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    甘味。/konpeito

    800文字チャレンジだったりssを投げる場所

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    甘味。/konpeito

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    寝るまでは本日の法則で800文字
    誕生日の前日譚。クロリン、ク視点

    同居一年目は、釣り好きなリィンのために新作の釣り竿を。二年目にはクロウが彼の服をトータルコーディネートした。三年目にはふたりで温泉地巡りをして、四年目は、手作りの豪華な夕食をプレゼント。そして五年目の今年、いよいよリィンの誕生日が来週に迫っているにも関わらず、クロウはまだなにをプレゼントするか悩んでいた。
    「欲しい、もの?」
    「そうそ。そろそろ誕生日だろお前」
     トールズの同窓会から帰ってきたリィンに水を渡しながらさり気なく声をかけた。
     強かに酔ったリィンの記憶が怪しくなることを利用するのは多少気が引けたが、背に腹は変えられない。
    「クロウ」
     水の入ったコップを両手で包んだリィンがぼんやりこちらを見上げていた。呼ばれたと思い、彼に顔を寄せる。
    「ん? なんだ」
    「クロウ。クロウがほしい」
     ほしいってなんだ俺はものじゃねえと危うくつっこみそうになり、それを喉の奥に押し留めた。
    「いやな、誕生日プレゼントの話してんだよ」
    「分かってるぞ。だから、クロウが欲しいんだ」
    「分かってねえから。この酔っ払いめ」
     もう一度クロウが質問の趣旨を説明しても、きょとりと瞬いたリィンは同じことしか口に出さない。理性が緩いこんなときなら何事も我慢しがちな相棒のわがままが聞けるかもしれないという期待は見事に砕かれてしまった。
    「……クロウをくれたら、ケーキもプレゼントも、これから先なんにもいらない」
     静かに微笑むリィンは続けた。
    「クロウがくれた新しい釣り竿も、クロウと釣りができたから嬉しかった。クロウがくれた服も、俺のために選んでくれたものだから嬉しかった。旅行も、料理も、どれもクロウと一緒だったからとても楽しくて幸せだったんだ」
    「――そんなに欲しいのかよ、俺が」
     もちろん。そう力強く頷いた彼に、もうクロウは観念するしかなかった。知らないふりをし続けてきたお互いの胸に巣食う熱に決着をつける覚悟をして。
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    さらさ

    MOURNINGフォロワーさんのネタをサルベージした一品。二パターンのうちの一個。曰くフォロワーさん的にはこっちがお望みだったようなのでこちらを先にアップ。
    でも本当に様になるねこの男は。

    尚そんなに活躍していない偽名は、私の趣味です(特にローデリヒ)
    踊ってください、愛し君「あれが例のターゲットか」
    「そうみたいだな。さぁて、どうしてやろうか」

     帝国のとある貴族邸にて。一時期帝国とクロスベルを行き来していた偽ブランド商がこの屋敷にて開かれる夜会に紛れてどうやら密談を行うらしい。そこでクロウとリィンには穏便な形での取り押さえるという依頼が舞い込んできたのである。相談した結果、ターゲットが女性である事とクロウ曰く二人そろって見目もいい事から凝った変装は必要ないだろうという事になった。ただリィンの場合は顔と名前を知られすぎているので、一工夫必要だとクロウの手によって好き勝手され。ラウラやユーシス、時間が出来たからと顔を出したミュゼの審査を受けてようやく目的地に辿り着いたのだが。如何せん、そこまでの振り回されたこともあって少々疲弊していた。潜入捜査に男二人は流石に目立たないだろうかとは思ったものの、その手のプロから珍しい事ではないとのアドバイスをもらったので女装させられるよりはましかと腹を括った。
    1996

    さらさ

    DONEリクエストより「クロリンで指輪交換」でした。指輪を交換した勢いで誓ってもらいました。場所が場所だけどね!

    リクエストありがとうございました!
    誓いの環をその指に「買って、しまった……」

     十二月もまだ初旬、たまたま帝都に出たという理由だけで散策して見つけたシンプルな指環。ああ、あいつに似合いそうだと思ってうっかり買ってしまった物だったがこれを渡せる程の関係でもないという事は彼――リィンも分かり切っていた。一応、お付き合いしている関係ではある。だが余りにも空白の時間が長すぎた事、戦後の事後処理に追われて時間が取れない事が相まってしまい未だ実感が湧かないのが現実であった。だからこれは余りにも早すぎるというもので。そっとコートのポケットへと仕舞ったのだった。

    「やべぇ、買っちまった……」

     同時期、別の男もまた同じ事をしていた。たまたま見つけた最低限の装飾しか施されていない指輪。ああ、あいつの指にはめてしまいたいだなんて思っているうちに買ってしまった代物である。お付き合いを始めてそろそろ三か月、今度こそ手を離さないと誓ったものの状況がそれを許さなかった。彼らは別々の場所で必要とされ、帝国内を東奔西走するような日々である。言ってしまえば魔が差したようなものだと、彼――クロウは思う。なんせ相手は天性の朴念仁で人タラシ、所有痕の一つや二つ残しておかねば相手が近寄ってくる始末だ。その状況に頭を抱えていたのは事実だが、かといってここまでするつもりはまだ毛頭なかった。
    1833