もっといい日に 仕事上がり、もうだいぶ遅い時間だった。店を出る前にスマートフォンでチェックした生存率と自宅までの安全なルートを脳内でもう一度思い返す。まっすぐに帰る道は少しばかり危険度が高いので、迂回する羽目になりそうだ。レオナルドはバイクのハンドルを握ってため息を付いた。
くたくたに疲れた体を、おんぼろのバイクが夜の街を運んでいく。今日も一日よく働いて、あとは家に帰ったらなにか夜食を腹に入れたあとに歯を磨いてベッドへダイブ⋯⋯したいけれど、そのまえに一応シャワーも浴びないとだめだろう。
「冷蔵庫になにか残ってたかなー⋯⋯」
赤信号で停まり、腹に入れるなにかについて思いを馳せる。朝食にしようと思っていたパンとハム、それからソニックのバナナくらいしかないかもしれない。
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