2:就職『それじゃあ行ってくるね、』
小さな声でそう言った
きっと両親に伝えたら喜んでくれるけど、騒がしいのは苦手だから、、台所に手紙を残しておいた。
欲しいものなんてないから口座もついでに、
久しぶりの太陽の光、眩しすぎて目が潰れるんじゃないかと思った。
この季節になるといつも見た黄色い花を咲かせる雑草が排水溝の隙間から(コトシモキタヨ!)と背伸びしている
しばらく歩いていると最寄りの駅に着く、8.10年使っていなかったICカードが機能を失って使えなくなっていないか心配であったが、杞憂だった。
電車に揺られながら彼女は不思議に思った。
赤衣がパンフレットの電話番号に連絡を入れた際
[南死人駅に来てください]とだけ言われて他に情報も無かったからだ。
実は詐欺なんじゃ、、そんな事を心配していた彼女だったが電車を降りてすぐに異変に気づく。
ひとけの無いこの駅の改札奥に白髪のメガネをした男性が立っている
驚いたことにその男性のヘアピンはパンフレットのイメージキャラクターをかたどったものだった。
この不気味な男性に、恐る恐る声をかける
『どうも、パンフレットを見て連絡を入れた者です...』
『やあ、待っていたよ、とりあえず乗って、』
男に促されるまま、古そうな社用車に乗り込んだ。
私がシートベルトを着用すると、車が発進しタイヤが地面とぶつかるゴウゴウという音だけが流れる、
いてもたってもいられなくなり、彼女は質問した。
『あ、あの、面接とかって、』
『ん?あーいいよ、君合格だから』
『ど、どういう』
『そのままの意味』
『はぁ...』
こんなくだらないやり取りをした後、彼が皆んなから管理人と呼ばれていること、お互いの趣味のこと、仕事のこと、色々と話した
仕事内容はなんでも異常存在を管理するとかなんとか、何言ってるか分からなかったけど何となくは覚えた。
管理人さん曰く絶対に私が死ぬことはないらしい
私は別に死んでも構わないけど、
やがて都市の隅にある施設にたどり着いた
正門にはさびれた文字でこう書いてあった
『[ようこそ第二屍支部へ]』
第四屍支部(赤衣#3)につづく