楽器演奏の話(🪐⏳☔カプなしの予定)――♪♪―――♪
音が重なって、また離れて。それぞれが場面に合った役割をこなしては手を取り合うように、時に競い合うように混ざり合っていく。そうして奏でられる音が鼓膜を揺らすたび、音楽に全くと言っていいほど疎い自分にもそれは心地よく感情を揺さぶる何かがあるとわかった。
(演奏もそうだが、絵面がえげつねぇな)
レインは音色から意識を離すとちらりと演奏する同僚達を見た
流れる星のように煌く高音はランスが息を吹き込むフルートから。大地を滑る温かく豊かな中低音はオーターが上品かつ丁寧に弦を震わせるチェロから、それぞれ発せられている
演奏に没入する二人は伏し目がちに真剣な顔をみせており、いつもの不遜な態度は鳴りをひそめている。彼らの趣味の域を遥かに超えているであろう音色に劣ることなく本人達もため息が出るほど美しい。彼らの普段の中身を知らない人々が見たらきっと涙を流して震える口を押さえるだろう
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