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    しんした

    @amz2bk
    主に七灰。
    文字のみです。
    原稿進捗とかただの小ネタ、書き上げられるかわからなさそうなものをあげたりします。

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    しんした

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    タイトル通りです。
    人間七海×人魚灰原くん
    あんまり人魚要素はないかも……?

    人魚姫っぽい七灰パロのネタメモ.



    人魚姫っぽいといいながらハピエンです(ハピエン厨なのでそこだけは譲れない)


    ◎ぼんやり設定メモ
    世界設定:
    大正時代っぽい日本のようなところ(ふわふわ設定・個人的に大正時代っぽい感じが好きなので)
    人魚という怪異の伝説はある


    七海:
    人間
    いいところのお坊ちゃん
    楽器演奏者を目指している(海辺で楽器演奏が可能なのか、好ましいのか詳しくないのでちょっと設定は変わるかも)(最初はヴァイオリンがいいかと思ったけど、フルートも捨て難い。金管楽器なので木製の弦楽器より屋外で使っても多少耐性がありそうとも思うので)
    五条さんは演奏者繋がりの知り合いとか



    灰原くん:
    人魚
    歌が上手
    七海の演奏を聞いていた時、音色に惹かれてつい歌ってしまった
    夏油さんと硝子さんも人魚(実は二人は五条さんと面識がある)

    ※人魚は一定の年齢になりきちんと訓練を積めば少しの間、ヒレを人間の脚に変えることができる設定。
    ※正直人魚でなくても他の人外でもいいが、今は便宜上人魚にしている。それに歌が上手い人外って人魚くらいしか分からないので。
    本当は個人的に灰原くんは山が似合うと思っているので、山に住む人外の何かにしたい。



    ◎ざっくり流れ
    出会いは七海が12~13くらい。
    演奏の練習をしていた七海のメロディにつられて灰原くんが歌ってしまったことが出会い。
    人魚の伝説は七海も知っていたが実際に見るのは初めてで、最初は距離を置こうとしたが、綺麗な歌声が忘れられなくてまた海辺で演奏する七海。そして再会。
    人魚は美しく妖艶なものだと思っていたから、岩辺の間から顔を覗かせた灰原くんのあどけなさに驚き、自分と同い年くらいに見えたこともあり警戒心が薄まる七海。
    灰原くんも七海の演奏が綺麗でどんな人なのか気になっていた。
    徐々に仲良くなっていき、惹かれあっていくふたり。けどお互い片想いだと思っているし、そもそも種族が違うのでどうしようもないと気持ちを告げようとしない。

    それからお約束だけど、ある時七海が海で事故にあってしまい、それを灰原くんが助ける。でも、七海の状態を見て人間の力ではもう手の施しようがないとわかった灰原くんは夏油さんと硝子さんに助けを求める(硝子さんは原作同様に治療能力を持っている設定。ちょっと魔術的なものに近いイメージ)。
    けれど、種族が違う七海の治療には同族の治療とは違い対価が必要になる。
    灰原くんは自分が持つもののなかで一番大切なもの――七海が綺麗だといつも褒めてくれた『声』を七海の命を助けるために差し出す。
    硝子さんは続ける。
    「あと、七海自身にも対価を支払ってもらわないといけない。命を救う代わりに七海にとっての一番大切な記憶……思い出を差し出してもらう」
    七海にとって一番大切な思い出は灰原くんと過ごした日々。けれど、その事実は誰も七海以外誰も知らない。
    灰原くんは一命を取り留めた七海を海岸まで運び、まだ意識がない七海の側で消えゆく声で歌を歌う。
    それから、人間に助けられた七海は療養のため海辺の町を離れることになる。







    三年後。
    海辺の町に戻ってきた七海。
    事故以前の記憶、特に事故の半年ほど前の記憶に所々空白があることが気になって戻ってきた。
    この町にいた頃、時々していたように海辺で演奏をしてみた七海。
    その時、岩の間から誰かが姿を覗かせた。
    自分と同い年くらいの黒髪の少年。夏でもないのに少年は海に浸かって上半身もびっしょり濡れている。七海を見つめた少年は大きな黒い瞳を潤ませながらにっこりと笑う。だが、海に浸かっている下半身が脚ではないと気がついた七海は驚いてその場を離れてしまう。



    以下ざっくりメモ。

    灰原くんは七海の演奏が聞こえたから慌てて海底から上がってきた。でも、自分を見た七海の反応に七海の一番大切な記憶──思い出は自分のことだったと悟り、ほんの少しの喜びと大きな悲しみを感じる。
    その場を離れてしまった七海だが、少年のことが忘れられず、翌日以降も海辺を訪れる。


    それから、七海が海辺へ通っていることを知った灰原くんは、人間の姿で七海の前に現れる。(三年の間で人間の姿が取れるようになった。時間の制約はある)
    困惑する七海。
    灰原くんも声はもう全く出ないから、歌を聞いてもらうこともできない。それでも、七海と会いたくて、この前驚かせたことを謝り(七海がヒレのことを指摘しても頑張って誤魔化す)、演奏が綺麗だったからまた聞きたい、と身振り手振りで伝える。
    疑念が全て晴れたわけではないが、灰原と名乗った少年の懸命な様子に一曲奏でる七海。声が出せないはずなのに、演奏に合わせるように唇を動かす灰原くんの様子に内心動揺する。(実は事故の前に自分の演奏と灰原くんの歌声を録音していたレコードを持っていて、事故後それを聞いていた七海)
    「声、出せていたのか?」
    ニコリと笑って頷く灰原くん。
    「ーー歌うことが、好きだった?」
    一瞬寂しそうな顔をしたが、何度も大きく頷く灰原くん。
    「そうか……」

    しばらく町に滞在することを告げた七海は、それから毎日のように海辺を訪れる。
    灰原くんも人間の姿になれる時間は限られているが、できるだけ長い時間七海と過ごす。
    海辺だけじゃなく、ちょっと町中へデートしたりしてもいい。


    ※ハピエンにはなるけど途中はまだ曖昧
    人魚ってことを告げないままお付き合いするのもあり。
    →事故の前は最初灰原くんの歌声に惹かれたわけだけど、別に歌声以外にも惹かれていたから、何度でも灰原くんに恋をする七海。
    幸せな時間を過ごしたけど、無理して長時間人間の姿になっていた灰原くんが体調を崩す(命を削っていた)とかで、夏油さんと硝子さんが七海のところに現れて自分達の正体を告げる、とか。
    一旦海底に連れ戻された灰原くん。海上から七海の演奏する音色が聞こえて、それに合わせて唇を動かす。
    それを見ていた夏油さんが「人間になりたい?」と問いかけてくる。
    方法はある→記憶を全て無くすこと。人魚だったことも、七海とのことも、自分のことさえ全て忘れて、生まれ変わるようなもの(硝子さんの治療能力ではない)
    七海と話がしたいという灰原くんに、夏油さんが七海を海底へ連れてくる(少しの間、人間が水の中でも活動できるような術をかけるとか)
    →七海も何か対価を払いたいと申し出るのもあり(対価の一部を肩代わりすることでもしかしたら記憶の一部が残るかも、という可能性にかける)。その場合は、眼球がいいかな、と思ったり。灰原くんに演奏を聴いてもらいたいから運動機能は無くせない。本当は両眼が望ましいけど、抉られる苦痛も込みなら片眼でも何とかなるだろう、と言われるとか。

    人間になった灰原くんの記憶は真っ白で、地上での日常生活もままならないくらい。でも七海の演奏だけは覚えているようで、声は出ないけどメロディを口ずさんでいる。
    数年後、声は出ないし人魚だった頃はもちろん何も覚えていないけど、元気に生活できるようになった灰原くんへ七海はプロポーズする。

    みたいな流れがいいなぁ、とこれを書いている時点では思っている(2024.05.05)


    結局、要素としては
    ・自分を犠牲にして相手を助ける
    ・記憶が無くなっても何度だって同じ人に恋をする
    です。


    余談
    ヒレの部分が脚になった灰原くんだけど、腰をグルリを囲むアザみたいなのがあったらなんか興奮するなぁ、となりました。(原作の灰原くんも、もしかして人魚……?)






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    しんした

    PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗③です。
    灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉を読み返すなかで灰原くんへの想いと向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。

    七海の独白ターン最終話の半分くらいを抜粋しました。
    次の章で再会するので早くいちゃいちゃさせたいです。

    ※推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
    8月七灰原稿進捗③四.拝啓



    二つ折りにした便箋を名前しか書いていない封筒へ入れる。
    きっちりと糊付けで封をしたら、同じ封筒だけが入った引き出しへと仕舞う。
    机の浅い引き出しの中には、出す宛てのない手紙が増えていくばかりだ。
    それでも。
    私は、筆を執ってしまうのだ。





    帳が上がると、七海の頭上に青空が広がった。
    砂埃を払うように呪具を軽く振る。そこそこの呪霊だったが、想定していたよりも早く祓えたようだ。古びた雑居ビルの階段を降りると補助監督は少し驚いた表情で出迎えてくれたが、七海は「お待たせしました」といつも通りに声をかけた。
    呪術師へ出戻って一年。
    あのパン屋を出て五条へ連絡を取ってからの日々はとにかく慌ただしかった。卒業ぶりに顔を合わせた五条に「いつかこうなると思ってたよ」と笑われながら、呪術師へ復帰する手続きを済ませた。勤め先へ退職届を出した時は上司から随分と引き留められたが、もう決めたことなのでと押し通した。(入ったばかりの新人には悪いとは思ったが、かなり細かく引き継ぎをしておいたので大目に見てもらいたい)
    4058

    しんした

    PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗①です。
    灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉を読み返すなかで灰原くんへの想いと向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。
    でも七海がひとりなので書いていて辛いので進捗upしました。

    推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
    8月七灰原稿進捗①一.Re:Re:Re:Re:無題



    二年の夏。
    残暑の厳しい、いつもと変わらない何でもない八月のある日。
    灰原が、死んだ。





    開けっ放しだった窓から吹き込む風の肌寒さに、七海は手元の文庫本から顔を上げた。
    今日は午後から自習だった。自習といっても課題は出るのだが、期限までに提出すればどこで何をしていてもいいと言われたので、さっさとプリントを片付けて寮の自室へ戻っていた。
    文庫本に栞を挟んだ七海は椅子から立ち上がって、ふわりとカーテンがなびく窓際へと足を向けた。
    どうやら、しばらく積んだままでいた本の世界にすっかり浸っていたらしく、カーテンの向こうの空は随分と陽が傾いていた。昼間の日向にいるとまだ少し汗ばむ時もあるが、季節は着々と歩みを進めていたらしい。太陽という熱源を失いつつある秋の夕暮れ時の空気が、ワイシャツの薄い生地を通り抜けて身体を冷やしていく。
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