!現像失敗──そうして、それは足からよくわからない生物に捕食され、分解されて溶かされたのでした。
ちゃんちゃん。
──なんて言って簡潔に完結をしてもよかったのだけれど、どうやらそんな終わりを走馬灯が許してくれなかった。
走馬灯が許してくれない割には、思い浮かんでくるフィルムは随分と枚数が少ない。
コマ割りのようなそれ。連続した記憶は飛んで飛んで離れている。
つぎはぎのつなぎあわせのような連続写真。
私が写っているのに、随分と私の姿はぼやけていた。
私だけのラストショー。
なのに、その私の姿は曖昧だった。
わからない。
これが足を噛まれている痛みから頭にノイズが走って、思い出すものも気が狂っちゃってるのか。
自分の姿を映してこなかったからが故の曖昧さなのか。
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