Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    greentea

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 37

    greentea

    ☆quiet follow

    残される側の気持ちを味合わせたくないから、あえて離れるルースターのお話を忘れないうちに触りだけ書いた

    #マヴェルス
    maversus

    雄鶏は独り空で鳴く「俺はこのまま基地に戻って今までと同じように過ごすから、マーヴもそうするといいよ。前みたいに俺がいなくても生きていけたんだし、願書の件はまだ許せないけどでも、でも俺はマーヴを憎むのを止めるよ。だから」
     マーヴは俺に構わずに家に帰りなよ。そう言うブラッドリーは確かに笑っていて、頬はグースが手にしていたバラの様に赤く色づいて、眉は優し気に下がって僕の知る最後のブラッドリーの笑顔そのままだったのに、その瞳は力強く僕を抱き締めてくれたあの輝きは無かった。
     そこにあったのはただ凪いだ海の様に、誰もを拒む空の様な色をした瞳。空ではブラッドリーの存在を感じたし、彼の心が燃えているのが分かった。あの時僕たちはともに飛ぶ僚機でパートナー。その絆を感じたのに、今の彼からはそれらがすべて消え失せて、僕の知らないブラッドリーがいた。
    「ブラッドリー、僕は」
    「だめだよ、マーヴ」
     ブラッドリーは確かに。はっきりと僕を拒絶した。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭👏🍼💙😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    greentea

    MENU2022年9月のイベントで頒布のマヴェルス本(全年齢)の冒頭部分です。最後はハッピーエンドで終わります。
    マヴェルス「声をきかせて 僕を愛して」 別離の時はいつだって突然訪れる。俺にとってのそれは父さんが最初だった。小さかった俺は、突然無くした力強く抱き上げてくれていた腕の不在を、成長と共に思い知されていった。そして次は母さん。マーヴや父さんの友人たちが助けてくれていたけれど、それでも大変な思いをして俺を育ててくれた母さんが父さんのいる場所に旅立った。
    俺が働けるようなったら楽な生活をさせてあげられると思っていたし、いなくなるなんて思ってもいなかった。だって、父さんが突然死んで家族が一人減った俺の未来で母さんまでいなくなるなんて、そんな悲しい事があるなんて考えたくも無かった。でも、実際にそれは起こる。
    体調を崩しがちになった母さんを説得して病院に連れて行った。ただ風邪が長引いてるだけだと笑う母さんが心配だったから。頭の隅っこで長く患うような病気に罹って、しかも治る見込みがないと、そんなどこかのドラマのような事が起こったらどうしよう。でもそんなことが自分の身に実際に降りかかるわけがないと、漠然とそうも考えていた。でも、その時は訪れて、母さんもいなくなった。
    3092

    recommended works