Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 399

    ちょこ

    ☆quiet follow

    エガキナ
    認可信号組

    ##エガキナ
    #認可信号組
    approvedSignalGroup

    「締切もうすぐなのに!」
    「創が締切気にしてるとか、明日は槍が降りそうだな」
    「それは同感」
    「酷い二人共!」
     江波戸創、灰野琥珀、御手洗鈴鹿はそう言いつつ没が出たというエリアまで行く。そこは繁華街から少し離れた所、店がちらほらとあったが、既に避難はすんでいるという。どうやら、とある作品が没になり暴れたと聞いた。現場は暴れた跡がちらほらと見え、所々コンクリートにヒビが入っていた。
    「フレイ、没の場所わかるか?」
    「ちょっとまってな」
     琥珀のニジゲンであるフレイは、地図を広げてそっと紙を撫でる。すると周辺の地図と、没らしきマークが表示される。表示されているマークは一つ、聞いた情報通りだ。三人はフレイの地図を覗き込みながら話す。
    「丁度ここにいるから、俺が囮になる。その間に二人がここに回って……」
    「俺が奇襲しかけるから、鈴鹿が殴ればいいかな」
    「分かった」
    「じゃ、行ってくる。フレイは動き見てて」
     そう言って琥珀は走った、走った先にはフレイの地図で見たとおり、没が居た。没の大きさは丁度創と鈴鹿くらいの身長にも見える。ゆらゆら、と形を保ってないようにも見え、まるでモヤのようだった。その没は琥珀を見た途端、弾けた。

    「……!?」
     どこに行った? と周りを見回す。よくよく見ると小さな綿帽子ににた何かが周りにフワフワと浮いている。先程のモヤと同じ色に気づく、ならこれが散らばった没の一部、と琥珀は剣を構える。
     剣を構えた時、散らばった綿帽子が集まり出す。没の一貫性のない行動に琥珀は戸惑っていた。これでは囮として引き付けられるか分からなかった、既に創は道の脇に隠れて様子を伺っているはず。とにかくじっとしている暇はない、動くかと走ろうとした時、後ろから殺意を感じ取った。
    「……っ!」
     咄嗟に後ろを向いて剣を振るったが、モヤの一部は剣を逸れ、琥珀を薙ぎ払った。琥珀はなんとか受け身を取ろうとしたが、運悪く背中から強くぶつけてしまう。
    「琥珀!」
     傍から様子を見ていた創は慌てて飛び出し、琥珀の近くまで走った。呼吸はしていたが、起きる様子がない。創はすぐさま琥珀を小脇に抱えつつ、レイピアを握りしめる。後ろを向いた瞬間、没の攻撃が目の前にまで迫っていた。

    「しまっ……!」
     既で、の所で創のニジゲンであるカインがエガキナで没の攻撃を吸収した。息を乱しつつ、ちらり、と琥珀の様子を見た。
    「創、琥珀の様子は」
    「息はしてる、けど多分これ気絶してるな……。とりあえずあいつから離れて……。……! カイン危ない!」
     創はそう言ってカインを突き飛ばした。突き飛ばしたのと同時に、足と頭に痛みが走る。どうやら没の攻撃が掠ったようだ。流石にそれで気絶はしなかったが、ヘマをした、と創は舌打ちをした。
    「っ……あー、いってぇ」
    「創!」
    「大丈夫大丈夫」
     そんな時、体が浮いた。なんだ? と創が顔を向けると鈴鹿が創の事を抱えていた。創が抱えていたはずの琥珀は、片手で姫抱きをして走っていた。なんだそれ、かっこいい、と思わず内心思ってしまった。そんな創を横目に、鈴海は口を開く。
    「状況は」
    「あー……行動に一貫性がない。けどこちらが敵意を向けるとあんな感じにはなるな。……俺が引きつけるから……」
    「一番慣れてる琥珀が動けてないんだ、遠回しより直で叩いた方がいい」
     そう言って、鈴鹿が琥珀を抱えている手に力が篭っているのを創はそっと見た。これは怒ってるな、と呑気に思っていると、カインとフレイが駆け寄ってきた。
    「フレイ、琥珀と創を安全な場所に飛ばしてくれないか。カインは二人の治療、頼めるか」
    「いいけど、鈴鹿の旦那一人で大丈夫か……?」
    「飛ばした後にフレイが戻ってくればいい、二人のことは俺が守る」
    「……わかった! 鈴鹿の旦那! 気をつけてな!」
     そう言ってフレイは地図を広げると、高らかに声を出す。
    『地図の示す場所へ!』
     そう言うと、抱えていた琥珀と創、フレイとカインが消える。フレイのエガキナで飛んだのだ。フレイが飛んだのを確認した鈴鹿は、メリケンサックを握り直して没の方へと顔を向けた。
    「よくも二人を傷つけたな」

    「鈴鹿あれガチギレだったな〜……」
    「創?」
    「いんや、大丈夫大丈夫。琥珀もすぐに起きるだろ? ……鈴鹿が帰ってきたら頭撫でるか」
     カインに治療されている間、没の行く末を簡単に想像出来て、思わず苦笑いをした創だった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
    1309

    related works

    recommended works