【弥彦くんと小南ちゃんに聞いてみよう】&【オビトが倒れたすぐ後のお話】【弥彦くんと小南ちゃんに聞いてみよう】
Q.二人はいつからの知り合いなの?
A.生まれた時から。お家が隣同士で母親同士が友達だったから物心ついた時から一緒だったよ。
Q.長門くんへの第一印象は?
A.いきなり泣いて変なこと言ってた変なやつ。ただなんか頑張ってたんだなって言うことはわかったから慰めてあげたんだよ。
Q.弥彦くんはどうしてあのメンバーをボランティア部に誘ったの?
A.野生の勘。
Q.二人は付き合ってるの?
A.長門くんのおかげで小6の時から付き合ってるよ。
――――――
【オビトが倒れたすぐ後のお話】
差し伸べた手は取られることがなかった。
手を差し伸べた相手であるオビトが床に倒れた。いきなり倒れたオビトは先ほどまでの笑顔から一転、苦悶の表情を浮かべ早く浅い呼吸を繰り返している。
パニックになりながらも意識の有無を確認しようとオビトに触れた。触れた指先から尋常ではない熱が伝わる。こんな状態でこの少年はオレと話をしていたのか? 気づけなかった己の不甲斐なさを呪いながらもオビトに声をかける。オレの声かけにオビトは辛うじて反応しているが、その反応も目を動かすだけの小さいものだった。
対処法も分からないまま声をかけ続ける。オビトの体調は悪くなる一方で遂には今まで早く小さいながらもしていた呼吸すらおかしくなってきた。救急車を呼ぼうにもオレは携帯も持っていないし、目につく範囲に固定電話は見つからない。とにかく呼吸が楽になる姿勢にするために動かしてやると、完全に意識をなくしたようでぐったりとしていた。
こうなってしまっては仕方がない。オビトのそばを離れるのは心配ではあるが隣の家に行って救急車を呼んでもらう決意をする。
そうして立ち上がったところで玄関から扉を開ける音がした。
「帰ったぞ」
誰かわからないが声から男が帰って来たことが分かった。少しの安堵を感じオレは居間から飛び出し、声の主に助けを求めた。
「助けてくださいっ! オビトがいきなり倒れてっ、すごい熱で、意識もなくてっ」
オビトの症状を伝えようにも、頭が真っ白になってうまく言葉が紡がれない。だが助けを求めた相手はオレの拙い言葉で状況を察したようで、居間に駆け込んだ。そして意識のないオビトを横抱き男のものであろう黒塗りの車の後部座席にオビトを乗せた。
「貴様も来い。道中で何があったのか教えろ」
わずかな殺気を含んだ有無を言わさない男の迫力にオレは首を縦に振るしかなかった。そして男の車に乗って共に病院に向かった。