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    sakura_453vf

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    sakura_453vf

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    1ED後(前の話の⚡視点)🐻に介抱されながら考えること。

    #ビクフリ
    bicufri

     お前を見ていると腹が立った。
     腕力に物を言わせた、我流で粗削りな太刀筋。何でも笑って誤魔化す、大雑把でいい加減な態度。信用に値しない。彼女を護るため、俺はこんな奴を簡単に信じるわけにはいかない。だから腹が立つんだと、そう思っていた。
     けれどあの日、あの吸血鬼に相対した時。仇を前にしたお前の怒りや悲しみを目の当たりにした。
     あんなに感情的になるお前を初めて見た。お前はいつも、切迫した状況下で俺よりずっと器用に立ち回って見せるのに。悩みや迷いを笑い飛ばして、一番危険な場所へ飛び出して行くのに。本当はずっとこんなものを独りで抱えていたのかと、愕然とした。
     それで分かった。俺が腹を立てていたのはお前にではなく、お前に敵わない自分に、だった。本当は俺はずっと、お前を信じたかったんだ。だから崩れ行く城の中で背を預け合って戦うことになって、腹に矢が刺さってるってのに、俺は楽しくて仕方なかった。おかげでこのザマだが。
    「生きてくれよ…」
     傷口から何かに感染したんだろう、熱で朦朧とする頭に、いつになく心細そうな声が届く。聞こえているのに、目は開かないし口も動かない。お前、今どんな顔をしてるんだ。どうして俺にそんな声を聞かせるんだ。
     彼女を守れなかったことに責任を感じているのには気付いていた。俺だってあの時、激情に駆られてあいつを責めた。密告された時点でどうしようもなかったと分かっているのに。お前は俺にできないことができるんじゃないのか、なんて、ただの子供の癇癪だ。
    「理由なんてなんでもいいからよ」
     なあ、あれだけのものを誰にも見せず、笑っていたお前は。今俺に縋るように言葉をかけるお前は、一体なんなんだ。
     それを知りたいからっていう理由でも、取り敢えずはいいのか。
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