Light Forever「いつまでもここにいたいです!」
感動に震えた古論が波打ち際へ走り寄る。その後をのんびり追っていった北村が「しばらくここにいようかー」と声をかけた。足下の流木やら石やらを避けて、ふらふらと揺れる影が遠ざかっていく。
なんてきれいな光景だろう、と思う。
バラエティ番組で紹介されていた、青天下の紺碧に白砂が映える海岸を知っている。ハガキやカレンダーに刷られた、完璧な比率で横たわる砂洲と深緑の松が並ぶ名所を知っている。いつか借りた写真集で見た、エメラルドの海中に揺らめく色とりどりの珊瑚礁を知っている。
(まあ、清浄……とは言えないが)
見渡す空には大きな雲がぼろぼろと浮いて、夕陽が延びる海面は底知れぬ青鼠色をしている。ふと傍らの草むらに目を遣ると、潰れたペットボトルが砂を被っていた。
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