※両想いツラアズだよ!
「なぁ、アズサ」
「なに?ツラヌキ」
「オレたちさ……終わりにしねぇ?」
「……そうね、そのほうがいいかも」
何となくツラヌキがそう言い出すのは解っていた。『そのほうがいい』のも判っていた。けれど、本当に告げられると、その音が水の膜を通したように遠くに聴こえた。
ふたりの時間が、一分一秒がいとおしっかた。お互いちゃんと好きだった。だから恋人になった。でも世間一般の『恋人』というラベルが私もアイツも息苦しかったの。これからもふたり一緒に居るのは変わらない。だからふたりが『恋人』でいることを終わりにすることになった。
なったんだけど、
苦しいのは、ナンデ?
(ふたりは想いは確かに恋人なのに
世間にそのカタチを否定され
普段は周りから自分への
『こう在るべき』なんて気にしないのに
相手がそういう世間の目に曝される
それが不安で恋人と呼ばれる関係に
終わりを告げざるをえなかった
そんな弱気になっちゃう世界線も
偶には見てみたくなるのですよ?)