底が無いわけではなく天井も無い「そうですね、あまり大っぴらにすることもないでしょう。」
関係を秘めておきたいと言われれば、確かに当然だろうと考えつく。例えば愛弟子と大先輩のように祝福したりされたりは望ましいが、そういった理解ある人々と幸せを共有できたら更に嬉しいくらいのことだ。
「よく恋愛の相談を聞く方がいるのですが、そちらへはお話してもいいですか?志鷹さんという鶴階級の方なのでご存知かと。」
「んぐっ」
「珠岡さん?」
「い、いいえ。ええ俺も知っていますよ。まあ......あの人なら大丈夫か。」
「はい!すでにお相手がいる方ですし、偏見もないですよ!」
知っています......と、口のなかで転がすように言う珠岡に再度首を傾げながらも先程口づけされた箇所を確かめるように指の腹でなぞる。
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