ぱちん。「…あ、爪割れてる」
夕食の後片付けを終えたプロデューサーは、指先を見つめて呟いた。
「爪切り使いますか?」
「うん、ありがとう」
最近爪割れやすい気がするなと難しい顔をしているプロデューサーに、タンパク質不足じゃないッスか?と他愛のない話をしながら爪切りを渡す。
「しっかり食べてるつもりなんだけど」
ぱちん。
「乾燥も原因らしいッスよ」
ぱちん。ぱちん。どうやらついでに他の爪も切るらしい。
「へー、そこまで考えた事無かったな」
ぱちん。深爪にならない程度に整えられていく。
「あとは補強用のマニキュアもあるとか」
ぱちん。その形には見覚えがあった。
「流石にそこまでは大丈夫だよ」
ぱちん。自分の奥に触れる時にはいつも爪を切るのだ。
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