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    夕映(ゆうえ)

    @vyl_as0ur

    主にまほやくの晶オエを書いています。
    ※フォロワー限定が使えなくなったので統合しました。
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    本垢 :@vyl_as
    R18🔒垢 :@vyl_as0ur

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    夕映(ゆうえ)

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    フォル学パロの晶♂オエ♀のつづき。
    再録に入れなかったので、ここに残しておきます。

    野良猫のよう―――猫とは気まぐれな生き物だ。

     いきなり向かってきたかと思えば、何も言わずに足の間に体を丸めて収まる。そうして足を枕にして眠るときもあれば、前足をかけてぎゅっと引き寄せて、何かを要求するわけでもなく、鼻から息をふすっと吐いてそのままそこに居座るのだ。
     それが本物の猫であれば、それは仕方がないと思えるけれど、この人は厳密に言えば猫ではない。いいや、厳密に言わなくとも、人と言っている時点でこの人は人間なのだ。
    「……何こいつ」
     何も言わずに足の間に座って寄りかかった彼女は、スマホを片手に、とても不機嫌な声を出して画面を凝視していた。
    「ねえ、髪乾かして」
     振り向きもせず、画面から一度も目を離さずに、同じトーンで投げかけられた言葉は、いつも同じことで、用意しておいたドライヤーを手に取って、言われるまま髪を乾かしてやる。
     ちょうど髪が乾く頃にSNSのチェックが終わるようで、テーブルの上に画面を下にしてそれは置かれる。
     これは、今日は寝るという合図だ。
    「髪、乾いてないところないですか?」
    「うん、大丈夫」
     ほんの少し髪に触れて頷く彼女は、ここでようやく顔をこっちに向けてくれるのだ。
     気が付いたら居座っていた野良猫のようなこの人は、転校先で出会った先輩で、しかもアパートのお隣さんで、学校で顔を合わせても外で見かけた飼い猫のように他人の振りをする。けれど、この人は毎日この家に帰ってくる。
     不思議な関係だけれど、居心地が良くてこうしてくれているのなら、それも悪くない。

    「何してるの?早く寝ようよ」
    「今日は自分の部屋で寝てくださいよ」
    「嫌だよ。あの部屋寒いんだもん」
     何かと理由をつけて隣の部屋に戻らずに居座るこの人は、自分の家がありながら家を渡り歩く半野良の猫のように気ままな人だ。
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    夕映(ゆうえ)

    REHABILI去年末にリクエストをいただいたもの!です!
    クリスマスどころか正月も終わってバレンタインの季節になっちゃいました……。
    筆が遅い上に最近まともに文章書いてないからこれ以上こねくり回すとお蔵入りしそうだったので上げます。遅くなりましたが、リクエストありがとうございました!
    「賢者様って、顔に似合わずロマンチストだよね」
    「……それ、褒めてませんよね」
    「ふふ、どうだろうね?」
     街灯に背を預けたまま、オーエンは目を細めて言った。声色も、その仕草も、からかっているときのそれだ。
     けれど、そんな他愛のない戯れの時間が、案外嫌いではなかった。こんな風になるのは二人きりのときだけで、心を許されているような、そんな気持ちになるからだ。まして、二人きりでお忍びデートのようなことをしているのだから、自惚れではないと思いたくもなる。
    「それで、なんだっけ。プレゼントを持ってくるのが、サンタコロスで……」
    「サンタクロースですよ」
     オーエンは時々、自分に馴染みのない言葉をおぞましい単語に置き換えて言ってくることがある。本気で言っているのか、ふざけて言っているのかわからないけれど、楽しそうにしていることが多いから、きっと後者なのだろう。
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    夕映(ゆうえ)

    REHABILIオアシス!🌴バカンス!🏖️なのにあまり自カプがはしゃいでいなかったので思いっきりバカップルさせてみた。めちゃくちゃ体の関係があることをにおわせています。
    本当は、強くて怖い北の魔法使いオーエンムーブをぶちかませたかったんだけど無理だった😉✨
    相変わらずねこちゃんみたいなオエととことん好きな女を甘やかしてしまう晶。
     住民の好意で用意してもらった宿屋の一室で、今日あったことを振り返りながらうとうととしていたとき、静かに揺り起こすようなドアを叩く音で現実に引き戻される。
    「賢者様、いる?」
    「……ん、オーエン、ですか?」
     部屋に訪ねてきたのは、このバカンスのためにとクロエが用意してくれた衣装に身を包んだオーエンだった。
    「へえ、部屋にいたんだ」
     ベッドの上でくつろいでいる姿を見るなり、意味深めに目を細めて音もなく近付いてくる。
    「部屋じゃなかったらどこにいるんですか」
    「さっき、飯屋で女たちに囲まれてただろ。満更でもない顔してた」
     今日の夕飯は賑やかなものだったけれど、この地に来てからほとんど一人で過ごしていたオーエンはあの場にはいなかったはずだ。けれど、にやにやと語る姿を見るに、どこからから見ていたのだろうということは容易に想像が出来た。
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