4:逆行『ようこそ!第四屍部へ!』
そう言いながら先輩は嬉しそうにこちらを見ながら後ろ歩きで廊下を歩く
(後輩が増えたことが嬉しいのだろうか、こちらの顔をまじまじと見つめてはにこにこしている)
その時だった、
先輩のすぐ後ろにある扉がゆっくりと開いた
最初に見えたのは拘束具、どんな人だろうと顔を見ようとしたが顔はなく、所々歪んだ鉄の塊がこちらを凝視している
『あ、あぁ、、』
私は恐怖のあまり膝をつく
『どうしたの?初出勤で疲れちゃったかな?』
先輩は気付いてない様子でこちらに笑顔のまま手を伸ばす
その刹那
グシャ
赤い液体が肌に襲いかかる
肉塊を中心として辺りが赤に彩られていく
先輩の頭であったものは鉄塊によって潰されていた
『.........』
私は逃げ出すことも声を出すことも出来ず肉塊を眺めていた。
風を切って何かが振り下ろされる音がする
その時、ゴゥウーンという鈍い音がどこか遠くで鳴り
目の前が真っ暗になった
目に光が入ってくる、眩しさに耐えながら目を開けると、私の前には先輩が私を覗き込んでいる、つい先程目の前を転がっていた先輩が、
『...どうして、、?』
『ようやく起きましたか、詳しい説明は後で、とにかく着替えてください。出勤時間が遅れて怒られるのは貴方だけじゃないんです、、』
そう淡々と述べた彼女は近くにあった大きめの銃と鎌を腰に備え付ける
気がつくとそこは、私が最初に起きたベッドの上だった。
『な、なにが起きたの、、?』
『はぁ、、?移転してきたっていうから問題のある方だとは承知しておりましたが、、仕事内容も分からないとか言いませんよね?』
『仕事内容は分かります、、』
『ですよね、そんな問題児担当するなんてごめんですから、、さあ行きますよ』
先輩に手を引かれて私は部屋を出る、部屋を出るとそこにはやはり、管理人がいた。
『おかえり、今回は何か違った顔つきだね、何はともあれ33回目、遅刻はしなかったみたいですね』
相変わらず何を言ってるのかわからない
色々質問したいことだらけの混乱とさっきまでの惨状がフラッシュバックし、私は廊下に嘔吐した。
『どうした新人さん、、体調でも悪い?』
先輩がこちらに手を伸ばす
先輩はまるで私のことを忘れてしまったようであった。
第四屍支部(死山#5)につづく