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    高間晴

    @hal483

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    高間晴

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    敦太800字。風邪。

    ##文スト
    #BSD
    #敦太
    dunta

    風邪ひいた ――敦君の怪我はすぐ治ってしまう。
     ポートマフィアや組合と戦ったときも、虎の異能で驚異的な治癒能力を発揮している。
     けれど。
    「太宰さん……伝染るからあっち行っててください……」
     布団で横になっている敦君は、ごほごほと咳をしている。
     そう。風邪を引いたのだ。
     怪我なら簡単に治ってしまう彼だけど、病気はその限りでないらしい。
     こんな状態なのに、私はなんだか嬉しくなってしまっていた。だって、敦君の看病が出来るんだもの。
    「何を云ってるんだい。私がちゃんと看病してあげるから」
     胸を張ってそう云うと、私は一考した。
     病人には何をしたらいいか。それは森さんのところにいた時、ある程度は学んでいた。
    「ええと、敦君。何か食べる? お粥とかうどんとか。なんでも作るよ」
    「太宰さんに任せたら台所が爆発します……」
     額に冷たい手拭いを乗せた敦君は掠れた声でそう云った。
     確かにそうだけどさあ。
     そうだ、と思いついて私はポカリのペットボトルを冷蔵庫から持ってきた。
    「これ飲む?」
     訊けば、頷きが返ってくる。体を起こす敦君の傍に膝をついて、その蓋を開けた。
     私はそれをひとくち口に含んで、彼が有無を云う暇も与えずに口移しで飲ませる。
     こくりと敦君の喉が鳴って、それを飲み下したのがわかると、私は唇を離した。口の端を上げて笑うと、唐突に後頭部へ手が回ってきて、今度は敦君がその口で私の唇を塞いできた。
     熱があるので、彼の口の中は熱い。舌を差し込まれて、上顎の方をその舌がなぞると、背筋をぞくぞくした快楽に似たものが這い上がっていく。
     待って。
     そう云いたいのに、敦君の舌は私の口内を圧倒的な熱量でもって蹂躙していく。甘くて少し塩気があるポカリ味のくちづけ。いつの間にかポカリのペットボトルは私の手から離れて、畳に転がって染みを作っているだろう。
     こんなつもりじゃなかったのに。
     腰から下の力が抜けてきて、へたり込む私を敦君がようやく離してくれた。
    「敦君……」
    「まったく、病人になんてことするんですか」
     暁色の瞳が、病気からくるものではない熱っぽさを帯びている。次の瞬間、耳元で囁かれた。
    「――僕、もう我慢できません」
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    「あなたと、駆け落ちしたい」
     ――なんて突然夜中に年下の恋人が言うので、モクマは黙って笑うと車のキーを手にする。そうして携帯も持たずに二人でセーフハウスを出た。
     助手席にチェズレイを乗せ、運転席へ乗り込むとハンドルを握る。軽快なエンジン音で車は発進し、そのまま郊外の方へ向かっていく。
     なんであんなこと、言い出したんだか。モクマには思い当たる節があった。最近、チェズレイの率いる組織はだいぶ規模を広げてきた。その分、それをまとめる彼の負担も大きくなってきたのだ。
     ちらりと助手席を窺う。彼はぼうっとした様子で、車窓から街灯もまばらな外の風景を眺めていた。
     ま、たまには息抜きも必要だな。
     そんなことを考えながらモクマは無言で運転する。この時間帯ともなれば道には他の車などなく、二人の乗る車はただアスファルトを滑るように走っていく。
    「――着いたよ」
     路側帯に車を停めて声をかけると、チェズレイはやっとモクマの方を見た。エンジンを切ってライトも消してしまうと、そのまま二人、夜のしじまに呑み込まれてしまいそうな気さえする。
     チェズレイが窓から外を見る。黒く広い大海原。時 818