冬の過ごし方 今日の敦と太宰は、家電量販店に暖房器具を見に来ていた。秋も深まったので、朝晩など肌寒い時があるのだ。
「あ、太宰さん。炬燵がありますよ」
敦が指差すのは二人で向かい合わせに入るとちょうどよさそうなサイズの炬燵。うーん、と太宰は顎に手をやる。
「いいと思うんだけど、これ買ったら最後、私はトイレに立つのも面倒になりそうな気がする」
「確かに……」
炬燵に入ったままの太宰が「もうずっとここにいたい」などと云うのが、敦には容易に想像できた。これは却下だ。
「じゃあ電気毛布や電気あんかは?」
「布団に入る時は敦君の体温が高いからいらないかなぁ」
それを聞いて敦は少し顔を赤らめてしまう。一方太宰は真剣に暖房器具を見ている。二人で売り場をゆっくり歩きながら見ていく。
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