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    neo_gzl

    @neo_gzl

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    neo_gzl

    PROGRESS兼続×七緒。兼続ルートED後。オフ本に掲載予定なのですが、兼七のお話は殆どWEBにアップしていないので、サンプル代わりにSSの全文を上げておきます。
    ※七緒に妊娠が発覚する話です。
    ※モブ(兼七の子供(仮))が出てきますので、苦手な方はご注意くださいませ。
    ※本に掲載する時は、誤字脱字を含めて更に全体を加筆修正します。初稿の段階で投げ飛ばしです。
    「されど世界は美しい」




    彼女と自分との間に、子供は望めない。

    別段、何かそう考えるに至る、確固たる理由があったわけではない。
    過去の書物や記録を漁り、あれやこれやと思索に耽り、物事が動くその先を読めぬか、己に、引いては我が主、上杉家に有利なように動かせぬかと、すぐにはかりごとをめぐらせる性質がある自分には珍しいことだとは思う。
    ただ、彼女には――。彼女が起こす奇跡には、己の知謀など遠く及ばない。引いては、彼女の本質にも手が届かないのではないか。神の乙女と婚姻の契りを結んだだけならまだしも、子まで望むなど、ただ人の男でしかない自分には、過ぎた願いだ。
    そんな風に思っていたから、確かな理由なく、何となく多分そうなのだろうと漠然と受け止めていたのだ。
    欲しいのか欲しくないのかと問われれば、やはり欲しかった。
    彼女は自分が、この命続く限り、無上の愛を与えたいと思った女だ。そんな彼女との間に子供が出来たなら、心から愛しく、幸せだろう。
    考えれば、神話や伝承の中には、神と人との間に子が産まれる話が数多くあった。ならば、と思ったこともある。しかしやはり、望んではいけないような気がしたのだ。 6634

    neo_gzl

    MOURNING遙か5風花記、高杉×ゆき
    閉鎖済みのサイトに置いてあったものを拾ってきました。イチャイチャを書きたかっただけなので話にオチなんてない。高ゆきは永遠にイチャコラしていてほしい。
    「甘い雨のなかで」





     外は雨が降っていて、雨音と蛙の声がしている。
     部屋には舶来品のランプが置かれており、文机の前には男が腰を下ろして何かの書状を読んでいた。
     ゆきはつと視線を外から部屋の中に向け、その男――高杉の背中へと移す。
     すると途端に胸の鼓動が跳ね上がり頬が熱くなって、ゆきはまた慌てて外の方を向いた。

     ゆきがこちらの世界に残ることを決め、高杉と二人だけで行動するようになり暫くが過ぎた。二人は今、江戸を発ち、高杉の故郷である長州へと向かう旅程の中にある。
     京や江戸では八葉たちと一緒の騒々しいとも言える毎日だったが、二人きりの今は静か過ぎる程に静かだ。
     最初はそれを寂しくも思えたし、今でも時折不意にそう思うこともあるが、長州への道中も中ほどまで来て、二人でいることにも随分と慣れた。
     ――でも。
     とゆきは所在なさげに膝を抱え直しながら心の中で呟く。
     ――流石にお宿のお部屋まで一緒なんて……。
     そこまで考えてゆきは思考を止めた。それ以上は恥ずかしくて考えていられなかったのだ。
     夕刻になり雨が降り出して、二人は街道沿いの宿場町で宿を取ったのだが、折り悪く 5182