「あれ、お前ネクタイ渡されてねェの?」
「ああ。硬っ苦しいのは嫌だって言ったらなしにしてくれたぞ。」
「あのなぁ……」
「なんだ。」
「……まぁいいならいっか。何でもねェよ。」
「ふーん?」
「ほら、お前もさっさと着替えて来い!」
「お前もさっさと着替えろよ。」
「わーってるっての。じゃ、また後でな。」
「ああ。」
◇◇◇◇◇
「……」
「へー、割と似合ってんなお前。七五三にでもなるかと思ってたのに。」
「はァ!?俺はもう17歳なんですけど!?誰が七五三になんかなるもんか!」
「そんなことより俺はどうだ。」
「お前?」
「俺。」
「……」
「……」
「……」
「急に黙ってどうした。」
「……まぁ?馬子にも衣装、なんじゃねェの?」
「孫にも衣装?俺に孫はいないぞ。」
「そっちの孫じゃねェよバカ騎士!」
「つーかお前がいる限り孫なんて出来るはずねェだろ。」
「……あっそ。」
「まぁお前が産むってんなら出来るかもな。」
「産める訳ねェだろバカかお前。バカだったな。」