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    キタハル

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    キタハル

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    現パロ半伝。猛暑日の夜に、クーラーつけて一緒に寝るだけ

    ##半伝
    #半伝

    クーラーのある熱帯夜「冬にこたつでアイス食べるやつあるじゃないですか」
    「あるなぁ」
    「夏にクーラーつけてわざわざくっついて寝るのも、似たような贅沢だと思うんですよ」
    「まあ、そう言われるとそんな気もするな」
    暦の上では秋、とは信じがたい猛暑日の夜。文明の利器、クーラーがなければ命すら危うかっただろう。命に電気代は変えられぬと空調を点け、肌触りのいいガーゼの布団に潜り、そして隣には伝蔵さん。私たちは二人して体温が高い方の人間なので、冬に一緒に寝るのは温かくていいのだが、空調を点けるか否か悩むような気温の日には暑いのだ。しかし、きっぱりと暑くなってしまえば逆にやりようがある。寝苦しい夜で寝不足になるより、部屋を冷やした方が賢いというものだ。
    布団の中で、もぞもぞと伝蔵さんの手を探る。腕から辿れば、容易に捕まえることができた。ツボ押しでもするかのように手のひらを指で押し、指を絡めて遊んでから手を繋ぐ。それだけでも私は嬉しく、得意な気持ちになる。伝蔵さんが苦笑する。明日も早いんですから、遊んでないでもう寝なさい。少しだけ眠りの世界に足を踏み入れたような声色が不思議に優しくて、もっと聞きたいような、邪魔はしたくないような気持ちになる。手を、解かれないことで満足して私も眠ろうか。
    「伝蔵さん」
    「なぁに」
    「おやすみなさい」
    「ん、おやすみ、はんすけ」
    名前を呼ばれて、嬉しい気持ちで目を閉じる。好きな人と手を繋いで眠る。こんな暑い日に、わざわざくっついて。繋いだ手は温かい。伝蔵さんは寝つきがいいので、数分もしないうちに、すうすうと健やかな寝息が聞こえてくる。それを聞いていると、不思議にじわじわと嬉しくなる。目を閉じて、その寝息に呼吸を合わせているうちに、私もゆっくり眠りに落ちていった。
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    キタハル

    DOODLE現パロ同棲半伝 自宅で映画鑑賞会
    週末、自宅映画会リビングのソファの上に二人で座り、ぴたりとくっつく。このソファは二人で住み始める時に二人で念入りに選んだ家具のうちの一つだ。清掃のしやすい合皮製で、はみ出しながらも昼寝ができて、男二人で仲良くくっついて座るのにも心地のいい優秀なソファ。物には寿命があるとはいえ、長いこと使えるはずの作りのいいソファだ。見た目もいい。結構いいお値段はしたのだが、手に入れられて大満足の良い子である。ティーパックで淹れたお茶のマグカップを用意し、泣いてしまった時用のティッシュ箱を机の上に置き、二人してクッションを膝の上に抱え込んでから、照明を薄明かりに落とす。
    週に一度の自宅映画会は、元は伝蔵さんの発案だ。仕事関係のことと伝蔵さん以外への興味が薄い私を心配して、映画をきっかけに色んなものに興味をもたせようと考えてくれたらしい。今のところ映画視聴をきっかけに継続的な趣味に繋がったことはないのだが、関係する本を読んだり、出かける先に選んだりするきっかけにはなっていて、それなりの効果を上げている。しかし私の興味の最たるものはやはり伝蔵さんで、くっついた部分から伝わる体温や、映画を見て笑ったり泣いたりする横顔や声、軽い感想を言い合う時間などが好きだ。少々下心のような動機だが、伝蔵さんも映画作品を見る時間が取れるので楽しみにしていると言ってくれている。
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