Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    111strokes111

    @111strokes111

    https://forms.gle/PNTT24wWkQi37D25A
    何かありましたら。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 317

    111strokes111

    ☆quiet follow

    シャッフル企画です。

    回復職として当てにしていたバルタザールのライブがいつまで経っても本当にお粗末な為、誰かが新たに回復魔法を覚えるしかないと言う話になった。別働隊を編成することが増えたのでそれぞれに回復職が欲しい。ベレトという鶴の一声でクロードが今さら修道士の資格を取ることになった。ヒルダが持ってきてくれた修道士見習いの装備が身につけられるかローレンツの部屋で確認している。クロードの部屋には大きな姿見がないからだ。線が細い十代前半の子供が着るような意匠なので肩周りや腕に筋肉がついているクロードが着ると違和感がある。五年前のリンハルトはよく似合っていた。

     そもそもクロードは身体の線が出る服を好まない。そしてローレンツの例を見ればわかる通り身体の線が出る服は寸法が合っているからこそ見栄えがするのだ。

    「バルバロッサの格好が見慣れていたからなんというか…違和感があるな」
    「今さらこの格好をする羽目になるとはなあ…」

     ローレンツの兵種はダークナイトなので遠目から見れば身長差もあり演習や戦闘の際にこの格好で並べば大人と学生が連れ立っているように見えるだろう。しかし近寄れば頬髭を生やし妙に上腕に筋肉がついた修道士見習いのお目見えだ。

    「マリアンヌさんに回復魔法のコツを習うと良い」
    「マリアンヌの物真似なら出来るぞ」
    「その物真似が得意だと思っているのはクロード、君だけだ」

     修道士見習いの装備に身を包んだクロードの姿は悪ふざけにしか見えない。だが、魔法に関する個性の違いはバカに出来ないものだ。今がどんなに稚拙でも努力すれば将来的にはローレンツが習得できなかったサイレスが別の個性を持つクロードなら習得に出来る様になるかもしれない。

    「とりあえずマヌエラ先生のところで研修を受けてくる…」

     とぼとぼとマヌエラの元へ向かうクロードの後ろ姿があまりに珍しかったのでローレンツの持つ乏しい悪戯心のようなもの、が珍しく刺激された。

     マヌエラはレスター諸侯同盟の盟主であるクロードにも容赦しない。

    「クロード、もっと早く!負傷者達があなたのことを待っていてよ!」

     座学から始まると思っていたのにクロードは何故か外へと連れ出され、ずっと走り込みをさせられている。マヌエラの叱咤する声を聞きながらクロードは恨めしそうに腹側に抱えさせられている背嚢を撫でた。背中側にも同じように石がぎっしり詰められた背嚢を抱えている。息が整うのを待たなければ言い訳も反論もできない。耳の後ろの血管が脈打つのを感じながら声が出せる様になるまで待った。この状態で正確に回復呪文を唱えねばならない。

    「もう少し身軽ならもう少し早く走れるんですが…」
    「その重さに慣れなさい。あなたが戦場で抱えて安全なところまで退避させる負傷者の重さなのよ」

     バルタザールの体格にはなんと根拠があったようだ。回復職を担当しているマリアンヌは細身かつおっとりした性格で日頃は彼女から力強さを感じたことがないし素早い印象を受けたこともない。彼女が学生時代に走り込みをさせられていたのをクロードは知らなかった。

    「はぁ〜我が軍における回復職の待遇を向上させないと…」
    「盟主のあなたがそう考えるようになっただけでも訓練した甲斐があってよ」

     マヌエラがさあ、もう一本走ってらっしゃい、と笑顔で鬼の様なことをいうのでクロードは覚悟を決めた。確かに駆けつけた後ですぐに回復魔法の呪文を詠唱せねばならないのだから簡単に息を切らしている様ではつとまらない。

     翌々週、マヌエラの指導というかしごきに耐えたクロードは見事修道士の資格を取得した。ようやく学生の様な格好をせずに済むと思ったクロードは足取りも軽く物資の管理をするヒルダの元へと修道士の装備を受け取りに行った。

    「あっ受かったんだ〜!あてにしてるからねクロードくん!確かこの箱に入ってるはずだよ。大きさを確かめてみてね」

     勿論クロードはそれを理由にローレンツの部屋に入り込む予定だ。

    「肩周りがキツくないと良いんだがなあ」
    「わかる〜!私も肩周りがキツい服って斧振り回すときに破けそうで嫌なのよ〜」

     思わぬところで賛同者を得たクロードが自室に戻って箱の蓋を開けると中に「心の綺麗な人にしか見えない服」と書いてある紙だけが入っていた。筆跡はローレンツの物だった。きっと本来の中身はローレンツが持っているに違いない。

     虚を突かれたのが少し悔しかったクロードは「心が綺麗な人にしか見えない服」を着たまま部屋の外に出て隣室の扉を叩いた。大きさがあっているか確認しなくてはならない。少し肌寒い気もするがローレンツの冗談に全力で乗っかってやろうと思うしローレンツにも「心の綺麗な人にしか見えない服」を着せてやろうと思う。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺👍☺👍☺👍💖💖💖💖💖👏👏👏👏👍🍼👍👍☺👍💯💯💯💕💕💕💖☺☺👏👏👏👏👏👍🇴🇴👍👍👍☺☺☺☺☺👏👍👍👍👍😊
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    9660moyunata

    DONEテレビゲームをするだけの現パロ年後クロロレ
    光属性ですご安心ください。
    「ローレンツはゲームとかしないのか?」
    「そんなもの、時間の無駄だろう」
    やっぱりそう言うと思った。庶民の娯楽に現を抜かしてる暇なんてありませんって顔に書いてある。
    「じゃあさ、1回だけ対戦付き合ってくれないか? このゲーム1人でもできるんだけどさ、せっかく買ったんだしちょっとくらい人と遊んでみたいんだよ」
    「仕方がないな、1度だけだぞ」
    ローレンツはせっかくだから、とかそういう言葉に弱い。あいつは俺のことに詳しいなんて言っているが、俺だって負けてない。ローレンツが俺のこと見続けているなら同じだけ俺もローレンツを見ているんだ。
    今始めようとしているゲームはいわゆる格闘ゲームだ。さすがに初心者のローレンツをこてんぱんにするのは気が引けるから、あえて普段使わないキャラクターを選ぶ。それでも俺の方が強いことに変わりはない。手加減しつついい感じの差で勝たせてもらった。
    「......。」
    勝利ポーズを決めている俺のキャラクターをローレンツが無表情で見つめている。よし、かかったな。
    「クロード、もう一戦だ」
    「おっと、1回しか付き合ってくれないんじゃなかったのか?」
    「せっかく買ったのに 1372

    111strokes111

    MAIKING「説明できない」
    赤クロと青ロレの話です。
    3.遭遇・上
     三学級合同の野営訓練が始まった。全ての学生は必ず野営に使う天幕や毛布など資材を運ぶ班、食糧や武器等を運ぶ班、歩兵の班のどれかに入りまずは一人も脱落することなく全員が目的地まで指定された時間帯に到達することを目指す。担当する荷の種類によって進軍速度が変わっていくので編成次第では取り残される班が出てくる。

    「隊列が前後に伸びすぎないように注意しないといけないのか……」
    「レオニーさん、僕たちのこと置いていかないでくださいね」

     ラファエルと共に天幕を運ぶイグナーツ、ローレンツと共に武器を運ぶレオニーはクロードの見立てが甘かったせいでミルディンで戦死している。まだ髪を伸ばしていないレオニー、まだ髪が少し長めなイグナーツの幼気な姿を見てクロードの心は勝手に傷んだ。

    「もう一度皆に言っておくが一番乗りを競う訓練じゃあないからな」

     出発前クロードは念を押したが記憶通りそれぞれの班は持ち運ばねばならない荷の大きさが理由で進軍速度の違いが生じてしまった。身軽な歩兵がかなり先の地点まで到達し大荷物を抱える資材班との距離は開きつつある。

    「ヒルダさん、早すぎる!」
    「えー、でも 2073

    111strokes111

    MAIKING「説明できない」
    赤クロ青ロレの話です。
    11.末路・上
     クロードは先日、あんなことをしでかしておきながら怯えさせてすまない、とローレンツから逆に謝られてしまった。あれから何度か時間をとって話し合いをしてみたが互いの知る未来にかなり大きな食い違いがあることが分かりその後はおかしな雰囲気にはなっていない。

     細かな違いはあれどクロードの祖父が体調を崩し盟主代理として円卓会議に出席すること、それとマイクランが破裂の槍を盗み出すことは共通していた。

    「俺はマイクランが討ち取られたという話しか知らない」

     クロードの知る過去でもローレンツの知る過去でも級長が不在の可能性があるなら、と言うことで金鹿の学級はコナン塔へ行かなかった。

    「そちらでも箝口令が敷かれていたのか」

     教会は何かを隠している、というのが元からのクロードの主張なので教会の態度に矛盾はない。ベレトから馬の面倒を見るように命じられた二人はそれぞれ別の馬に新しい水や飼い葉を与え体を拭き尻尾の毛に櫛をかけ絡まっている塵を取り除いてやっている。いななきや馬が立てる物音が話し声を隠してくれた。今後の展開が色々と気になるところだが今回も祖父ゴドフロアの具合が悪くなるなら 2156