総集編を踏まえた七灰.
この中には馴染めないと思っていた。
そもそも、馴染む気なんてはじめから持ち合わせていなかった。
物心がついた頃から、自分の見えている世界が他人と違うことに気がついた時から。
自分の居場所なんてどこにもないと、自分はひとりなのだと、そう思っていたからだ。
入寮の日。
まだ荷解きも終えていないというのに、突然部屋に押しかけてきた人間が何人かいた。
最初は、不躾で不真面目でノリが軽くて、おそらくは自分が想像できない程の能力を持っている先輩たち。
どうやら後輩ができたことが嬉しかったらしい。特に銀髪にサングラスなんてふざけた格好の方は鬱陶しいくらいの先輩ムーブで絡んできて、この人には極力関わらないよう努力しようと強く誓ったものだ。黒髪を結った先輩の方は穏やかに「私も非術師の家系出身だから、分からないことがあれば遠慮なく聞いてね」と優しい言葉をかけてくれ多少安堵したが、その数時間後、銀髪の先輩と喧嘩したとかどうとかで寮の一部を破壊しと聞いて、やはり信用してはいけないと再び心に誓った。
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