ひまわり「ハウェーヤー、イルマ」
そう言いながら先生が僕の掌に落としたのはとても綺麗な、先生の紫の眼に似た宝石だった。
球体の宝石は艶々で光にかざすと中の小さな黒い球体に反射して覗き込んでいる僕の瞳へ光を注ぎ込む。
綺麗…
「イルマに似合うと思って用意した物だ。受け取ってくれ」
二人っきりの時にしか見せない先生の柔らかな笑みに照れながらも、こぼれ落ちないように宝石を握りしめた。
でも、僕、もうプレゼントを頂いていますよ?
そう、もう誕生日当日に先生から薔薇の花束と先生の家の合鍵を受け取っている。
合鍵を受け取った時は本当に嬉しくて、先生に何度も確認しては喜び、何時もより速くなってしまっていた心臓が口から飛び出すんじゃないかとヒヤヒヤもした。鍵は無くさないように、これも先生がくれた金と紫の毛で編まれた紐で、僕の首に掛かっている。
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