香に、息を飲む。我ながら単純だ。

    「君も吸うかい?」

    先生の家に泊まった時に限り、おれも煙草を吸う事がある。その大半は今そうしているように、先生が吸うのに付き合う時だ。煙草の味や匂いが特別好きな訳では無いし、体に悪いとは聞くし、煙草を買う金があるならその日の昼飯を大盛りにする方が有益だとは思うが、先生からする煙と同じ匂いに包まれて時間を共有している感覚は結構好きだ。

    「ん、じゃあ一本……」

    受け取ろうと体勢を変え、手を出そうとするのと殆ど同時に、先生の冷たい指が唇に触れる。

    「わざとやってんのか?」

    押し込まれるままに煙草を咥え、ついでに先生を睨んだ。

    「ふむ、なんのことかね?」
    「……なんでも。火、くれよ」

    うんと頷きライターを取るかと思えば、先生は髪を耳にかけ、おれに覆い被さった。再び、今度は頬のすぐ横に骨張った手が迫る。

    「せんせ、なに」

    ぎし。先生が体重をかけた事でまた、ベッドが軋む。昨晩を思い起こすには十分すぎる吐息の距離と共に煙草と煙草が、触れた。
    先生がしようとているその何かを待つ間、伏せたまつ毛が長いなとか、寝癖のついた猫っ毛が柔らかそうだなとか、随分長い時間そうしている気になっているうちに、おれが咥えた煙草からも煙が広がり始めた。先生はと言うと、自分からしておいて随分と意外そうに訝しげに首を捻っている。

    「ふむ。シガーキスと言うらしいのだけれど、意外と火は移らないものだねえ。ライターの方が早そうだ」

    永遠のような数秒間に凝縮した押し潰すような誘惑への自覚は無しに、おれの感情の昂りにも目もくれずに、先生はあっさりと元の位置へ戻る。一人勝手に気勢を削がれたおれは煙の吐き出し方を間違え、不格好にも噎せた。

    「けほっ」
    「おや、大丈夫かね?やはり寝たままの体勢は良くないかな?」

    無邪気さと魔性を同時に孕むその悪質さに、煙とともに大きく息を吐いた。煙草がなければベッドに引き倒ているところだ。まぁ、煙草がなければ煙のように瞬く間に身体中に広がるこの熱も無かった訳だが。

    「けほ、……本当に無自覚なら結構タチ悪いぞ、あんた」

    悪態をつきながらもまだ少し噎せるおれを見て、くゆる煙の向こうの先生は満足そうに笑っていた。




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    杜蘭―とらん―

    MAIKING現パロのひぜなんです

    大学図書館職員の南海先生と、猫の肥前くんの出会いのお話です 続くかは分からない…

    ▶南海 朝尊(なんかい ともたか)
    28歳 私大の図書館司書。 本の虫で人付き合いが悪い。
    ▶ひぜん
    ?歳 猫。食欲旺盛でじゃれて遊ぶのは好きではない


    ※フィクションです。ペット禁止の集合住宅でペットを飼ってはいけませんしまたそれを推奨する目的はありません。
    猫も雨天に夢を見る.






    ここ最近、家に居着き始めた黒猫。

    僕が仕事から帰る時間を見計らったかのようにアパートの扉の前で待っているその黒猫は、夕方頃に僕が階段を上がってくるのを見つけると足元へやってきて一つも鳴くことなく目だけで訴える。

    中に、入れろと。

    扉を開ければ家主である僕を先導するように悠然と室内へ入り、すっかりお気に入りになったらしいソファの隅を我が物顔で陣取る。寝ようとしたところで毛布をめくるとベッドの真ん中へやってきて僕のことをお構い無しに伸びて寝ることもあった。すっかり自分の家のように振る舞ってはいるし夜寝ていると枕元へ来ることもあるのだが、何故か彼は、朝には忽然と姿を消している。
    初日こそご飯を食べて満足したのだろう、飼い主の元へ帰ったのだろうと思ったが、その日もまた前日の時のように、僕が帰宅すると玄関の前に行儀よく座って彼は僕を待っていた。
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