熱を孕んだ車の中で暗闇に淀む水滴が、幾十にも連なって線を紡ぎあげている。夕霧に霞むハイウェイの標識が、窓の外で光っては点滅するのを、俺はただ、黙って見ていた。
数刻前にマックスが適当に駐車したこの場所は、知る人ぞ知る銀河彼方の奥底であり、俗に言う、秘境という場であった。
「く……ぅっ…、」
快楽の色に濁った電気信号が脳内に電波され、浮き立った腰がぶるりと震える。陰茎をなだめる動きがあるたびに、それに伴って車内がガクンと揺れた。
「もっと……やさしく、しろっ」
「ふふ。どうしよっかなぁ」
「あ…っ、く…ぁっ…」
熱を孕んだ指先で、ナカを優しくえぐるように遊ばれる。かと言って、もう片方の動きが止まる訳もなく、膨れ上がった俺のそこは揺さぶられ、今にもその白濁を外へ外へと吐き出そうとしていた。
その淫らかさといったら、もう逃げてしまいたくなるほどだったが、そう願うたび、俺は快楽にくねる腰をぐっと引き寄せられ、乱暴にものを扱われる目にあった。
「く…、そ……っ」
「ねぇ、見られてるのかもよ。俺たちのこと」
「な……っ、ぁ」
囁きは甘くも残酷で、脳裏に最悪の光景を刻み込む。若しこの声が、くちゅくちゅと音を立てては止まない蜜が、あられもない俺の姿が見られていたとしたならば……横目に映る瞳には、恐怖などひと欠片もなく、むしろ俺の怯えを楽しむ色だけが宿り込んでいる。
悔しさに拳を握り抵抗するも、この状況で適う事が出来やしないなんて現実は、既に分かりきった事だった。
「ほら。もう、楽にしてあげるから」
「やめ……っ、ぁっ…ぁあっ……」
絹糸をねぶるような愛撫に、口腔内で息が震え上がる。あぐあぐと物を噛もうとするように震えるその哀れな姿に、此奴は満足そうに笑った。
「ぁっ、う……っ…あぁっ……!」
とくん、とくんと俺の陰茎が脈を打つ。快楽にたっぷりの蜜を流したまま俺は、生暖かかなその吐息の中で、情けない熱を手の中に果たすのだった。