プレゼント 重たい腕の下で目を覚ました五条悟が瞼を擦ると、ほんの少し眦へ違和感を感じた。それは数時間前に浮かべた涙の名残だろう。
苦痛とは全く無縁の涙は五条が制御できないものの一つだ。昨夜はアレソレが激しくて実のところいつ眠りに落ちたのか分からないが、目覚めた五条の身体はさっぱりとしていた。まめな恋人、七海がちゃんと清めてくれたらしい。
身体は怠いが気分は悪くない。ほんの少しだけ起きかけた身体を頼り甲斐のあるベッドと身体に戻した五条が欠伸をすると、腕の重みが減った。代わりにゴツイのにとても器用な指が五条の肌を撫でる。
「ななみー、あのさー」
「はい。おはようございます」
「もう午後だぜ? まあいいや、おはよう。んでさあ」
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