Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    111strokes111

    @111strokes111

    https://forms.gle/PNTT24wWkQi37D25A
    何かありましたら。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 323

    111strokes111

    ☆quiet follow

    ゆる〜い現パロ(警察官×教師)です。
    クロロレ

    離婚して再婚するやつ(仮)7 生徒の人相や特徴をひととおり聞き出してから私用電話への着信拒否は解除しないが感謝する、と言ってローレンツは元夫との通話を終えた。
     不登校もしくは不登校気味な生徒たちの顔と名前を下の学年から一人ずつ思い出していく。おそらくクロードが説諭したのは九年生の生徒だろう。父子家庭の次男で何度か保護者と連絡を取ったが必要性を感じていないのか反応が鈍く、安定した登校への協力は期待できそうにない。
     それにしてもクロードには呆れてしまった。結婚していた頃は効率よく連絡を取るため時間割をシェアしていたが離婚した今は当然、そんなことをしていない。彼はどうやって今年度の時間割を手に入れたのだろうか。何にしてもあと十分早ければクロードからの電話を受けることはできなかった。離婚してから努力されても戸惑ってしまう。

     遅刻した生徒は安全のためロックされた生徒用玄関を通れない。教職員や来客用の玄関にあるブザーを押してそこから校舎に入る決まりになっている。繊細あるいは怠惰な生徒はこの一手間を嫌がって登校自体をやめてしまう。クロードが説諭してくれた生徒はローレンツの授業を取っている。
     スーパーの袋をがさがさ言わせながら例の生徒が教室に現れた。他の生徒たちは無邪気に友人との再会を喜び、手にもったポテトチップスを共に食べたがっている。しかし当の本人はどこか怯えていた。筒の中身を具体的に知っているのか、知ることを恐れているのか。
    「授業中の飲食は禁止だ。休み時間まで待ちなさい」
     この辺のやんちゃな子供ならば固いこと言うなよ先生にも分けてやるよ、と言って蓋を開けて食べ始めてしまう。赴任した当初は行儀の悪さに驚いたが親近感の表れと思えば愛らしい。
     だが生徒はローレンツの言葉を助け舟、と捉えて安堵の表情を浮かべた。運び屋の手口は子供たちの社会では継承されない。失敗すれば少年院行きで成功し続ければ裏稼業への道を行き、子供ではなくなってしまう。この生徒に愛や金を与え運び屋に仕立て上げようとしているのは彼が愛おしく思う者だ。単なる教師がそんな大切な存在と綱引きをせねばならない。勝ち目があろうとなかろうと、一刻も早くそんな世界から子供を遠ざけるのが貴族の───いや、まともな年長者の責務だからだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏👏😭💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    9660moyunata

    DONEテレビゲームをするだけの現パロ年後クロロレ
    光属性ですご安心ください。
    「ローレンツはゲームとかしないのか?」
    「そんなもの、時間の無駄だろう」
    やっぱりそう言うと思った。庶民の娯楽に現を抜かしてる暇なんてありませんって顔に書いてある。
    「じゃあさ、1回だけ対戦付き合ってくれないか? このゲーム1人でもできるんだけどさ、せっかく買ったんだしちょっとくらい人と遊んでみたいんだよ」
    「仕方がないな、1度だけだぞ」
    ローレンツはせっかくだから、とかそういう言葉に弱い。あいつは俺のことに詳しいなんて言っているが、俺だって負けてない。ローレンツが俺のこと見続けているなら同じだけ俺もローレンツを見ているんだ。
    今始めようとしているゲームはいわゆる格闘ゲームだ。さすがに初心者のローレンツをこてんぱんにするのは気が引けるから、あえて普段使わないキャラクターを選ぶ。それでも俺の方が強いことに変わりはない。手加減しつついい感じの差で勝たせてもらった。
    「......。」
    勝利ポーズを決めている俺のキャラクターをローレンツが無表情で見つめている。よし、かかったな。
    「クロード、もう一戦だ」
    「おっと、1回しか付き合ってくれないんじゃなかったのか?」
    「せっかく買ったのに 1372

    111strokes111

    MAIKING「説明できない」
    赤クロと青ロレの話です。
    3.遭遇・上
     三学級合同の野営訓練が始まった。全ての学生は必ず野営に使う天幕や毛布など資材を運ぶ班、食糧や武器等を運ぶ班、歩兵の班のどれかに入りまずは一人も脱落することなく全員が目的地まで指定された時間帯に到達することを目指す。担当する荷の種類によって進軍速度が変わっていくので編成次第では取り残される班が出てくる。

    「隊列が前後に伸びすぎないように注意しないといけないのか……」
    「レオニーさん、僕たちのこと置いていかないでくださいね」

     ラファエルと共に天幕を運ぶイグナーツ、ローレンツと共に武器を運ぶレオニーはクロードの見立てが甘かったせいでミルディンで戦死している。まだ髪を伸ばしていないレオニー、まだ髪が少し長めなイグナーツの幼気な姿を見てクロードの心は勝手に傷んだ。

    「もう一度皆に言っておくが一番乗りを競う訓練じゃあないからな」

     出発前クロードは念を押したが記憶通りそれぞれの班は持ち運ばねばならない荷の大きさが理由で進軍速度の違いが生じてしまった。身軽な歩兵がかなり先の地点まで到達し大荷物を抱える資材班との距離は開きつつある。

    「ヒルダさん、早すぎる!」
    「えー、でも 2073

    111strokes111

    MAIKING「説明できない」
    赤クロ青ロレの話です。
    14.誘拐・下
     ローレンツとクロードの記憶通り事態は進行した。一つ付け加えるならばクロードがセテスにちょっかいを出したことだろうか。見当違いだと分かっていることを敢えてセテスに聞いたら先方が何故か安心した、とクロードから聞いてローレンツは眉を顰めた。やはりセイロス教会は何かを隠している。五年前から問題視していたクロードが正しかった。だがそれは大乱を起こす理由になり得るのだろうか。クロードは元から英雄の遺産と白きものについて探っていたがそれに加えてエーデルガルトが檄文で言及していた教会の暗部についても調べ始めた。

    「先に掴んで暴露してしまえば檄文自体無効になるかと思ったがそんな都合の良い案件は見当たらなかった。敢えて言うならダスカーがらみか?」
    「だがあれも機能不全に陥った王国の要請がなければ騎士団が担当することはなかっただろう」

     エーデルガルトが見つけたと称するセイロス教会がフォドラの全てを牛耳っている証拠とセイロス教会の秘密は同一なのだろうか、それとも違うのだろうか。探さねばならないものが増えてクロードは大変そうだ。大変そう、と言えばベレトも大変そうだ。彼は修道院内を丹念に探 2099