Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    MandM_raka

    @MandM_raka

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    MandM_raka

    ☆quiet follow

    お題で頂いた蜘蛛はカフェインで酔うらしいスパデプ

    蜘蛛にカフェインを与えると酔っぱらうらしい。
     詳細はネットの情報しかないがこれはどうやら有名な話らしくて、あくまで生物的な意味の蜘蛛にカフェインを与えるとドラッグよりも酔っぱらうって話を見て興味が湧いた。
     そういえば愛しのヒーローはコーヒーの類を飲んでいるのは余り見た事が無いかもしれない。
     ネットで見た情報では蜘蛛が巣を作る前にドラッグを与えたよりも、カフェインを与えた方がぐしゃぐしゃな巣を作っている。人間にとってはカフェインは脅威ともいえる程の成分ではないが、自然界を生きる昆虫には害になるんだろう。
     確かにカフェインを取るなんて彼らが普通に生きていれば早々無いだろう。
     さて、此処までで今回の俺ちゃんが何をしようか分かったと思う。
     スパイディは人間だけど、その効果は表れるのかって興味が湧いた。酒を飲んでいるのもあまり見ない彼が酔っぱらっているのは見てみたい。
     いつも崇高な精神を語ってくるあの口がどう変わるのか、興味を持たない方がおかしいと思う。
    「でも普通の量じゃ効果出ないよな」
     コーヒーを飲んでいるのは余り見ないが、コーラはよく飲んでいる。コーラにも当然カフェインは入っているし、それを飲んだ所で普段と様子が変わる事は無いのだからあれくらいのカフェイン量では意味が無いのだろう。
     勿論、カフェインで酔わない可能性だってあるのだけど。
     でも人間だってカフェインを摂取しすぎれば影響は出るのだから、蜘蛛の力を強く持っている彼が全く影響を受けないというのもロマンが無い。
     何のロマンだと言われるかもしれないが、勿論俺ちゃんの興味へのロマンだ。
     だってみんなだって見たいだろ?ベロベロに酔っぱらってるスパイディ。
     少なくとも俺は見てみたい。
     そうと決まればいつもの差し入れのドリンクにちょっと細工だ。ほんのちょっとだけカフェインを強くしたコーラを一緒に渡せば、最近俺からの差し入れに警戒心が薄くなったスパイディは飲んでくれるかもしれない。
     でもパトロール中だったらきっと酔いが醒めた時にめちゃめちゃ怒ってくるし多分殴ってくるから、今日は俺ちゃんの家に招待しちゃおうかな。
     パソコンに表示されている酔っぱらった子蜘蛛ちゃんがふらふらと巣を作っている動画の再生を止めて、あの赤いスーツを探しに行くために外へと出た。

    「ハイ、スパイディ」
     今日の俺ちゃんはめちゃめちゃに運がいい。それに比例するように相変わらずスパイディは運が悪い。
     だって今日会えなかったら、多分明日の俺ちゃんはこんな事をしなかったと思うから。
     まさかこんな下らない事を数日にかけて実行するなんて自分でも思えないから、今日会わなかったら俺ちゃんのこんな悪戯に引っ掛かる事は無かったのに。
     スパイダーセンスどうなってんだ?ってたまに思うけど、今だけは働いてほしくない。それに命に関わる事ではないんだから、これ位大目に見てくれ。
    「何してるの」
     街に出てすぐに騒ぎがあったから、その近くに居ればスパイディが通ると思っていた。だから待ち伏せしていたんだけど、昼時だからなのか珍しく足を止めてくれた。
     昼時や夕方には何かを持っている事が多いからなんだろうか。でも残念、今日の俺ちゃんはまだ何も持っていない。
    「夕飯一緒に食おうと思って、アンタを探してた」
     これは嘘じゃない。素直に誘う俺にスパイディは少し警戒したようにグラスアイを釣り上げたけど、無視無視。
    「何か企んでる?」
    「いいや、何も。今日も街を駆け回って人助けしてるヒーローにちょっと良いディナーを奢ろうとしてるだけ」
    「怪しい」
     確かに。我ながらめっちゃくちゃ怪しいと思う。
     今までわざわざ家に招待なんてした事は無い。俺の家でスパイディが飯食うのは勝手に押しかけてきた時だけだ。
     その度に他の所で食えばって小言を言っていたんだから、この反応は正しいと思う。
     でも今の俺はどうしてもやりたい事があるから、此処で引き下がるわけにはいかなかった。
    「アンタの好きなピザ用意しとくって。コーラもつけちゃう」
     デリの物なら大丈夫だろ?と遠回しに主張すると、ウェブズは余り納得はしていない様子ではあったが渋々と了承した。
    「何時に?」
    「アンタが約束守れんの?」
    「無理かも」
     行けたら行く、と続いたスパイディの言葉は既に結構遠くだ。また何かあったんだろう。
     今日来るかどうかは半分半分といった所だと思うが、こうして口約束を取り付ける事が出来たからそれだけでも上々。
     来たらラッキーだな位に思う事にして、今晩の楽しそうな事に胸を躍らせた。

     テレビをつけたままにしていたが、昼間は忙しそうだったスパイディは夜には然程忙しくなさそうだ。事件のニュースは目立つものはない。
     まあ、ニュースにならないような小さい事件に駆け回っている可能性もあるけど。
     ピザを俺の好みで頼むとスパイディはいつも不満そうにする。パイナップル避けるなよって何度言っても毎回避けて食うから、今日はパイナップルもオリーブも無しだ。
     これでもかとペパロニが乗せられているピザが好きなあの男の為に、今日はそれを注文した。これも悪くはないが、大好物かと言われるとそうでもない。
     正直昔食いすぎて飽きた。
     いつもスパイディが勝手に入ってくる窓のカギは開けたままになっているから、時間が出来たらいつもみたいに勝手に入ってくるだろう。
     本人が来る前にコーラにカフェインパウダーをたっぷりと入れて、準備は完了。
     温くならないように冷蔵庫に大事にしまって、あとは本人が来てくれれば何も言う事は無い。いや、嘘。飲んでくれないと意味が無い。
     さっき届いたばかりのピザが冷める前に来てくれればいいが、あの男がそんなタイミング良く来るわけもない。温めてから食えばいいか。
     来るまでの間ソワソワした気持ちを誤魔化すように、プレステの電源を入れた瞬間に窓が開かれた。
    「ピザ冷めた?」
    「ワオ、ナイスタイミング」
     今日の俺ちゃんは本当に運がいい。そして昼間からスパイディの運は最悪だ。
     良い事は温かいピザが食える事くらい。
    「朝から食べてない」
     空腹からなのか少し苛立ったように言いながら遠慮も無く部屋に入ってくるスパイディににやけそうになる顔をどうにか引き締める。ここで変な顔をしたらバレてしまうかもしれない。
     今日はそんなに忙しかったんだろうか。それともいつもの如く金が無くて何も食べていないんだろうか。多分両方だと思う。
     さっきまで俺が座っていたソファに座って、疲労感から背もたれに寄りかかっているスパイディも格好良い。ただ飯を食いに来ただけなのに格好良いなんて狡くないか?
    「忙しそうだな、ヒーロー」
    「大きな事件は無いからまだマシ」
     どうやら今日は小さい事件がたくさんあったらしい。スパイディにならすぐに解決出来るそれも、件数が増えれば疲労感は増すのだろう。
     冷蔵庫からさっき用意したコーラを出して、それを差し出すとスパイディは疑う様子もなく受け取った。
     ピザの箱を開ければスパイディはコーラをテーブルに置いてからピザへと手を伸ばした。ああ、俺ちゃんの馬鹿。コーラ飲むまで開けるの待てばよかった。
     でもたぶん、俺が開けなくても勝手に開けて食ってたと思う。
     塩分たっぷりのピザを食ったらノドは渇くだろうから、先に飲まなくてもいいけど。でも早く見たい。
    「今日の君、大人しくない?」
    「俺ちゃんだって常に喋ってる訳じゃないですー」
     普段は口から先に生まれたとか言われる位に喋るけど、今日はボロが出ないように口数が少なかったのかもしれない。
     いつも少しは静かにしろとか言ってくるくせに、なんで今日に限って気にするんだ。
     いいから早くピザ食ってそのコーラを飲んでくれ。どうせ酔う事は無いんだろうけど、それはそれで良い。
     万が一酔っぱらってくれたら儲けものくらいの感じだ。
    「ミネラルウォーター無いの?」
    「え」
     予想外の言葉に思わず声が出た。
     なんだって水。普段水なんて飲まないだろ。いや、スパイディの普段なんて知らないけど。
    「何だよ、えって。喉渇いたんだけど、コーラは余計に喉が渇きそう」
    「あるけど、ピザにはコーラだろ」
     あ、今の俺ちゃん馬鹿みたいだ。そんな必死にコーラ飲ませようとする奴なんて居る?ここに居るけど。
     でも普段コーラに対して文句なんて言わないだろ。本当空気読めないな!
    「あるならミネラルウォーター頂戴」
     終わった。
     これはきっとスパイディが何か察したに違いない。防衛本能ってやつ?
     それとも俺ちゃんが何かしくじって警戒させた?いや、でも警戒させたにしては普通にピザは食ってる。
     なんでピンポイントでカフェインを仕込んだコーラには口をつけないんだよ。
     此処で余りごねたら余計にコーラを飲んでくれない気がして、渋々と冷蔵庫からミネラルウォーターを取ってくる。
     後々飲んでくれるかもしれない儚い期待をして、片手がピザで塞がっているスパイディの為にペットボトルのキャップを開けてから渡してあげる俺ちゃんったら超優しい。
     コーラにはすぐに口をつけなかった癖に、ミネラルウォーターにはすぐに口をつけている。余程喉が渇いていたらしくて、一気に半分位飲んでいたのを横目で見る。
     悪戯が成功するかどうかソワソワしながら待っている子供の気持ちってこんなもんなんだろう。実に落ち着かない。
     余りスパイディの事ばかり見ていても怪しまれるかもしれないから、さっきつけたばかりのプレステの電源を切ってテレビに切り替えてから隣に座る。
     特に面白い物はやっていないけど、うまく話しのネタになれば良いと思ってつけたのに本当に何も面白い事はなかった。
     ピザを食べながらあのコーラを早く飲んでくれって願う俺の気持ちを無視するように、スパイディはミネラルウォーターしか飲まない。
     なんでだよ、ピザにはコーラだろ。
     段々イライラしてきた。俺ちゃんの企みが分かってるならそういえばいいのに、何だって今日は何も言わずにピザだけ食ってるんだ。
    「ここのピザがやっぱり一番好きだな」
    「知ってる」
     前に違うピザ屋のピザを食ってた時に、此処のピザが一番だって言ってきたのは結構前の事だ。それから俺はさっさと鞍替えをして、最近はここのピザしか食ってない。
     いや、そんな事よりコーラ飲んでくれよ。
    「スパイディってドラッグ効くの?」
    「興味が無いから分かんないけど。普通の人よりは影響無いんじゃない?」
     そう答えるスパイディの声は本当に興味が無さそうだ。俺ちゃん程ではないけど怪我の治りも早いし、確かに余り効果は無さそう。
     と言うか本当スパイディってチート過ぎないか?馬鹿力だし。怪我も治るし。スパイダーセンスのお陰で色んな事を察してしまうし。
     やっぱり俺ちゃんの今日の可愛い悪戯はバレてしまってるのかも。
     あーあ、酔っぱらったスパイディ見たかったな。
     もう諦めの気持ちの方が強くなってしまった。多分あのコーラは飲まれる事もなくシンクに流されてしまうんだろう。
     折角頼んだピザもあまり食べる気にならなくて、横目でちらりとスパイディを見てみればコーラに口をつけていた。
    「え、コーラ飲んだの」
    「飲んだけど。これ僕のじゃないの?」
     殆どのピザを食べたスパイディは粗方満足したのかコーラを飲んでいた。
     てっきりスパイダーセンスが働いて飲まないのかと思っていたけど、どうやらそういう訳でもなかったらしい。
     とは言えただカフェインパウダーを入れただけのそれで酔うかどうかも分からないけど。
     て言うか多分酔わないと思う。
     急に冷静になってきた俺がそう言ってきたけど、期待は最後まで捨てない方が良い。
     暫く様子を見ていたけど、スパイディの様子に変わった所はない。
     やっぱりそうだよな、カフェインが効くのはあくまで昆虫の蜘蛛であって、スパイディがカフェインで酔うなら日常生活も大変だろう。
    「あーあ、酔っぱらったスパイディ見たかった」
    「急に何?」
     どうせ酔っぱらった所は見れないのだろうから、素直に白状した方が良い。
     ネットで蜘蛛がカフェインで酔っぱらうのを見たから、スパイディも酔うのか気になった事、コーラにカフェインパウダーを混ぜた事を白状したら、スパイディは案外怒る事もなくコーラを飲み続けていた。
    「僕は人間だから、カフェインで酔う事は無いよ」
    「分かってたって。でもなんかこう、ロマンがあるだろ」
    「君の言うロマンはよく分からないな」
     全く変わらない様子に諦めたようにため息を吐き出して、折角用意したのにって残念になった。
     冷静になってみれば酔う訳はない。でも万が一ってのがあったから期待していたのに。
     もっと強いモン飲ませたらワンチャンあったかもしれないが、流石に前後不覚になる程に酔わせるのは後で絶対に痛い目を見る事が分かっていたから出来ない。
     せめてほろ酔い位になってくれたら面白かったのに。
    「珍しく下心無く誘ってきたと思ったのに、そういう理由だったとはね」
    「悪かったって。でも腹は膨れたからいいだろ」
     小言を聞くのはうんざりだから適当に流すが、あっちはどうにもそれで納得してくれる様子は無さそう。
     酔わなかったんだからいいじゃん、って思うけど、もしかしたらこれから俺が用意する物をまた警戒してしまうかもな。
     ただの悪戯心で折角少しだけ警戒心が溶けてきたのを台無しにしてしまったのは勿体ないけど、好奇心には勝てなかったんだから仕方ない。
    「酔っぱらった僕を見てどうするつもりだったの?」
    「動画撮ってバラまいたりしないって。ただこう、少しセックスに乗り気になったりとか、テンションが高いとか、そういうのが見たかっただけ」
     責めるように詰め寄られれば流石に気まずい。スパイディがこうして俺に迫ってくる時は九割俺が良からぬ事をしていないか、しないかの確認の時だけだ。
     残りの一割は稀にあるあっちからセックスに誘ってくる時だけ。
    「テンションが高くなるかどうかは分からないけど、少しセックスに乗り気になるのは今見れるよ」
     そう言って体重をかけてくるスパイディにソファの上に寝かされて、上に覆いかぶさる男を見上げてちょっとだけ頭が混乱した。
    「…やっぱりアンタ酔ってる?」
    「そうかもね」
     そう返事をするスパイディの声は普段よりも楽しそうだ。
     やっぱり蜘蛛はカフェインで酔うのかも。珍しく乗り気になってくれたスパイディの首に腕を回して、愛しのヒーローに口づけた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😍💕
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    MandM_raka

    REHABILIお題で頂いた分裂したDPのお話【スパデプ】「緊急事態って何?」
     緊急事態が起きたと言われてデッドプールのケイブに来てみれば、珍しく素顔の状態のデッドプール──ウェイドが真っ先に出迎えてくれた。
     室内だというのに厚ぼったいパーカーとスウェットを着ている彼は相変わらずフードを被っていて、今更僕相手に素顔を隠す必要なんてないのに、どうやらこの癖はいつまでも抜けないらしい。
     見た所五体満足だし、緊急事態には思えないなと思っていたけれど。これで下らない用事だったら力加減も出来ずに殴ってしまうかも。
    「流石の俺もあんまり事態を飲みこめてない」
    「はあ?」
    「ハイ、スパイディ~!」
     ウェイドが苦渋を飲むような表情で真剣に言うものだから、状況が分からない僕は首を傾げ──ようとした所で後ろから急に感じた重みに思わず息を飲んだ。
     背後から聞こえた声は聴きなれたデッドプールの物で、けれど僕の目の前にはウェイドが居て。
     混乱する頭で恐る恐る後ろを振り向けば、真っ赤なスーツに憎たらしい程に見慣れたマスクを被った男が僕に抱き着いていた。
    「え…、え?何、これ、誰?」
     余りの混乱に頭が上手く働かなくて語彙力も家出してしまった。この体になってか 4646

    MandM_raka

    REHABILIお題で頂いた糸にぶら下がってキスする二人【スパデプ】「君また腕無くなってるの?」
     騒ぎがあったビルまで来てみれば、屋上でデッドプールが腕を失くしている状態で寝転がっているのが視界に入る。
     普通の人間なら一大事なその状況も彼ならばいつもの事になっているのだから、慣れとは恐ろしい。
     意識はあるのかと近付いてみれば、どうやら意識はあるらしく無事な右腕を軽く上げられた。
    「遅かったな、ウェブズ。殺しはしてないから安心しろよ」
    「そういう問題ではないけどね」
     どうせなら僕の庭で仕事をしてほしくない。
     殺しをしないと僕に言う彼の言葉は九割方守られていて、今までどうしてもそうしなければならない時以外はニューヨークでは殺しをしていない。そのどうしてもそうしなければならない事も無ければいいのだけど。
     彼の仕事柄どうにもそうはいかない時もあるようだし、何よりも彼が逆恨みされた時は手加減をしてもそうはならないらしい。
     もう彼の仕事について口を出すことはやめるようにしているけれど、どうしても何かを言いたくなってしまうのは仕方がない事だと思う。
    「俺ちゃんの可愛い左腕どこいっちまったんだろ」
    「さあね、少なくともここには無いよ」
     よく体の一部とお 4789

    MandM_raka

    REHABILIお題で頂いた蜘蛛はカフェインで酔うらしいスパデプ蜘蛛にカフェインを与えると酔っぱらうらしい。
     詳細はネットの情報しかないがこれはどうやら有名な話らしくて、あくまで生物的な意味の蜘蛛にカフェインを与えるとドラッグよりも酔っぱらうって話を見て興味が湧いた。
     そういえば愛しのヒーローはコーヒーの類を飲んでいるのは余り見た事が無いかもしれない。
     ネットで見た情報では蜘蛛が巣を作る前にドラッグを与えたよりも、カフェインを与えた方がぐしゃぐしゃな巣を作っている。人間にとってはカフェインは脅威ともいえる程の成分ではないが、自然界を生きる昆虫には害になるんだろう。
     確かにカフェインを取るなんて彼らが普通に生きていれば早々無いだろう。
     さて、此処までで今回の俺ちゃんが何をしようか分かったと思う。
     スパイディは人間だけど、その効果は表れるのかって興味が湧いた。酒を飲んでいるのもあまり見ない彼が酔っぱらっているのは見てみたい。
     いつも崇高な精神を語ってくるあの口がどう変わるのか、興味を持たない方がおかしいと思う。
    「でも普通の量じゃ効果出ないよな」
     コーヒーを飲んでいるのは余り見ないが、コーラはよく飲んでいる。コーラにも当然カフェインは入 5994

    MandM_raka

    TRAININGリルデプちゃんと初めての邂逅をするデプちゃん【スパデプ】『ハイ、今回の話は今までのあらすじなんて存在しない。突発的に始まるから覚悟しろよ。一応前提としては俺ちゃんの事が本当は好きなスパイディと、スパイディがめっちゃ好きだけど関係が壊れるのが嫌だから何も言えない健気な俺ちゃんって感じだ。うーん、これだけ聞いて本当に読みたい奴居るの?いかにもインターネットにこういう話をアップしてるファンガールが考えそうな内容だよな』
     俺ちゃんは今とっても疲れているかもしれない。テーブルの上でグラスに寄りかかりながらそう言ってくる小さい謎の生き物は俺ちゃんに見た目だけなら似ているかも。
     何だこれ。どういう仕組みなんだ?誰かの悪戯だろうか。
     そう思って持ち上げてみたら非難するようにピーピー悲鳴を上げていたけど、取り合えず電池か何か入っていないのか探してみる。
     幻覚にしてはしっかり触れるし、本当どういう仕組みになってるんだか意味が分からん。
     意味が分からないのはこの生き物が言っていた謎の言葉も解せない。まあ、後半部分については自分の事だから渋々認めるとして、スパイディが俺ちゃんの事を好きだなんて事は絶対にありえない。どれくらいありえないって、蜘蛛に噛まれて 6844

    MandM_raka

    MOURNING初めてのモブ霊書きかけ供養大人になってから反省する事は山ほどある。
     それは子供には言えないような失敗がどんどんと増えていく。俺が子供の頃は大人は失敗しないものだなんて思っていたが、実際は大人は失敗しても子供に言わないだけで、それを隠しているなり嘘で誤魔化しているだけなのだ。
     ああ、大人になるってのは本当に面倒だ。俺は昔から要領も良かったしどんな事だって適当に何とかしてきた。実際の所、そこまで大きな挫折ってのは味わったことがないかもしれない。
     自分でも思うが俺は何とも悪運が良いのだから。
     話は冒頭に戻る。大人になってから失敗する子供にも言えない失敗の代表、それは酒だ。昨日モブが成人になった記念に俺の奢りで飲もうって誘って、居酒屋で飯食いながら飲んでたのは覚えている。
     そこでベロベロに酔っぱらってモブに迷惑かけまくったとかならまだいい。今回の失敗はそんな事よりも最悪の状況だ。
     まず目が覚めて俺の視界に入ったのは見慣れない天井だ。その上裸だったんだから何をやってしまったかなんてわかりきっている。何ともありがちな展開ではあるが、実際に自分がこの立場になってみて分かったがめちゃくちゃにパニくる。
     酒飲んだ勢 9550

    recommended works

    humi0312

    DONE1427で、かわいいものを抱っこしないとだめな呪いにかかった師匠の話。

    *書き上がりました!
     モブ霊タグをつけていますが、師弟みが強いです。
     孤独なホワイティ以前で、エクボがいる時期の相談所。
    かわいいもの「師匠? 師匠、聞こえますか? ……どうなってるの」
    「どうもこうも……」
     ぼんやりとした意識の中に声が聞こえる。眠っていたのか、何やら妙に思考が鈍くて働かない。
    「憑かれちまったみたいなんだがなあ……。何するでもなくこの通りだんまりでよ」
    「いったい何でまた」
    「わからん。依頼人は水子かもしれんと言ってたんだが……、それにしちゃあガキの気配じゃないんだよ」
    「依頼の方はどうしたの」
    「こいつに憑いちまったからか、あっちは霊障も治まったみたいでな。な〜んも感じなかったぞ」
    「そう……。どうしよっか……」
     お手上げ状態といった調子の声ともう一つの声が何か話しているのだが、いまいち内容が頭に入ってこない。状況が掴めないと言わんばかりの声の方は少し苛立った気配を見せていて、厄介事になる前にどうにかしようと顔を上げる。寝ていたからか、ずっと下を向いてたが、見慣れた床から慣れ親しんだ事務所にいるんだと分かった。
    5604