それはそれで愛おしい日々 朱雀召喚が失敗に終わり、別の形で召喚を行うという話になったとき一同はすぐにその準備に追われる事になった。
理由はいたって簡単。同じ目的を持つ倶東国に先を越されない為。そして今までとは違い、国を跨ぐ壮大な旅になるからだ。紅南国内に留まっていればまだ治安も含めて安全であっただろうが、一歩国境を越えれば紅南国皇帝である星宿の力は及ばない。そして皇帝自らが他国に赴くこともできないため七星士の戦力も下がる。それは大きな痛手だった。そのため、旅の安全性を少しでも確保しようと、星宿は万全な準備をさせるよう家臣たちに命じてくれた。
星宿だけではない。他の七星士達も準備を進めていた。身支度を優先する者そうでない者。各々の好きな順番で進める中、翼宿は前者であった。
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