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    aoiro_confeito

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    SS練習(烏出、大学生if)

    お題:一人暮らし 朝起きて手早く身支度を整えたら大学に行き、ボーダーの任務をこなし、時にはランク戦もしてから帰宅する。そんな毎日を過ごし始めて2年が経った。
     出水が一人暮らしを始めたのは大学入学がきっかけだったが、もともとボーダーでも忙しくしていたので自宅に帰るのは最低限であったこともあり、それならと最初はボーダーに部屋を用意してもらう予定でいた。けれど結局はとある事情で一人暮らしを始めることにしたのだ。
    「ただいまー」
     一人暮らしというのにただいまと声を出してしまうのは、玄関に見知った靴があったから。この部屋に人が訪れるのは仲の良い隊員がたまに遊びに来るか、烏丸が来るときだけだった。
     時刻はすでに23時を回っている。どう考えても帰宅するには遅い時間で、翌日のことを考えればこのまま風呂に入って寝なければならない。そうしてリビングのドアを開ければ漂ってくるのは美味しそうなご飯の匂いだった。
    「出水先輩、おかえりなさい」
    「京介来てたんだな」
    「はい。一応連絡は入れたんすけど見てないですよね」
    「あー、そういえばスマホの電池切れてっかも」
     任務が終われば家に帰るだけなので気にしていなかったのが正直なところだ。充電コードにつないで暫く放置した後、画面に表示されたのは烏丸からの完結なメッセージだった。
    『お疲れ様です。お邪魔してご飯作ってますね』
     文面だけ見れば可愛い恋人が帰宅を待ってご飯を作ってくれているようにも見える。そしてそれは間違ってはいなかった。ただし、可愛い恋人という部分は主観よる、ということだ。
     烏丸は確かに恋人だが身長は出水よりも高く体格も良い。もともと肉の付きづらい出水にとって身体を大きくするのは難しく、大学生になってからは体格差が前よりも広がったようにさえ思う。加えて料理上手で気遣いのできる大家族の長男とくれば、もはやどこに弱点があるのかもわからない。
     出水が少し追いついたタイミングでテーブルに料理を並べてくれるところまで完璧で、烏丸の弱点を探すことなど出水はとっくに諦めていた。テーブルには二人分の食事が並べられている。出水と烏丸の分だ。
    「おまえもまだ食ってなかったんだな」
    「俺も今日バイトだったので。でも早めに上がれたんでせっかくなら一緒に食べようと思って作りに来てました」
    「ありがとな。いただきます」
     出水と忙しさの種類は違っても、烏丸も多忙な大学生生活を送っていた。本来なら時間ができれば休みたいと思うはずなのに、こうして会いに来てくれるのだから愛されてるなと実感してしまう。だから、恥ずかしさから気持ちを素直に伝えることができない出水は、感謝の言葉だけは忘れないようにしようと気頃に決めていた。
    「本当はいつでも一緒に食べたいんすけどね」
    「……じゃあいつでも泊まればいーじゃん」
     普通の大学生が一人暮らしで住むには少しだけ広い1LDKの部屋。今は一人暮らしだけども、いつかは烏丸がいるもの普通になる日がくるかもしれない。
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