111strokes111 @111strokes111https://forms.gle/PNTT24wWkQi37D25A何かありましたら。 ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 320
111strokes111☆quiet followDONE「ひとがしら」最終話↑18?y/n show hide show all(22762 chars) Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow 111strokes111MAIKING蒼月ルートのクロロレです。家出息子たちの帰還.27───冬の間、スレンは雪に閉ざされ飛竜や天馬でほ飛行が不可能になる。そんな季節だからこそ土地の境界線で揉める。(中略)上空から土地の様子を確認出来ないため巫者は儀式によって魂を身体から離脱させ空に飛ばす。巫者の魂が直接、上空から土地を見て両者の言い分のうちどちらが正しいのか確かめるのだ。こうして問題を解決してきた歴史があるからか、スレンでは氏族の長が巫者を兼ねていることが多い── 招かれざる客と乾杯した後はその場で自分の杯を割るのがスレンの習いだ。事情を知るファーガスのものなら険悪な雰囲気になっていただろう。 彼等はシルヴァンたちのために馴鹿を捌きはしたが肩甲骨周りの肉ではなく、茹でた内臓を出している。皿の中身を見た時点で通詞はひどく不安そうにしていた。客人には普通なら最も良い部位を出す。彼は咄嗟に視線でシルヴァンに判断を仰いだが、シルヴァンはこの場ではローレンツに悟らせるな、と表情で命じた。 2834 111strokes111MAIKING蒼月ルートのクロロレです家出息子たちの帰還.26───アガルタのものたちは未だに本拠地がどこであるのか不明だが、彼らの伝承によるとかつてこのフォドラの地は全て彼らのものであったらしい。セイロス教以前から伝わる古いを教えを奉じ、セイロス教に仇なすものたちを偉大な先祖として祀る。(中略)彼らはセイロス教以前の古式ゆかしい文化の担い手である、という強烈な意識を持っているのだ─── ファーガス神聖王国が彼らに顔を奪われた、と認定したのはモニカ、トマシュ、コルネリア、アランデル公だ。彼らはある時を境に言動が激変したと言う。 「何故、彼らは同盟の中枢に入り込まなかったのだろう」 王宮の執務室で調査報告を受け取ったディミトリは調査に当たっていたフェルディナントとセテスに問うた。偶然でも予防出来たというなら、その方法を取り入れたい。 2791 111strokes111MAIKING蒼月ルートのクロロレです。家出息子たちの帰還.25───セイロス教の信徒によって辺境へと追いやられ、生き延びるために文化的変容を強いられたにもかかわらずダスカー人たちが北部に源流を見るのはいささか不思議な気持ちになる。だが現在のダスカー人たちはどこ出身であろうと北を神聖な方角と見做し、祭壇や上座を北側に作る。(中略)巫者は儀式の前に衣装や道具を北に設えた祭壇の上に置くか吊るす─── ディミトリはアンヴァルに突入する直前にエーデルガルトと話し合う機会を得られた。まだ起きていないことを阻止しようとする彼女との会話は全く噛み合わず、決裂を確認するだけで終わったが悔いはない。 帝都を突っ切って宮城の最上部まで突き進み、変わり果てた彼女を見た皆は言葉を失っていた。あんな姿になってまで守りたいものが何なのか全く分からない、と表情だけで訴えかけてくる。だが、片目を失いドゥドゥーを失ったと思い込んで闇の中を彷徨っていた時期のディミトリは化け物そのものだった。《似合いの姉弟だ!お前たちに違いなどあるものか!殺し合うがいい!》 2761 111strokes111MAIKING蒼月ルートのクロロレです。家出息子たちの帰還.24───北部から招かれた巫者はダスカー人が崇めるべき霊について南部のものたちに教える。彼らが崇める霊は大まかに二つの集団に分けられる。亡くなった巫者や貴族そして不審な死に方をしたものたちだ。前者は民を厄災から守る。山河と結びついてその土地の主となることもあり、恵みをもたらす。後者は狂い死にや水死したものであることが多い。彼らは子孫など縁があるものを病気や事故から守り、子供の成長を促す─── 後ろ盾であったコルネリアやアランデル公を失ったせいか、西部諸侯たちの抵抗はかなり散発的になっている。その状況を踏まえて王国軍はディミトリの希望通りフェルディアには戻らず、帝都を目指すことになった。ディミトリとエーデルガルトはいつか必ず激突する。早いうちに、と言う皆の気持ちもわかるが帳簿をめくる度にシルヴァンの手は止まった。 2827 111strokes111MAIKING蒼月ルートのクロロレです。「家出息子たちの帰還.23」18↑?→y/n 5186 111strokes111MAIKING蒼月ルートのクロロレです。家出息子たちの帰還.22───ダスカーでは魂は微細で軽いが実質を伴ったものである、と信じられている。巫者以外に姿を見ることができず、ほとんど重さを持たず枯葉の上を歩いても音を立てることはない。このような魂にとって一番恐ろしいのは悪霊や祖霊に捕らえられることだ。巫者はそのようにして行方不明となった魂を発見し、本来の身体に戻す。何年も見つからない場合もあり、ある巫者によると九年間かかった例もあるという─── ゴーティエ家にはスレン人の人質を預かっていた時期がある。シルヴァンは彼から憑き物が落ちたような、という言い回しを教えてもらった。 今のディミトリはまさに憑き物が落ちたような顔をしている。あの時ディミトリを庇ったロドリグは命を落とすつもりはなく、これまで通り狂気に囚われたディミトリを守り続けるつもりだったろう。だがシルヴァンはロドリグが死ななければディミトリは正気を取り戻せなかったような気がしている。フェリクスやイングリットのことを思うと絶対に口外出来ないが。 2806