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    orb_di_nero

    ぬばたま(@orb_di_nero)の小ネタ置き場。
    大体取り留めもない会話文のみ。

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    orb_di_nero

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    占誕のおまけ的な。

    ##占傭

    「親愛なるナワーブ
    僕の唯一の君へ。今日は僕の誕生日だから、君にこうして言葉を贈ることを許してほしい。君は恥ずかしがりだから、普段はあまり受け取ってくれないしね。
    ナワーブ、僕の美しく気高い鷹。僕は君を愛している。君と共に生きていきたい。君が居るのなら、喩えそこが地獄だって構わない。君と共に眠り、君と共に目覚めたい。僕は本心から、そう思っているよ。でも、君はどうも僕の中での自身の価値を分かっていないようだから心配だ。普段からの言葉も、誕生日に贈った言葉も、……ベッドの中で囁いた言葉だって、すべて僕の心からの言葉だ。決して同情だとか優しさだとかその場の雰囲気だとか、そういったものが理由なんかじゃない。僕が君を愛しているからこそ出たモノなんだ。全部、君自身に伝えたくて言っているんだよ。そういえばこの前、三回目の最中に愛してるって言った時、君は泣きながら『俺も』って言ってくれたよね。そのあとずっと「わー!おま、やめろ!!」してくれて、すごくすごく可愛かった。君は快楽に溺れていて意識が朦朧としてたみたいだからあまり覚えてないかもしれないけれど、あれが君の本心なら、とても嬉しい。君は翌朝謝っていたけど、謝る必要なんて全然ない。むしろ僕の方こそいつも無理をさせてしまってごめんよ。……いつも本心を隠すのが上手くて強い君が、ほんの少し素直になってくれるから、いつも無理をさせ過ぎてしまうのかな、なんて。ナワーブのせいにするのはよくないよね、ごめん。でも、あのナワーブが『イライ、こわ「やめろって!言ってるだろ!!」って言うくらい僕の手で更に乱れて、僕に縋ってくれて、僕で気持ち良くなってくれるあの時間が、二人きりのあの時間が、僕はとてつもなく幸福なんだ。愛してるよ、ナワーブ。いつもごめんね。……君は僕のことを優しさの塊だと思っている節があるようだけれど、こうやって書いている通り、全くそんなことはないんだ。君に心奪われたあの日からずっと、君が欲しくて欲しくて堪らなくて、君の身も心もすべてが欲しくて、その為なら形振りなんかどうだっていいと思っていた。僕はそんな愚かな男だよ。ナワーブが僕の手を取ってくれた今、僕はもう、君を手放してあげられない。愛している、ナワーブ。僕の「っもう!もう読むのやめろ!」……落ち着いて、ナワーブ。まだ半分も読めてないのに、そんなに照れてたら最後まで保たないよ」
    「おま、お前が悪い!俺宛の手紙は分かったけど、わざわざベッドの上で俺を抱き込んで読み聞かせる必要がどこにあるんだよ!普通に渡せばいいだろうが!!」
    「だって、普通に渡しても読んでくれないかもしれないじゃないか」
    「読むって!」
    「ダメ。読んでくれても、また勘違いされたら意味がない。君はどうも、僕の言葉が全部優しさから来るものだと勘違いしてるみたいだから」
    「そんな、ことは」
    「あるよ。そうじゃなかったら、君の想いと引き換えに手紙を届けようなんて思わない」
    「……お前、怒ってる?」
    「怒ってるよ。せっかく手に入れた宝物を勝手にガラクタと交換されるなんて、怒るに決まってるじゃないか」
    「ガラクタなんてそんな、」
    「ガラクタだよ。愛する者からの愛に比べたら、昔の手紙なんてガラクタ以外の何物でもない」
    「っ……」
    「ふふ、真っ赤だね。可愛いな」
    「んっ、ちょ、お前……!」
    「ごめん。照れてる君が可愛くて、つい。……うーん、こういうところが信じてもらえない原因なのかな……。でも僕の可愛いナワーブが身体中真っ赤になって照れてたら仕方ないよね?」
    「っ、仕方なくない!耳元で囁くな舐めるな触るな!…ひぁっ!?」
    「仕方ないよ。せっかくの誕生日なのに一番欲しいものをお預けされてたんだから」
    「そ、ぅ…んんっ、それ、は、」
    「ねぇ、ナワーブ。君のことを頭のてっぺんから爪先まで全部愛させて欲しい。――くれるよね?」
    「わか、分かったから!……こんなのでよければいくらでもくれてや…………うわ!?」
    「ほら。分かってないなぁ、ナワーブは」
    「は?……ちょ、」
    「僕の宝物を“こんなの”なんて言わないで。分かってくれるまで、今夜は離さないからね」
    「……んっ、おて、やわらかに頼む」
    「どうだろう?僕、今結構怒ってるから」
    「笑顔で言うな!…ひ、ゃっ」
    「ふふ。愛してるよ、僕のナワーブ」
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    orb_di_nero

    MOURNING記憶喪失話占視点。力尽きて急に終わる誰にも言ったことはないけれど、僕はこの荘園に来る前にとある人に飼われていたことがある。
    飼われていたと言っても、別に奴隷ような扱いを受けたりはしなかった。念の為に言っておくけれど、性的なアレソレもない。ただ、どこの馬の骨かも分からない僕に無償で寝る場所と食べ物をくれて、それから言葉を交わしたりした。それだけの、優しい関係だ。





    その人と出会った時、僕は一切の記憶を失っていた。
    天眼の力を失った僕を疎ましく思った彼女の家の者に殴られ、路地裏にまるでゴミのように捨てられていたのだ。
    何も持たない僕を自らの家へと持ち帰ったその人は、医者を呼び薬を貰い、そして寝床や食事まで用意してくれた。
    優しい人だと言うと怒ったような顔をするその人は、イーライ・クラークと名乗った。「似合わん名前だろう」と苦笑気味に言われてしまった時は、どんな顔をしたらいいか分からなかった。
    彼は良い人だ。記憶のない僕を拾い、こうして置いてくれている。
    彼は良い人だ。僕が彼の意に沿わないことをやっても、決して手を上げたりはしない。
    彼は良い人だ。僕が「ありがとう」と言うと、ほんの少しだけ笑ってくれる。
    けれど、彼は善 2167

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    TRAININGお題「絶交」な会話文。眠気に負けるな。イソップ大活躍。「っ、どうして分かってくれないんだ!もうナワーブなんか知らない!君とは絶交だ!!」
    「……あっそ。分かった」
    「えっ」
    「じゃあ俺は部屋に戻る。悪かったな、“クラーク”」





    「…………はぁ」
    「あれ、イライさん?珍しいですね」
    「あ、イソップくん。こんばんは」
    「……こんばんは。こんな時間に一人で食堂にいるなんて、どうしたんです?」
    「そうだね……ちょっと色々あって」
    「へぇ、そうなんですか」
    「…………」
    「…………」
    「……聞かないのかい?」
    「聞くタイプに見えますか?」
    「いやそれは……見えないけど」
    「じゃあそういうことです。僕はお茶を淹れに来ただけなので」
    「そっか……」
    「…………」
    「…………あのさ」
    「なんですか」
    「ちょっと聞いてほしいんだけれど」
    「そっちが聞いてほしいんじゃないですか。なら最初からはっきりそう言えばいいのに」
    「はは……うん、そうだね……」
    「何ガチ凹みしてるんですか」
    「うん……いや、ちょっと思うところがあって……」
    「…………はぁ。お茶が入るまでですよ」
    「え?」
    「お茶が入るまで、話を聞いてあげます。ただし、建設的な意見とかは求めない 2276

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    orb_di_nero

    MEMOバイン卿とクラークさんのハロウィン小話(会話文のみ)「バイン卿、言われた通りフロッツの焼き菓子とホーインズのチョコレートを三十程買ってきましたよ」
    「ありがとう、クラーク」
    「こんなに沢山食べるんですか?」
    「いや、これはハロウィン用だ」
    「ハロウィン用……?貴方のところに子供が来るのですか?」
    「いや、今から訪ねに行く。あまり治安がよろしくないから、付いてくるつもりなら財布はここに置いていくといい」
    「もしかして、ストリートチルドレンのところに?」
    「ああ。彼らは優秀な私の情報屋だからね。たまには仕事抜きの交流もしなくては」
    「……優秀、ですか」
    「ックク……」
    「バイン卿」
    「クラーク、子供相手に嫉妬なんかするもんじゃない」
    「……別に、そんなことは」
    「そういうのはそのへの字口を直してから言うんだな」
    「む……」
    「さ、行こうかクラーク。今日は忙しいぞ。情報屋たちのご機嫌を伺ったら、次は君の番だ。欲しいものを考えておきたまえ」
    「え?」
    「何を不思議そうな顔をしてるんだ。今日は君の誕生日でもあるだろう」
    「あっ、はい。勿論それは、……そうなんですけど。まさか貴方が祝ってくれるとは思ってなくて」
    「君は“優秀な”私の助手だ。祝うに決 911