どこにもいかないで行為の後、イーグルはいつも気を失うように眠ってしまうのが常だった。ジェオはその間にシャワーを浴び、イーグルの身体を清めて着替えさせ、その腕に抱いて共に眠る。
・・・のだが、今日は違った。
情事の熱冷めやらぬ中、イーグルはくたりと力の抜けた身体をシーツに沈めて息を整えながら、シャワーに立とうとしたジェオの手を掴んで止める。
「ん?どうした?」
半分閉じかけている瞼から覗く、眠気に蕩けた蜂蜜色の瞳が"行くな"と訴えていた。
珍しいな、と思いながら、ジェオはとりあえずベッドの縁に腰を下ろすと、自分の腕を掴んでいるイーグルの手をやんわり外し、代わりにその色素の薄い髪を撫でてやる。彼は気持ち良さそうに目を閉じた。
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