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    貴方はアキヘクで『貴方の心臓が欲しい』をお題にして140文字SSを書いてください。
    #shindanmaker
    https://t.co/tnDdKL7Czf

    貴方の心臓が欲しいヘクトールの指が、とんとんと俺の胸を叩く。急に部屋に来たかと思えば、仰向けで寝る俺の上に上がり込み、先程からとんとん、とんとんとその動きを繰り返している。
    「……どうしたなんかあったのか」
    「べつに」
    嘘だろう。今日は特異点への出撃だったはずだ。帰還は何日後になるのかわからない、と告げていた口は今では拗ねるようにすぼめられていた。
    手にしていたプロレス雑誌を放り、ヘクトールの背に手を回す。存在を確かめるようにぎゅうぎゅうと抱き締めれば、小さくぐえ、と声がした。
    「……慰めがほしいのか」
    「……べつに」
    「じゃあ何がほしい」
    「……じゃあ、君の心臓がほしい」
    「……くれてやろうか」
    その答えにヘクトールが顔をあげ、俺の顔を見た。
    「アンタに、俺の心臓、くれてやろうか」
    驚きで見開かれた目が俺を見る。戸惑いと絶望の顔だ。俺がそんなことを、言うとは思っていなかったのだろう。
    俺の胸を叩いてた指先を握り、押し付けるように固定する。
    「欲しいんだろ」
    ぎりぎりと自分の肌を貫くように力を入れれば、痛みに耐えかねてヘクトールが手を振りほどく。
    「……何考えてるの」
    本気じゃない、と言いたげな困惑の
    視線をヘクトールは浮かべている。
    「お前のこと」
    振りほどかれた手をつかみ、指先に口付けをする。

    ――いつだって、俺はお前のことで頭が一杯だ。
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