Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    観凪のえる

    @noel_p_A

    なんかいろいろ投げ込むところ

    絵文字リアクションうれちいね😭😭😭

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 9

    観凪のえる

    ☆quiet follow

    誤字から爆誕したツナ監
    いや、ツナ←監←ツナ(???

    グリ「もうオレ様イヤなんだゾ…」
    デュ「どうしたんだ?」
    グリ「子分のやつ、『やだ無理そんなことできないよぉ』って泣くんだゾ」
    エー「うっわ重傷じゃん」
    グリ「ふなぁ、ツナ缶食べたい…」

    友情出演:❤♠😺🐙🐬🦈
    モブ生徒(?)あり
    名無し監

    #twstプラス
    twstPlus

    「かっ監督生!」

    緊張しているような上擦った声で後ろから呼び止められ、監督生はまた厄介事に巻き込まれるのかと溜め息を吐き出した。しかしその声には聞き覚えがある。1-Aでクラスメイトのオクタヴィネル寮生、ツナくんだ。彼のフルネームはめちゃくちゃ長いので、正直なところ監督生は覚えてはいない。誰が呼び始めたのか、まぁおおよそ見当はつくが、ツナくんというあだ名が定着している。
    そんなこんなで呼び慣れた名を口にしつつ振り向いた監督生は、NRC本校舎西廊下において、蛍光ピンクのねっとりとした液体を頭からぶっかけられた。

    「……は?ツナくん……?」
    「やった、やりましたよフロイド先輩!」

    ツナくんが突き上げた握り拳を見上げながら、監督生は意識を手放した。

    ***

    白い天井、ほのかな薬品の香り、柔らかく少し冷たい清潔なシーツ。監督生が目覚めたそこは、保健室だった。

    「え……っつ、頭いた、」

    むくりと白尽くしのベッドから上半身を起こした監督生は、ズキンと刺すような痛みを感じて額を押さえた。それでも状況を確認しようと、押さえた手の隙間から周囲を見渡す。
    ベッドサイドにはエースとデュース、枕元に寄りかかるようにグリム。それから反対側にはオクタヴィネルのツートップが揃って胡散臭い顔をしていた。片方は心配している風の、もう片方はいつものようににこにこと微笑んでいる。

    「うわ……」
    「ふふ、お元気そうで何よりです」
    「この度はうちの寮生が申し訳ありません」

    思わず本音が漏れて嫌な顔を隠せなかった監督生に、作られた顔そのままの感情を伴わない言葉がかけられる。``頭が痛いんです元気ではありませんと反論するよりも先に、ずいと身を乗り出したアズールによって発せられた謝罪の言葉で、監督生は倒れる前の出来事をぼんやりと思い出した。
    よく見ればエーデュースの後ろにはお馴染みの大釜が鎮座しており、両手両足を拘束され、タオルを噛まされたツナくんが入れられている。彼はとてもキラキラとした瞳で監督生を見ていた。

    「子分~~」
    「あっ、お前こっち見るなって」
    「反省が足りねぇようだなぁあ?」

    グリムが飛びつく勢いで監督生の腹に頭突きをお見舞いし、続いてエースも監督生の目を手で隠した。ワルスイッチが入っているデュースはツナくんin大釜に向かって握り拳をボキボキと鳴らしているが、監督生には見えていない。
    監督生は己が保健室で寝かされていた原因がツナくんにあるのは理解したが、あの蛍光ピンクの液体がなんだったのかはわからない。少し頭が痛いことと、グリムのタックルが決まった腹にダメージが少しあることを覗けば、今のところ違和感を感じていなかった。
    知りたいけれど、知りたくないなぁと思いつつ、監督生はオクタヴィネルサイドに顔を向けた。

    「あれぇ、小エビちゃんなんともないの?」

    手前の胡散臭さに注意が行って監督生は気付いていなかったが、アズールとジェイドの後ろにはフロイドも立っていた。その顔はさっきまでどんな楽しいことになるのかと期待に満ちていたが、いつも通りのほほんとしている小エビこと監督生を見て、「つまんねーの」と興味を無くした様子で欠伸を噛み殺した。

    「おやおや。フロイド、失敗してしまったようですね」
    「えー、マジでぇ?」
    「お前たち、少しは反省してみせろ」
    「えっと、一応説明してもらえます?」

    当事者である監督生だけが事を流れを把握できていなかった。もちろんそれは大変に居心地が良くはない。監督生は、さて自分はどんな面倒に巻き込まれたのかと妙な慣れを伴った溜め息を吐き出しつつ説明を求めた。加害者サイドと思われるオクタヴィネル側を見て問えば、意外にも説明役として口を開いたのはフロイドだった。

    「んっとねぇ、小エビちゃんは魔法薬ぶっかけられたの覚えてる?」
    「あぁ、あの蛍光ピンクの」
    「そー。それね、オレお手製の惚れ薬ぃ」
    「ほれ……は?」
    「だぁってさぁ、毎日毎日うじうじうるせーんだもん。だからこれぶっかけたら小エビちゃんはイチコロだよって作ってあげたの。オレちょー優しいじゃん、ねぇツナちゃぁん?」

    とくん。
    監督生の心臓がぴょこんと跳ねた。とくとく、とっとっとと次第に早さを増していくそれを、監督生は無意識にぎゅっと制服の上から握りしめる。なんだか苦しくて、体中が熱かった。握るだけでは耐えられず、両膝を曲げて全身を抱え込んだ。

    「あ、なに、これぇ……」
    「え、監督生マジ?」
    「子分の顔が真っ赤なんだゾ~」
    「監督生、大丈夫か?」
    「アハ!やっぱ失敗じゃねぇじゃーん。良かったねぇツナちゃん」

    ぽぽぽんと監督生の顔は耳まで真っ赤になり、その目はうるうると潤んでいる。とたんにフロイドの声音が楽しげに踊り、アズールが窘めるが聞いてはいない。そのままフロイドはベッドを反対側に回り込み、大釜に入れられたツナくんを文字通り摘まみ出した。ちなみにジェイドはひたすらニコニコとそれらを眺めていて、止める気は一切ない。
    申し訳程度にエーデュースとグリムがそれを止めようと動いたが敵うはずもなく、フロイドの手によってマブ2人の間にツナくんが割り込んだ。
    監督生はうるうるとした瞳に赤ら顔で、ツナくんはキラキラと期待に満ちた目でお互いに見つめ合う。

    「んん、んんんー!」

    タオルを噛まされてるツナくんは、もごもごと言葉にならない声で監督生への想いを告げる。それに対して監督生は頬を赤く染めてなんと応えるのだろうと周囲はエーデュースも含め少しだけ期待していたが、現実は冷たかった。

    「え、ごめん、なんて?」

    監督生の赤く染まっていた頬はすっかりとなりを潜め、潤んでいた瞳はいっそ冷ややかなほど。おや?と、その場に揃った全員が首を傾げた。

    「あれぇ、小エビちゃんさっきのトロトロに恋しちゃった顔はどーしたの?」
    「そーじゃん、ほら、愛しのツナくんですよー」
    「あっ、」

    フロイドに続き、エースもツナくんの背を押して監督生に近付けだした。手も足も口も自由を奪われたままのツナくんはされるがまま、ぽぽんと頬を赤く染めた監督生を嬉しそうに見つめる。しかし、それに応える監督生の瞳は、打ち上げられたボールが落ちていくように急激に冷めていく。

    「おいコラ、エース!」
    「だっておかしいじゃん。監督生、こいつのこと好きになったんじゃねぇの?」
    「え?別に?」

    エースによって「こいつ」と示されたツナくんを認め、監督生は何を言ってるんだと言わんばかりに否定した。ハッキリと正面から告げられた事実に、ツナくんは青ざめる。なぜならば、監督生は明らかに惚れ薬の効果が出ているのだ。それなのにツナくんに恋をしていない。『違う誰か』に対して効果が出ているのは明確だった。
    好きな子が自分を見ていないどころか、違う誰かを好きになった。しかもそれが、自分の手によってもたらされたとなれば、ツナくんの絶望は尚更だろう。

    「う、んううう……」
    「あー、なんていうか残念だったな……?」
    「彼は自業自得です。しかし、そうなると監督生さんはどなたに恋をしてしまったのでしょう?」

    悲しげにうめくツナくんの背に、デュースは手を添えた。彼が監督生に気があるのは1Aの人間であれば誰もが知っているほどだったのだ。きっと今回はフロイドに唆されたのだろうと思うと、デュースは同情した。いや、方法は間違っていたのだが、その気持ちを知っていただけに責めきれなかった。
    その場の誰もが黙り込む中、口元に手を当ててふむふむと考え込んでいたジェイドが、「よろしいでしょうか」と手を挙げた。

    「監督生さん」
    「はい?」
    「よくお聞きください。…………ツナ」
    「はぅ、」
    「ツナ」
    「あっ」

    ジェイドがぽそりと呟くその言葉に、監督生の頬は赤く染まり、その瞳は先ほどと同様にうるうると潤み出す。もう一度繰り返されると、今度は苦しげに眉を寄せて胸元をぎゅっと掴む。
    それは紛れもなく、切ない恋に身を焦がす姿だった。

    「お前マジかよ!まさかのツナに惚れたの?こいつじゃなくて?」
    「うっ」
    「ふなっ?!子分もツナが好きなのか?」
    「……うん」

    耳どころか首まで真っ赤に染めた監督生は、唇をきゅっと結んで小さく頷いた。
    その後、面白がったエースとフロイドによって散々にツナ責めされ、ぷるぷると震えながら「もうやめて……」と胸を抑える監督生の姿に、面々はそれぞれに「ちょっと可愛いな」と思ったのだった。
    なお、ツナくんはショックのあまり気を失っている。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💯💕💘💞
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    観凪のえる

    TIRED誤字から爆誕したツナ監
    いや、ツナ←監←ツナ(???

    グリ「もうオレ様イヤなんだゾ…」
    デュ「どうしたんだ?」
    グリ「子分のやつ、『やだ無理そんなことできないよぉ』って泣くんだゾ」
    エー「うっわ重傷じゃん」
    グリ「ふなぁ、ツナ缶食べたい…」

    友情出演:❤♠😺🐙🐬🦈
    モブ生徒(?)あり
    名無し監
    「かっ監督生!」

    緊張しているような上擦った声で後ろから呼び止められ、監督生はまた厄介事に巻き込まれるのかと溜め息を吐き出した。しかしその声には聞き覚えがある。1-Aでクラスメイトのオクタヴィネル寮生、ツナくんだ。彼のフルネームはめちゃくちゃ長いので、正直なところ監督生は覚えてはいない。誰が呼び始めたのか、まぁおおよそ見当はつくが、ツナくんというあだ名が定着している。
    そんなこんなで呼び慣れた名を口にしつつ振り向いた監督生は、NRC本校舎西廊下において、蛍光ピンクのねっとりとした液体を頭からぶっかけられた。

    「……は?ツナくん……?」
    「やった、やりましたよフロイド先輩!」

    ツナくんが突き上げた握り拳を見上げながら、監督生は意識を手放した。

    ***

    白い天井、ほのかな薬品の香り、柔らかく少し冷たい清潔なシーツ。監督生が目覚めたそこは、保健室だった。

    「え……っつ、頭いた、」

    むくりと白尽くしのベッドから上半身を起こした監督生は、ズキンと刺すような痛みを感じて額を押さえた。それでも状況を確認しようと、押さえた手の隙間から周囲を見渡す。
    ベッドサイドにはエースとデュース、枕元 3520

    related works

    recommended works