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    甘味。/konpeito

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    本日の800文字チャレンジ
    Ⅳ後両片思いクロリン/エリオット視点
    恋は盲目

    「なあ。エリオットは知ってるか。リィンの好きなヤツが誰か」
     一瞬思考が止まったエリオットは思わず、それってクロウのことだよねと口走りそうになった。
    「え、っと。なんでそんな話になったの」
     今日は、クロウと喫茶店で待ち合わせていた。そこに現れた彼があんまり悲壮な雰囲気を醸し出していたので、見事な肩透かしを食らってしまう。
     ふたりの微妙な関係に周囲は歯噛みしつつも、温かく見守っていこうと決めていた。ふたりとも大切な友人だ。幸せになってほしかった。
     巨イナル黄昏によって引き起こされた大戦終結後、リィンは忙しいながらも平和な日々を過ごしているようだった。クロウもまた、一度終わった生をふたたび歩みはじめたところだ。彼らなりの速度というものがあるだろう。
    「このあいだ、バレンタインがあっただろ。リィンはもらったのかって話になったんだが、新Ⅶの連中が、アイツは本命がいるからチョコは全部断ったって」
     はあ、と気のない相槌をしてしまった。注文していたカフェオレが美味しい。
    「しかも、よくよく聞いたらいい加減でお調子者で? 頼りがいがあって面倒見はいいらしいが、今はあっちこっちをフラフラしているヤツらしいじゃないか」
    「まあ、そうだね」
     否定はしない。言い方に毒はあるが。
     現にクロウは大戦終結後、あちらこちらで手伝いをしているようだった。つまり、リィンは置いていかれた形になる。生徒らからの心証も悪い。
    「そんなヤツにリィンを任せられるのか。そもそもだ。アイツがそんなに入れ込んでいるのに、なんの進展もしてないってどういうことなんだよ。アイツほど誠実なヤツはいないだろ!」
     言い終わるや否や、力強くテーブルを叩いた彼に憐れみの目を向ける。まさにリィンの周囲にいる誰もが抱いている疑問だった。さらにリィンが気がつかないのは納得できるが、聡いはずのクロウが全く感知していない事実に頭痛を覚える。
     恋は盲目。つまりはそういうことなのだろう。
     この相談に答えを求められたエリオットは、額を抑えるのであった。
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