3:到着『さ、降りて』
管理人はお粗末な駐車場に車を停めて私に降りるよう促した。
私は頷いて車を降り、管理人と施設内に入った
施設に入ると白髪に、管理人さんと似たキャラクターだが黒い色のヘアピンをしている厳格な面持ちの人が奥の方から歩いてくる
『はぁ、またお荷物が増えたか、、つらいね、』
そいつはこちらに着くなりそう言った
失礼な、と思ったが実際お荷物なので何も言わなかった。
『そんなこと言うなよ兄弟、ほら!ダイヤの原石だぞ!』
『うるさい、カンディ、お前はなんでも過大評価しすぎる癖がある、』
『ウツディ、お前は過小評価しすぎだって、』
そんなやり取りがあったが、管理人さんがこちらに気を利かせてくれたのか、話を逸らしてくれた。
『ところでダイヤの原石ちゃん、第二屍支部では、この人が管理人だから、言うことを聞くようにね!』
私が蛇にでも噛まれたかのような顔で頷くとこんなことも付け足した。
『じゃあ君とはまたすぐに会えるはずだから私はもう第四屍支部に戻るね、彼もなかなか優秀だから安心してちょうだい、それじゃまた!』
またすぐに会えるというのが引っかかったが管理人さんはそう言うとすぐに入り口へと消えてしまった
変な人ではあったが、いざいなくなると少し寂しい。
すると、ウツディさんが口を開く
『騒がしい弟ですまないね、業務内容は弟に聞いたろう、分からないことがあったら管理人室に来てすぐに聞くといい、後これがここの部屋の鍵だ。お荷物に期待はしてないがな』
『はい、、』
最後の一言は相変わらずムカつくが意外と優しい人なのかもしれない、、
渡された部屋の鍵には見えるか見えないかギリギリの文字で501と書かれていた
ウツディさんが部屋に帰った後、何もすることがないので、荷物を部屋に置きに行くことにした。
ずっと家に引きこもってたからであろう、5階まで階段で上がるのが辛くてしょうがなかった。
501の部屋の前に行くと黒髪で片方の目が隠れている少年とばったり会った、、というよりは、この少年は部屋の前で私を待っていたようだった。
少年はこちらに気づくなりすぐに話しかけてきた
『ど、どうも、氏矢真 小助と申します!えと、ボクも本日からここに来て、部屋の鍵はもう1人が持っているからここで待ってろお荷物が、と管理人さんが、、』
『ども、赤衣です、、』
なんとなく彼の状況は察したが、しやまこすけと名乗ったこいつはキャンプにでも行くのかと言いたくなるほどの大荷物だった。
2人で部屋に入ると、
中にはあちこちに赤黒いシミと蜘蛛の巣、真ん中には1つ質素なベッドが置いてある
私はこれよりひどい部屋で生活していたので問題ないが、都会育ちにみえる彼はどうだろうと小助の方へと目をやる。
あいにく彼は地獄にでも来たのかという顔をしていた。
『こんな部屋でどうやって生活すればいいんだよぉぉおおお!!!!』
第四屍支部(赤衣#4)につづく